■ 第1夜目は川俣湖温泉
東京・麹町の昭文社『ツーリングマップル』編集部前を出発点にして青森に向かった。
ダート激走編の「東京→青森」だ。
「東京→青森」の距離はできる限り短くし、その間ではダートの距離を
できる限り長くして走ろうという“ダートのカソリ”、渾身の力をこめてみなさんにお送りする
ビッグなおすすめルート。目標はダート200キロ!
東京からまず「首都高→東北道→日光宇都宮道路」経由で今市へ。今市から国道121号を北へ、
川治温泉まで行き、名物の混浴露天風呂の湯につかる。そこから県道23号で鬼怒川沿いに走り、
瀬戸合峡の大峡谷美を眺める。川俣湖温泉に着くと、共同湯の「上人一休の湯」に入り、
温泉民宿の「富士屋」に泊まった。ここにはほかにも何軒かの温泉民宿があるが、
“温泉民宿”というのはけっこうな狙い目だ。宿の湯から上がり夕食を食べ終えると、
今度は入念に『ツーリングマップル東北』に目を通し、これから走ろうとするダートコースを確認していく。
「東京→青森」編の成功は、『ツーリングマップル東北』をいかにたんねんに見るかにかかっているのだ。
■ 林道&温泉のサンドイッチ作戦
川俣湖温泉から第1本目の林道、川俣檜枝岐林道を走る。川俣湖畔を走り抜け、
馬坂林道との分岐点を過ぎ、栃木福島県境の帝釈山峠に向かって一気に登っていく。
帝釈山峠は帝釈山のすぐ南側の峠だ。ここから奥会津の檜枝岐に下っていく。
37・4キロのダートを走り抜け、檜枝岐温泉の共同湯「新燧の湯」に入る。
ロングダートを走ったあとの温泉はたまらなく気分がいい。
檜枝岐から国道352号・国道401号と走り、伊南村の中心、古町へ。
ここでは古町温泉「赤岩荘」の湯に入る。赤土を溶かしたような赤っぽい湯だ。湯から上がると、
古町から小塩塩之岐林道に入っていく。林道&温泉のサンドイッチツーリングで青森を目指すのだ。
ダート14・6キロの小塩塩之岐林道を走り切ると国道289号沿いの深沢温泉「湯ら里」の湯に入った。
■ 3本の林道でダート87・0キロ
只見からは国道252号で只見川沿いに走り、本名津川林道の入口近くにある湯倉温泉に立ち寄る。
入浴料100円の共同浴場の湯に入る。ここは混浴。だが、残念ながら入浴客はぼく1人だった‥‥。
本名ダムを渡ったところで本名津川林道に入っていく。
福島新潟県境の塩ノ倉峠までは全線ダートなのだが、新潟側は舗装化が進んでいる。
トータルすると35・0キロがダートの本名津川林道を走り切り、御神楽温泉「みかぐら荘」の湯に入り、
食堂でヤマメの塩焼き定食(870円)を食べた。ここまでの3本の林道でダート87・0キロ。
こうしてダートを存分に走り、温泉を堪能したあとの昼食なだけに、
ヤマメの塩焼き定食には870円以上のうまさを感じた。このあと津川から磐越道で新潟に出た。
東京から466キロ。新潟までが「東京→青森」の第1ステージといったところだ。
■ 舗装化の進む朝日スーパー林道
新潟からは国道7号で村上へ。サケで有名な三面川を渡ったところにある
「道の駅・朝日」に併設された「まほろば温泉」の湯に入り、朝日スーパー林道へ。
国道7号から15キロ、山中に入ったところが林道の起点。だが、舗装化のすすむ朝日スーパー林道なので、
そこから25・6キロ走ってやっとダートになった。37・3キロ地点が峠で、林道完成記念の碑が建っている。
そこからの朝日連峰の山々の眺めがいい。37・7キロ地点が新潟・山形の県境。
山形側を下っていくと、47・9キロ地点でもう舗装になってしまう‥‥。
かつてのロングダートの朝日スーパー林道も、新潟側が9・9キロ、山形側が6・8キロ、
合計16・7キロのダート区間(2000年8月2日現在)でしかない。全線舗装化が間近な朝日スーパー林道だ。
朝日スーパー林道を走り抜けて出る大鳥から県道349号→県道44号→国道345号→県道33号と走りつなぎ、
長沼温泉の「厚生館」で泊まった。ここの湯は水虫にはきわめてよく効く湯。
