ツーリングマップル

ラリーレイド仕込みの
本格アドベンチャーツアラー

text by 内田一成

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ワイルドな外観ながら操作性は至ってジェントル

 80年代後半から90年代初期にかけて、ホンダは、国際的なラリーレイドにVツインエンジンのマシンを投入して、幾度もタイトルを手にした。アフリカツインは、その流れを汲む。  だが、そのルーツからして、かなりワイルドな性格を隠し持っているのではないかと思うと、あっけなく肩透かしを食わされてしまう。

 カタログスペックにある870mmというシート高は、いかにも威圧的だが、実際に跨ってみると、数値的な先入観よりもずっと足つき性はいい。

 エンジン特性は、全域で滑らかで、低速からトップエンドまで電気モーターのように吹き上がっていく。ハンドリングもまったく癖がなく、ナチュラルそのものだ。

 アフリカツインのメインマーケットであるヨーロッパでは、オールラウンドなツアラーとして、位置付けられている。高速道路をハイスピードで巡航し、ワインディングも楽しみ、ときにはアルプスやピレネーに刻まれたダートにも踏み込んでみる。キャンプ道具を満載し、ときにはタンデムで、ヨーロッパのあらゆる場所へと、気軽に出かけていくのだ。

 その車格の大きさ故に、このマシンをシティユースに考える人は少ないだろうが、マイルドなエンジン特性や、ヘビー級とは思えないとりまわしの良さから、こいつを日常的な足としようというのも、けっこう現実的だ。例えば、渋滞している道をすり抜けていくような場合でも、高いハンドルバーは車のサイドミラーの上を余裕で越えていくし、左右への張り出しも見た目ほどないので、スイスイとリードしていくことができる。



積載スペースをフルに活用すれば、そのまま大陸横断に出かけられるほどの装備が積める。
不必要なデザインを廃した、シンプルで見やすいメーターまわり。

車 格: かなり威圧的な大きさだが、跨ると意外にコンパクトな印象
取り回し: それなりの体格がないと、ハンドルバーの高さとタンクの大きさにスポイルされる
ライディングポジション: 全体的に大柄。ハンドルバーは平均的な日本人の体格には遠い
加 速: 爆発的な加速感はないが、気がつくと予想を大幅に上回る速度に達している
高速巡航: 大型ウインドスクリーンの効果もあり、快適そのもの
旋回性: ハンドル切れ角の大きさも手伝って、かなりコンパクトに旋回できる。安定性も良
ワインディング: ナチュラルなハンドリングなので、かなり攻めても安心
市街地: 見た目とは裏腹に、日常的な「足」としても重宝しそう
タンデム: シート形状がフラットで自由度がある。エンジンパワーも申し分なく快適
積載性: 大型リアキャリアからシートにかけてフラットで、相当な積載性がある。振り分けバッグもマフラーなどに干渉しない
装 備: これといった特別装備は持たないが、各部がシンプルにまとめられていて、使いやすい

Africa Twinスペック

全長×全幅×全高:2320×905×1430mm
ホイルベース:1555mm
車両重量:234kg/207kg (乾燥)
シート高/最低地上高:870mm/195mm
エンジン:水冷4水冷4サイクルOHCV型2気筒 742cc
最高出力:58PS/7,500rpm
最大トルク:6.1kg-m/6,000rpm
ミッション:5速
燃料タンク容量:23リットル
タイヤサイズ 前・後:90/90-21 54 H・140/80 R 17 69 H
ブレーキ形式:前油圧式ダブルディスク 後油圧式ディスク
取材時の燃費:17.9km/リットル
メーカー希望小売価格:限定販売終了

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