ツーリングマップル
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[パフォーマンス]

低中速の図太いトルク感と高速域の官能的な回転フィール

R1150Rに跨って、最初に感じるのは、体がぴったり「はまる」ということだ。単にエルゴノミクスデザインというだけでなく、どういう乗り方をすればいいか、マシンのほうが教授してくれ、自分は素直に身を委ねればいいといった感覚にさせられるのだ。もっとも、この感覚は、BMWの他のモデルに共通していえることでもある。

エンジンをスタートさせると、1130ccの空油冷ボクサーツインは、あくまでもジェントルな音とフィーリングで回転を始める。このエンジンは、先にGSに導入され、定評を得ているもので、新しいRTにも搭載されているものだが、それぞれのモデルのキャラクターに合わせて、セッティングされている。6速のギアボックスを持つのも、GS、RTと共通で、Rのセッティングは、スポーツ走行から高速巡航まで対応するものとなっている。

極低速から中速域にかけては、ボクサーツインのトルクフルなパルスを感じさせながら、力強く加速していく。他のビッグバイクが、目を三角にしてアグレッシブにスタートダッシュするような状況が、悠然と構えたままできてしまう。実際の速度よりスピード感が少ないのがBMWの特徴だが、それは加速にもいえる。無駄なく動力を伝えるシャフトドライブや、姿勢変化の少ないテレレバー・パラレバーサスペンション、そして、広い視界をもたらすポジションなど、複合的な要素が、そんなテイストを生み出しているのだろう。

高速域では、マルチエンジンのような回転に乗った、官能的な加速をみせる。6速ギアでゆったりと巡航している状態から、ギアを一つか二つ落として、アクセルの一ひねりすれば、瞬時に非現実的な速度に飛び込んでしまう。

ちなみに、6速での回転数と速度の関係は、80km/hで2800rpm、100km/h-3500rpm、120km/h-4200rpm、140km/h-4800rpm...ハイスピードでは風圧が辛いが、200km/hでの巡航も可能なポテンシャルを見せつけてくれる。

4つのバルブを持つ空油冷ボクサーツインは、ボッシュのモトロニックインジェクションと組み合わされて、85ps/6750rpm、10kg-m/5250rpmを発生。どの回転域でもジェントルなフィーリングだ
BMW独特のテレレバーフロントサスペンション。フル加速、フルブレーキングでも、姿勢変化が極力抑えられているおかげで、余裕をもった操作ができる

先進のブレーキシステムは出色

 BMWは、安全性や環境適応に常に先陣を切って取り組んできたメーカーで、いち早く、実用的なABSを全車に装備したことでも知られている。このR1150Rでは、さらに、21世紀型ともいえる進化を遂げたブレーキシステムが取り入れられた。

 φ320mmの大きなディスクと焼結メタルパッドで、制動力20%アップ、さらに耐久力も50%アップした「EVO」システム。これに、ブレーキレバーを握るだけでリアブレーキも駆動するインテグラルブレーキ、ABSが組み合わされ、しかもライダーの握力をサポートする電子制御油圧式サーボが組み合わされる。RTでは、フットペダルを操作するだけでフロントブレーキも連動する「フルインテグラルシステム」が採用されているが、スポーツ走行も念頭に入れたRのほうでは、あえてペダル操作ではリアのABSブレーキのみが作動する「パーシャリーインテグラルシステム」となっている。

 この新世代ブレーキシステムの威力は絶大で、なんの躊躇もなくフルブレーキングができる。不測の事態に見舞われてパニックブレーキングするような場合、フロントだけ一気にかけすぎて転倒するようなことがある。そんなときでも、このシステムならタイヤがロックすることもなく、姿勢制御も利いているので、ライダーはいち早くパニックから回復することができるだろう。また、逆に転倒を恐れて必要なだけブレーキがかけられないケースもある。それをサポートしてくれるのは、油圧サーボだ。

 このブレーキシステムは、ブレーキングの概念を書き換えてしまいそうなほど画期的だ。このブレーキに慣れてしまうと、ごく普通のアナログなブレーキングが下手になってしまうのではないかと心配なほどだ。唯一、違和感があったのは、油圧サーボがイグニッションをオンにしていないときには作動していないため、取り回しのときにフィーリングが変わってしまうこと。もっとも、それも慣れて、取り回し時にもイグニッションをオンにするようになってからは、払拭された。

φ320mmの大型ディスクに4ピストンキャリパーのEVOブレーキ。従来のブレーキより、制動力も耐久性も大幅にアップしている
スポーツ走行でも最大限の安心を約束する。そんなBMWのポリシーが感じられる
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