■ 日本海の自然をリアルに体感
宍道湖と中海をはさんで、東の美保関(地蔵崎)から西の日御碕まで、
東西に長く海に突き出した島根半島の海側は、この中国四国エリアのなかでも、
本州最西北端の川尻岬周辺や、四国最西端の佐田岬半島と並ぶ”辺境”だ。
海が間近に迫り、小さな集落がときおり現れる以外は、いきかうクルマもまばら。
それだけに、荒々しい日本海の自然をリアルに感じ取れる。
探訪派なら、一度はチャレンジしてほしいルートだ。
アプローチは島根半島の東端にあたる美保関(地蔵崎)から。ここの岬には、
明治期に建てられた白亜の瀟洒な灯台があり、隣接した建物は灯台ビュッフェ。
以前は同灯台へ向かうルートは一部有料道路とされていたが、
取材時(2000年9月)には無料化され、一般県道となっていた。
■ 小さな集落を駆け抜ける
同灯台をスタートしたら、美保の港で美保神社に立ちよりつつ、
県道2号から国道485号をへて海側の七類へ出て、今度は県道37号にスイッチ。
ここからできる限り、半島の海っぺりにそって、西の日御碕まで走りつぐのが、このルート。
走りはじめるとすぐに道はタイトで狭いものとなり、小さな集落を抜けては海岸線に出て、
また集落を抜けるという感じで続いていく。米子、境港、松江、出雲などの街が連なる宍道湖、
中海側とは違って、どの集落もぽつんと取り残されたような雰囲気で、岬めぐりの気分満点。
春には美しい桜並木となるチェリーロードから加賀を抜けると、
間もなく海側のルートとなる県道37号と、松江市内方面へ向かう同21号との分岐となるが、
この分岐はちょっとわかりにくく、道なりに行くと21号となってしまうので要注意。
ポイントは「恵曇」方面の看板にそって海側へ向かうとよい。
■ アドベンチャラスな道
37号をさらに進んでいくと、やがて見えてくるのが島根原発。道沿いには鉄条網が張りめぐらされ、
監視カメラが目を光らせている。過去このルートは取材で98年、99年と毎年通っているが、
99年の秋に訪れたときは、東海村の臨界事故直後で、
なぜかすべてレンタカーナンバーをつけたグループが、まるで同原発を監視しているかのような感じで、
路肩に何台ものクルマをとめて、何かの器械を操作しているのにいきあったこともある。
いつ通ってもちょっと異様な雰囲気がするところだ。
さて、同原発をやり過ごして恵曇の集落に出ると、ここからさらに海側のルートを進むには、
横手林道を行かなければならない。99年取材時にはわずかにダートが残っていたが、
2000年取材時には全舗装とされていた。林道の入口は正直かなり見つけづらいが、
あえて詳しくは書かないでおこう。未知のルートを探していくのも探訪派なら望むところだろう。
そして、この先、ルートはさらにアドベンチャラスな雰囲気となってくる。林道を抜けたあと、
そのまま海側を通って県道23号の伊野浦へは抜けられず、一度宍道湖側へ戻って北部広域農道で迂回。
一畑から再度海側へ抜け伊野浦へ出る。この伊野浦から小伊津までのあいだは超タイトで、
おまけに道はあるにはあるものの、一日いてもほとんどだれも通らないような辺鄙なところで、
ときおりでくわす「密航」を牽制する立て看板が不気味さを増幅する。
■ 出雲大社で旅の無事を感謝しよう
小伊津から三津へ抜ける道も海側は通行止め。三津峠の先でも取材時は道路が
崖崩れで寸断されていて通り抜け不可。釜浦から十六島を回るルートは断念し、
県道232 号から再度北部広域農道を使い小津(北浜)へ出ると、再び23号で海岸線を西進。
日御碕へ向かう。
日御碕へ到着したら、この岬めぐりの旅もいよいよ終盤。東の美保関同様、
こちらにも美しい白亜の灯台があり、内部を見学することもできるので、ぜひともバイクをとめて歩いてみたい。
また、同灯台近くの日御碕神社は、別名「日沈の宮」ともいわれ、
毎年8月7日には夕日の祭りが行われることでも知られる。灯台見学を終えたら、
県道29号で出雲方面へ向かい、出雲大社を参拝。この岬めぐりの旅の無事を出雲の神様に感謝しよう。
また、ルートの終着点となっている道の駅大社ご縁広場には、出雲地方の歴史や文化、
信仰神事などをわかりやすく解説した資料館「吉兆館」があり、なかなかに興味深い。