水虫に悩まされているライダー諸兄諸姉にはありがたい温泉だ。
■ 林道&名瀑の鳥海山越え
長沼温泉から国道47号経由で酒田に出る。そこから鳥海山の東側を越えていく奥山手代林道に向かう。
東北屈指のダートコースで、山形側が奥山林道、秋田側が手代林道になる。
国道344号で八幡へ。庄内の平野越しに見る鳥海山がすばらしくきれいだ。奥山林道の入口、
升田に着くと、まずは高さ63メートルの玉簾の滝を見る。この滝は一見の価値あり。
そのあとで、奥山林道に入っていく。前方に鳥海山を見ながら走る。真夏だというのに、
かなりの残雪。標高2237メートルの鳥海山は東北第2の高峰だ。
升田から14・2キロ地点が山形・秋田県境の峠。山形側の奥山林道の峠近くはけっこうラフ。
ところが峠を越えた秋田側の手代林道はよく整備されて走りやすい。
鳥海山の登山口になっている大清水からは、鳥海山を間近に眺められる。
手代林道のダート区間は15・8キロ。ダート合計30・0キロの奥山手代林道だ。
手代林道を走り抜けた百宅には法体の滝がある。この滝も一見の価値あり。林道&名瀑の鳥海山越え。
最後に猿倉温泉「あっぽ」の「ぶなの実」の湯に入り、国道108号経由で本荘へ、
そして国道7号で秋田に到着。東京から833キロだ。「新潟→秋田」間が第2ステージといったところ。
第2ステージでのダート合計は46・7キロだ。
■ 朗報! 修復された河北林道
秋田から国道13号経由で岩見へ。岩見ダムのわきから河北林道に入っていく。
この林道は東北ダートコース縦断には欠かせないものだが、この3、4年、荒れに荒れ、
峠近くは廃道寸前のような状態だった。ところがうれしいことに、かなり手が入り、
今では問題なく走れるまでに修復された。東隣の田沢スーパー林道もそうなるといいのだが‥‥。
林道入口から20・8キロ地点で峠に到達。ここには林道の完成記念碑が建っている。
この峠が南の河辺郡河辺町と北の北秋田郡阿仁町の境になっている。町境であり、
郡境でもある名無しの峠だ。河北林道の「河北」とは両郡名をとったものである。その名無し峠の先には、
もうひとつ、熊見峠がある。熊猟の盛んな「マタギの里」阿仁らしい峠名だ。
町境、郡境の峠から11・1キロ下ったところで舗装路になる。ダート31・9キロの河北林道。
国道105号に出たところで、すぐ近くの「せせらぎ温泉」に立ち寄り、湯上がりに山菜そばを食べた。
■ 最後は相馬田代林道だ!
鷹巣で国道7号に出、田代で「東京→青森」最後の林道の田代相馬林道に入っていく。
国道から11・9キロ地点が林道の入口。うれしいことに白神山地を越える田代相馬林道は、
起点から終点まで全線がダートなのだ。早口ダムのわきを通り、
林道入口から24・8キロで秋田・青森県境の長慶峠に到達。ここには県境の碑と
「長慶峠」と彫り刻まれた峠の碑が建っている。すぐ近くの長慶森にちなんでの長慶峠。
この地方には何何森と、森のつく山名が多い。それだけ豊かな森林に覆われた山がたくさんあるということだろう。
長慶峠から11・1キロ下ると、林道の出口、相馬村の藍内の集落に着く。
田代相馬林道はダート35・9キロ。リンゴ園の向こうに“津軽富士”の岩木山がよく見える。
相馬村役場に隣あっている御所温泉の湯に入り、弘前経由で青森へ。ゴールは青森駅前。
「秋田→青森」の第3ステージでのダート合計は67・8キロだ。
青森駅前でトリップメーターは1055キロになった。その間で8本の林道を走り、
ダートの合計は目標とした200キロを超え、201・5キロになった。ダート率は19・1パーセントと、
かなりの高率だ。「やったね!」
なお、「もっとダートの距離を増やしたいよー!」という方々には、
朝日スーパー林道を走り終えて出る山形県の大鳥近くからダート18キロの花戸林道と、
河北林道を走り終えて出る秋田県鷹巣町のダート17キロの大摩当林道を走ることをすすめる。
この2本の林道を走っても「東京→青森」間の距離はほとんど変わらない。