ツーリングマップル

闘牛のようなハイスピードクルーザー
text by 内田一成

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いかつい顔のやさしく頼もしい相棒

 X11は、ホンダのフラッグシップモデルであるCBR1100XXのコンポーネンツを用いて、より現実的な路線に近づけたネイキッドスーパースポーツ。開発時に「ブル」(闘牛)とペットネームが与えられたが、その名に相応しくマッチョなスタイルが自己主張している。

X11は、見た目に違わず、かなり重厚だ。センタースタンドを掛ける際には、相当な力が必要だし、大きく張り出したタンクが、取り回しを重くしている。ところが、いったん走り出してしまうと、非常に素直なハンドリングを見せる。いかにも猛々しい闘牛が、ライダーの思惑通りに動くことに、面食らってしまうほどだ。

 高速走行時には、130km/hあたりまでなら、至極快適な走行が可能だ。ライダーの身体の前面に当たる風は、メーターケースと一体になった砲弾型のメーターカウルが、走行風の流れを分散させているのだ。左右に大きく張り出したラジエターシュラウドも伊達ではなく、スポイラーとしてハンドリングの安定に大きな効果を発揮している。X11は、あらゆる条件、スピード領域で、破綻のない素直なハンドリング特性をもっていて、町乗りでも小気味良く走れるし、ワインディングロードを攻めても楽しく、またロングクルージングでも疲れない。

 ブレーキシステムには、デュアル・コンバインド・ブレーキ(前・後輪連動ブレーキ)システムが採用されている。これは、ブレーキレバーのみでも、ブレーキペダルのみでも、前・後輪の制動力を理想的な配分で作動させるシステムで、すでにツーリングモデルのCBR1100に早くから採用され、熟成されてきた。

 一応、そのフォルムから「ネイキッド」にカテゴライズされるマシンだが、走りについては、スーパースポーツと名乗っても、なんら恥じることはないし、ネイキッドらしからぬ高速走行性能から、「グランドツーリング」と名乗ってもかまわないだろう。X11を表わすのに、もっとも適当な表現をすれば、「いかつい面をしているけど、どこへでも連れて行ってくれる頼もしい相棒」といった感じだ。



ラジエターシュラウドの影で見にくいが、CBR1100XXゆずりの水冷DOHC4バルブ直列4気筒1137ccエンジンは、最高出力100PS/8500rpm 最大トルク10.0kg・m/6500rpmを発揮する
赤地に白の文字のメーターは、遊び心があって楽しい。もちろん、視認性もいい。スピードメーター内の液晶は、トリップメーターと時計を兼ねているが、これは同時に見られるようになっていたほうが便利

車 格: 「闘牛」の名にふさわしく、迫力のあるマッチョなフォルム
取り回し: ネイキッドにしては前傾気味。跨ってしまうと、コンパクトに感じられる
ライディングポジション: ネイキッドにしては前傾気味。跨ってしまうと、コンパクトに感じられる
加 速: オーバー300km/hのスーパースポーツベースだけに、異次元の加速を見せつける
高速巡航: メーターカウルやシュラウドの形状が整風効果を発揮し、ネイキッドとは思えないほど快適
旋回性: ハンドル切れ角が少なく、タンク周りのボリュームが大きいのが辛い
ワインディング: これだけ大柄なマシンが、水を得た魚のように走る。思い切り体重をあずけ、豪快にコーナリングするのが似合う
市街地: 意外に市街地での使い勝手もいい。惜しむらくは、取り回しの重さ
タンデム: シートに段差があり、ライダーが前傾姿勢となるので、パッセンジャーは、ややスーパースポーツ的なポジションとなる
積載性: フルカウルのスーパースポーツベースなせいか、バンジーフックなどはない。荷物の積載には工夫が必要
装 備: 熟成の進んだデュアル・コンバインド・ブレーキ(前・後輪連動ブレーキ)システムは、安心感がある

X11スペック

全長×全幅×全高:2145×750×1115mm
ホイルベース:1510mm
車両重量:221kg(乾燥)
シート高/最低地上高795mm/140mm
エンジン:水冷4サイクル4バルブDOHC並列4気筒 1137cc
最高出力:100PS/8500rpm
最大トルク:10.0kg・m/6500rpm
ミッション:5速
燃料タンク容量:22リットル
タイヤサイズ 前・後:120/70ZR17・180/55ZR17
ブレーキ形式:油圧式ダブルディスク/油圧式ディスク
備考:Dual Combined Brake System,電子制御燃料噴射式(PGM-FI) 取材時の燃費:16.4km/リットル メーカー希望小売価格:\920,000

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