■ 野辺地の常夜燈
「下北半島一周」の出発点は、「津軽半島一周」と同様、青森駅前だ。国道4号で野辺地
へ。その途中、浅虫温泉に立ち寄り、共同浴場の「はだか湯」に入った。そして野辺地へ
。海辺の浜町には常夜燈が建っている。江戸時代の後期につくられた常夜燈は、この地が
日本海の港々、さらには上方と海路で深く結びついていたことを教えてくれている。
■ 下北半島のシンボル、恐山
野辺地から国道279号で下北半島に入っていく。国道沿いの「レストラン常夜燈」で
「元祖ほたて丼」を食べ、横浜を通り、下北半島の中心のむつ市の田名部へ。ここから
恐山に行く。恐山といえばカソリの“東北おすすめスポット”ナンバーワン。三途の川にか
かる赤い橋を渡り、この世からあの世に入っていく。恐山は慈覚大師(円仁)によって開
かれたといい伝えられているが、「日本三大霊場」のひとつとで、死者の霊を呼ぶイタコ
の口寄せでよく知られている。恐山の地獄をめぐったあと、境内の恐山温泉の混浴風呂「
愛染の湯」に入った。
■ 「本州最涯の地」
恐山からむつ市の田名部に戻ると、次に下北半島東北端の岬、尻屋崎に行く。岬の周辺
は牧場になっていて、バーを上げて岬への道に入っていく。道路沿いの牧草地では“寒立
馬”が草を食んでいる。岬の突端には「本州最涯の地」碑が建っている。ここはまさに“
最涯”がぴったりする岬。尻屋崎灯台は日本に数ある岬の中でも、一番絵になる灯台だと
ぼくは思っている。岬に近い尻屋の集落に行くと、あちこちでコンブを干していた。コン
ブの根の“ネコブ”も干していた。これが血圧を下げるのにえらく効くという。
■ 奥薬研温泉の3つの無料露天風呂
尻屋崎からむつ市の田名部に戻ると、国道279号で大畑へ。そこから奥薬研温泉に向
かう。その手前にある薬研温泉では「紅葉荘」の湯に入る。奥薬研温泉には「夫婦かっぱ
の湯」と「かっぱの湯」、それと名無しの露天風呂の3つの無料露天風呂があるが、それ
ら3湯全部に入った。「夫婦かっぱの湯」は男女別、あとの2湯は混浴だ。以前は「薬研
観光ホテル」という温泉ホテルがあったが、今はその跡形もない。薬研温泉に戻ると、国
設薬研野営場に泊まる。ここはライダーには超人気のキャンプ場。管理人の石切富美子さ
んもライダーにはやさしい。夜は石切さんにカニを差し入れしててもらった。ごちそうさま!
■ 「本州最北の地」
大畑に戻ると、国道279号で本州最北端の大間崎へ。津軽海峡沿いの峠、木野部峠を
越え、名湯、下風呂温泉の共同浴場「大湯」に入り、さっぱりした気分での大間崎到着だ
。岬の突端には「ここ本州最北端の地」と彫り刻まれた碑が立っている。目の前のクキド
瀬戸を隔てて600メートルほど沖に浮かぶ弁天島に大間崎灯台がある。その向こうの水
平線上には、くっきりとした姿で北海道の山々が連なっている。三角形の特徴のある形を
した山は函館山だ。目を左に移していくと、高野崎から龍飛崎にかけての津軽半島の海岸
線を一望する。
岬前の本州最北の食堂「かもめ」でアワビ丼を食べ、岬から3キロほどの本州最北の温
泉、大間温泉「海峡保養センター」の湯に入り、目で舌で肌でと本州最北の地を実感した。
■ 海峡ラインを行く
大間からは国道338号(海峡ライン)を南下し、佐井村に入る。巨岩の願掛岩から先
の海沿いの道はまさに絶景ルート。下北半島随一の名所、仏ヶ浦は展望台から見下ろした
。佐井村最後の集落牛滝を過ぎると、台地上のワインディングがつづく。かつてはラフな
ダート国道だったこの区間も、今では2車線の気持ちよく走れるハイウェイ。陸奥湾に面
した脇野沢まで行ったら、T字路を右へ、ぜひとも道の行き止まりになる九艘泊まで行っ
てみよう。目の前には北海岬の大岩壁がそそりたっている。九艘泊のひなびた漁村の風景
が目に残る。
脇野沢に戻ると、国道338号を走る。波静かな陸奥湾沿いの道。途中、城ヶ沢温泉の
湯に入り、むつ市の大湊に出る。むつ市というのはこの大湊と田名部が合併してできた市
だ。むつ市からから国道279号で野辺地へ、そして国道4号で青森へと向かった。