■ 日本の秘湯、不動湯温泉
夕暮れの東北道を福島西ICで降りると、国道115号で土湯峠下の土湯温泉へ。ここ
では温泉街の中央にある共同浴場「中の湯」の熱い湯に入った。湯から上がると、体はゆ
でダコのように真っ赤だ。土湯温泉から秘湯の不動湯温泉へ。一軒宿の温泉だ。その間は
2・4キロのダート。“一軒宿”と“ダートを走っていく温泉”というのは、ともに秘湯
の条件。宿に入ると、さっそく“湯めぐり”をする。「常磐の湯」は炭酸鉄泉。「羽衣の
湯」は単純泉。露天風呂は硫黄泉。一軒の温泉宿で、それぞれに泉質の違う湯に入ると、
何か、すごく得した気分になる。
■ 秘湯めぐりの峠越えの開始!
翌日は女沼を見たあと、国道115号の土湯峠を越えながらの秘湯めぐりだ。「道の駅
つちゆ」を過ぎたところで、新道と別れ、旧道に入っていく。この旧道沿いに名湯、秘湯
が点在する。ほとんどの温泉が一軒宿である。
まずは野地温泉。一軒宿の「野地観光ホテル」は風呂自慢の宿。大浴場の「天狗の湯」
は木の湯船で、内風呂と露天風呂がつながっている。「千寿の湯」も木の湯船だ。「剣の
湯」は石の湯船。「鬼面の湯」は大露天風呂。次は新野地温泉。一軒宿「相模屋旅館
」の内風呂と露天風呂はともに木の湯船でいい味を出している。どこか一軒ということだ
ったら、ぼくはこの新野地温泉をすすめる。
■ 奥羽山脈の土湯峠
新野地温泉の先で、旧道を右折し、ダートを下ったところに赤湯温泉の一軒宿「好山荘
」がある。内風呂は赤湯温泉の名前通りの“赤湯”だが、露天風呂は“白湯”。ともにい
い湯だ。土湯峠近くの鷲倉温泉の一軒宿「鷲倉温泉旅館」の大浴場は総ガラス張り。土湯
峠から3キロほど入ったところにある幕川温泉の「水戸屋旅館」は1階に大浴場、2階に
展望大露天風呂がある。ともにすばらしい湯船だ。“一浴の価値”あり。
こうして名湯、秘湯の温泉めぐりをして福島市と猪苗代町の境の土湯峠に到着。標高1
224メートルの中央分水嶺の峠で、福島県の奥羽山脈の峠の中では一番高い。ここから
磐梯吾妻スカイラインが分岐している。峠に立ち尽くし、しばし会津側の眺めに見入る。
会津のシンボル、磐梯山がよく見える。
■ 沼尻温泉は日本最高の湧出量!
土湯峠のドライブインで昼食にし、土湯峠を越えて猪苗代町側に下っていく。峠下が横
向温泉。ここでは一軒宿「ホテルマウント磐梯」の“会津八湯”といわれる大浴場のいく
つもの湯の“湯めぐり”をした。国道115号の新道と合流し、次に沼尻温泉へ。「田村
屋旅館」の湯に入ったが、ここの源泉の噴出量はなんと毎分1万リットル。これは日本の
温泉の中でも最高の湧出量だ。土湯峠越えの温泉めぐりの最後は、沼尻温泉に近い中ノ沢
温泉。ここの「花見屋旅館」の庭園露天風呂に入り、国道115号で磐越道の猪苗代IC
へ。料金所手前でバイクを停め、夕空を背にそびえる磐梯山の姿を目に焼き付けるのだ。