| 究極のスポーツツーリングの系譜
モーターサイクルに乗る楽しさ、その原点は、なんといっても風をダイレクトに感じつつ、マシンの鼓動と対話しながらワインディングを駆け抜け、地平線の彼方へ旅をしていくことだろう。
一瞬の最高速度やレーサーのような限定された機動性よりも、もっと飾らないプリミティヴな魅力、モーターサイクルの原点を見せてくれるのが「ロードスター」だ。
最近では、カウルなどの装備を持たないロードスポーツを「ネイキッド」と呼び習わすようになったが、「ネイキッド」という言葉の響きに、何か付属されているべきものがないもの、無防備なマシンといったニュアンスを感じてしまうのはぼくだけではないだろう。このR1150Rには、外見を飾る装備は何もついていない。だが、このマシンをひと目見れば、「ネイキッド」という言葉ではなく、モーターサイクルが生まれたそのときから変わらない機能美を備えた、「ロードスター」と呼ぶに相応しいマシンであることがわかる。21世紀になっても、モーターサイクルを操る喜びの原点は変わらない、それを伝統の「ロードスター」の文脈をそのままに、新たな個性を見せつけるR1150R。ある意味、このマシンは、BMWという老舗の二輪メーカーのこだわりが、いちばんはっきりしているマシンといえる。
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かなり大胆なデザインにもかかわらず、エレガントな雰囲気にまとまっている |
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タンクサイドの張り出しはオイルクーラーカバー |
マッチョなフォルムだがコンパクト
前モデルのR1100Rもかなりマッチョな印象のマシンだったが、R1150Rは、嘴のようなフェンダーやタンクサイドに張り出したオイルクーラーカバーなどによって、さらにマッチョな雰囲気を纏った。でも、単に質実剛健さの中にエレガントな雰囲気を演出しているのは、さすがにBMWという気がする。
真横から見ると、このマシンは、伝統のボクサーツインエンジンからシャフトドライブにかけてのパワートレーンやサスペンションが、あたかもその頑健でパワフルなメカニズムを自慢するかのようにすべて露出している。それが、ほれぼれするような機能美を見せている。
マッチョな外見とは裏腹に、跨ってみると、非常にコンパクトなことに驚かされる。770mmのシート高で、足つき性はいいし、タンクもニーグリップしやすい造形になっていて、おさまるべきところに収まるナチュラルなポジションだ。
BMWというと、「重いバイク」という誤解があるようだが、カタログスペックを見れば分かるように、このマシンは乾燥で218kgほど。国産のリッターバイクと比較してもかなり軽いマシンなのだ。どうして誤解が生じたのかといえば、元々、BMWはオイルやガソリンなどを含めた「装備重両」をスペックとしていたためだ。ボクサーツインとシャフトドライブのこのマシンは、重量マスが車体の中心に集まっている上に、低重心なので、スペック以上に軽く感じられるし、取り回しの際も安定しているので、不安感がない。
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770mmのシート高で余裕の足着き。このリアビューから、このマシンのコンパクトさがわかるはず。ちなみにテスターは、身長179cm
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