■ 出発点は盛岡
八幡平周辺は日本有数の温泉の宝庫。このおすすめコースは、温泉めぐりをしながらの「八幡平周遊」だ。
出発点は東北道の盛岡IC。盛岡市内に入り、国道4号から津軽街道の国道282号を経由し、
西根町の中心、大更へ。左手には“岩手富士”の岩手山(2038m)がよく見える。
八幡平の玄関口の大更から県道23号で東八幡平へ。そして県道212号で今夜の宿泊地の松川温泉に向かう。
松川渓谷にある松川温泉には3軒の温泉宿。そのうち「松川荘」に泊まった。
瓢箪型をした大露天風呂は混浴だ。ここでは女性と一緒になるチャンス大。
すぐ近くには松川地熱発電所があり、モウモウと水蒸気を噴き上げている。
■ 樹海ラインを行く
松川温泉からは県道318号、通称“八幡平樹海ライン”で岩手・秋田県境の見返峠に向かっていく。
北側のアスピ−テラインよりも交通量は少なく、“樹海ライン”の名前どおりの豊かな自然を見られる。
見返峠下の藤七温泉には「彩雲荘」と「蓬莱荘」の2軒の温泉宿。
そのうち「彩雲荘」の湯に入った。豊富な湯量が自慢の温泉宿。木の湯船。
混浴の露天風呂も木の湯船だ。夏でも残雪を間近に見ながら白濁色の湯につかれる。
見返峠に立ち、しばし岩手山を眺める。時間があれば、峠の駐車場にバイクを停め、
ぜひとも八幡平の山頂まで行ってみたらいい。
■ アスピーテラインの名湯群
見返峠からはアスピーテラインで秋田県側を下っていく。
沿線には蒸ノ湯温泉、大深温泉、後生掛温泉と名湯がつづく。
蒸ノ湯温泉はアスピーテラインからわずかに入ったところにある1軒宿の温泉。
八幡平周辺の秋田県側では最高所の温泉で、標高1100メートルの地点にある。
宿の周辺のあちこちから蒸気がたちこめ、“蒸ノ湯”の名前どおりの光景が見られる。
ここには男女別の露天風呂がある。木の湯船で白濁した湯があふれ出ている。
それを自分一人で独占し、湯につかる気分はなんとも贅沢なものだ。
アスピーテラインをはさんで反対側にあるのが大深温泉。ここには湯治客中心の一軒宿がある。
湯量豊富な木の湯船の内風呂。この湯につかりながらの、湯治客のみなさんとの“湯の中談義”がいい。
自炊棟の床下からは高温の蒸気が噴き出しているので、天然のオンドルになっている。
ぽかぽかと、なんとも体と心にやさしい温かさなのだ。
後生掛温泉はそれら2湯からすこし下ったところにある。大浴場は木の湯船。
灰色をした湯はいかにも体に効きそう。「火山風呂」は気泡湯で、泡がブクブク沸きたっている。
「湯滝」は打たせ湯。「蒸し風呂」は蒸気の噴き出している箱の中に入り顔だけ外に出すというもの。
サウナも天然の蒸気を使っている。
■ 玉川温泉の岩盤浴
アスピーテラインを下ると、国道341号にぶつかる。その地点には北緯40度の碑。
このT字路を左へ。以前は国道から左に入ったところに赤川温泉、その奥には澄川温泉という
ともに一軒宿の温泉があったが、平成8年の大崩落で、温泉は跡形もなく消えた。
鹿角市と田沢湖町の境が峠。名無しの峠なのだが、ぼくはここを大場谷地峠と呼んでいる。
峠上に「大場谷地」というちょっとした湿原があるからだ。大場谷地峠を下ったところが
日本一の湯量を誇る一軒宿の玉川温泉。末期ガンにも効く温泉ということで、
今では半年前に予約をとっても泊まれるかどうか‥‥。ここでのおすすめは「玉川温泉自然研究路」
の遊歩道歩きだ。遊歩道沿いには湯畑や熱湯が噴き出す大噴がある。ここでの名物は岩盤浴。
蒸気で熱せられた岩盤の上にゴザを敷き、横になっているだけで万病に効くという。
その効果のすごさに日本中から大勢の人たちがやってくる。
■ 乳頭温泉郷の秘湯群
国道341号を南下。新鳩ノ湯温泉の一軒宿の湯に入り、田沢湖をぐるりと一周し、
田沢湖高原温泉の国民宿舎「駒草荘」の湯に入る。
ここの食堂で秋田名物のきりたんぽ鍋を食べたあと乳頭温泉郷の秘湯群へ。
乳頭温泉郷には鶴ノ湯温泉、妙ノ湯温泉、大釜温泉、蟹場温泉、孫六温泉、黒湯温泉と6湯あるが、
どこも一軒宿の温泉で、どこもいい。そのなかでも鶴ノ湯温泉、孫六温泉、黒湯温泉はおすすめだ。
茅葺きの鶴ノ湯温泉は乳頭温泉郷のなかでも最古の歴史を誇っている。
江戸時代には秋田藩の藩主が湯治にやってきたという。
「白湯」、「黒湯」、「中ノ湯」、「滝ノ湯」と泉質の違う4つの湯があるが、どれも白っぽい湯。
とくに混浴の大露天風呂「白湯」の湯の白さはきわだっている。
孫六温泉にも4つの湯がある。内風呂の「唐子の湯」と「石の湯」、混浴の露天風呂、
それと渓流のすぐわきにある打たせ湯だ。黒湯温泉は乳頭温泉郷最奥の温泉。
茅葺き屋根の湯治用宿舎が立ち並ぶ光景は、いかにも東北の秘湯を感じさせるもの。
「上の湯」と「下の湯」があるが、「下の湯」は混浴で、内風呂と露天風呂、打たせ湯がある。
とくに杉皮葺きのあづまやの下の露天風呂は趣がある。
■ 最後は無料湯の露天風呂「仙女の湯」
田沢湖町の中心、生保内からは国道46号で仙岩峠のトンネルを抜け、盛岡を目指す。
秋田・岩手県境の仙岩峠は奥羽山脈の中央分水嶺の峠。盛岡への途中で
国見温泉と網張温泉の2湯に立ち寄る。
国見温泉は国道46号の旧道、国見峠近くのある。標高880メートルの高地にある温泉だ。
周辺はブナ林。ここには「石塚旅館」と「森山荘」の2軒の温泉宿があるが、そのうち「石塚旅館」の湯に入った。
男女別の内風呂と混浴の露天風呂があるが、大岩で囲まれた露天風呂の湯は黄緑色をしている。
いかにも体に効きそう!
岩手山中腹の網張温泉では「休暇村岩手」のわきから山道を歩き、「仙女の湯」に入る。
渓流のすぐわきにある露天風呂でうれしい無料湯! こうして存分に名湯、秘湯の数々を堪能し、盛岡に戻った。