ツーリングマップル

「鉄馬」の本質を具現化した ネオ・エッセンシャル
text by 松本充治

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新世紀に向けて、バイク本来の「味」を再構成

 カワサキがバーチカルツインというエンジン形式と、イギリス車的トラディショナルなスタイリングをモチーフに、現代におけるバイク本来のエッセンシャリティを追求。イマ風の乗り味と現代の交通社会にも充分通用するだけの乗り物としての実力も兼ね備えたアタラシさを盛り込んだ、21世紀を見据えた新原点バイクとでもいうべきW650。

 乗ってみてまず感じるのは、低中速域での軽やかかつ適度にビート感の効いたフレキシブルな特性で、なかでもロングストロークと、大きなフライホイールマスによってもたらされる、息の長い加速とねばりは特筆もので、トップ5速のまま、1500rpmからでも余裕でスロットルを開けていける。そして、低中速域の特性にとどまらず、そこから開けていくと、振動がジワーッと消えていくのと同時に、車速がぐんぐん伸び、その気になれば、フルスケール190km/hのメーターを振り切るまでの高速域での実力も兼ね備えている。

 かつてのバイクが鉄馬と呼ばれていた時代の、武骨で各部から鉄の感触が匂いたってくるような、タフでヘビーデューティーな面持ち、いっさいのカウリング類をもたないゆえのオープンエア感覚と、結果もたらされる自由感とか解放感みたいなもの。そして、そんなバイクでダートから舗装路まで道を選ぶことなく一台のバイクでガンガン走ることを楽しんでいた、ツーリングがまだ遠乗りなんて呼ばれていたころのワイルドな旅のスタイルは、どこか懐かしくはあっても、今見ても決して古くはないというか、むしろ、それこそがバイクと旅の原点=基本(エッセンス)だという意味では、いつの時代も色あせることはないとさえいってもいいかもしれない。

 このW650はその意味で、「ネオ・エッセンシャル」をカワサキが一つの形に具現化した一台だといえる。



新設計の空冷OHCエンジン。ダブワン系とは、バーチカルツイン (360°クランク)ということ以外、まったく異なる。低中速域での出色のフィーリングと、スムーズかつ十二分に速く、現代の乗り物として見てもまったく不足を感じさせない高速域の実力を両立している
質感の高い立体エンブレム。細かい部分まで雰囲気たっぷりの作りこみがなされている
メーターは薄型のアナログタイプを電気式で作動。トリップメーターは切替え式時計内蔵のデジタルタイプ。視認性自体も良好

車 格: 肩肘張らずにつきあえる、さりげない相棒。女性ライダーでもベストマッチ
取り回し: 乾燥重量で200kgを切るという軽い車体で、ミドルクラス並みのイージーさ
ライディングポジション: シート高は800mmだが、スリムなシートで足着きは良好。ハンドルはロータイプとアップタイプがあり、どちらもステップ、シートとの位置関係も良好  
加 速: 息の長い加速とねばりは特筆もの。5速1500rpmからでも余裕で加速
高速巡航: ハイウェイでもしたたか。その気になれば、フルスケール190 km/hのメーターを振り切る
旋回性: ターンなども、必要以上に気づかうことはない
ワインディング: コーナリングフォースを車体全体で受け止め逃がしながら、トラクションを生かしてコーナーを抜けていく、オフ車に近い感じ
市街地: 軽い車体と軽快な低中速特性のエンジンで、キビキビ走れる
タンデム: パッセンジャースペースはフラットかつシートの厚みも充分ある
積載性: この手のバイクとしては標準的なもの
装 備: 右のスイッチはこぶりでレトロイメージのものを専用で用意。ハンドル回りの雰囲気はなかなか

W650スペック

全長×全幅×全高:2,175/905(780)/1140(1075)mm
ホイルベース:1,455mm
車両重量:194kg(乾燥)
シート高/最低地上高:800mm/125m
エンジン:4サイクル・空冷・OHC4バルブ・並列2気筒・675cc
最高出力:50ps/7500rpm
最大トルク:5.7kg-m/5500rpm
ミッション:5速
燃料タンク容量:15リットル
タイヤサイズ 前・後:100/90-19、130/80-18
ブレーキ形式:シングルディスク/ドラム
メーカー希望小売価格:\686,000

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カワサキホームページ

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