R1150Rという現代のロードスターが持つ魅力は、それが「スピード」や「加速」といった端的な個性ではなく、モーターサイクルという乗り物の全体的、本質的な魅力に結びつくものだけに、なかなか表現するのが難しい。
モーターサイクルをよく知っている人なら、このマシンが持つ「機能美」から、その本質がたちどころに理解できるだろう。また、モーターサイクルをよく知らない人でも、このマシンが雰囲気として訴えかけてくるものが、強く受け取れるはずだ。
R1150Rは、とても懐の深いマシンだ。ユーザーがどんな使い方をしようと、そのニーズに的確に答えてくれる。だが、このマシンの魅力は、オールラウンドな性能だけにあるのではない。街乗りでも、峠を走っていても、そしてロングツーリングをしていても、このマシンが醸し出す、上質な雰囲気の世界に生きている実感がある。それがとても心地良いのだ。マシンの持つソフィスティケイトされた雰囲気がライダーにも伝染するとでもいえばいいだろうか。
エンジンの鼓動、サウンド、マシンの挙動...全てが、ただナチュラルというのではなく、それぞれしっかりと個性を持っている。それを体感しながら、自分も反応していく中で、独特のコラボレーションが生まれていく。それは、とても落ち着いた喜びの感覚をもたらす。そして、マシンを降りたときに、ふと、自分の中の何かが影響を受けて変わったことに気づく...。
R1150Rは、大人のライダーにこそ乗って欲しい一台だ。「ただ言葉を連ねても世界を理解することはできない。世界を理解するためには、その表面を眺めるのではなく、感性を使って、内に秘められた複雑な本質をダイレクトに掴み取るしかないのだ」とわかっている大人のライダーに。