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2001/11/15 ちょっとゲーム業界の話など...
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内田一成
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■ 今回はバイクやツーリングということから少し外れてしまうけれど、ぼくが前に関わっていたゲーム業界に関係することで、ちょっと面白いことがあったので紹介してみよう。
■ 先日、とあるプライベートな会合で、SCE(ソニーコンピュータエンタテイメント)会長の丸山茂雄さんの話を聞いた。丸山さんは、CBS=SONYからSME(ソニーミュージックエンタテイメント)の設立に参画されて社長になり、その後、SCEを立ち上げて、プレステシリーズでSCEをゲーム業界最大手企業に育て上げた。
■ じつは、丸山さんとはひょんな縁があった。もう10年以上前、ぼくがとある音楽系のプロダクションと共同で仕事をしているときに、熊本の居酒屋で飲んでいたら、ちょうどオニャンコクラブからソロになったばかりの渡辺満里奈さんを連れた丸山さんが入ってきた。そのときぼくと一緒にいたプロダクションの社長が丸山さんと懇意で、少しの間、四人で酒を飲んだ。そのとき、ぼくは、SMEの社長自らが地方巡業だか営業だかに一緒に行くなんて、面白いなぁと、妙に感心した覚えがある。その頃は丸山さんもぼくも、ゲーム業界とは、まったく無縁だった。
■ それから数年して、ぼくは、SEGAの格闘技ゲームの中国取材をコーディネートしたのをきっかけに、ドリームキャストのキラーコンテンツを目指したRPGタイトルのシナリオライターとして4年あまり仕事をすることになった。ぼくがSEGAで仕事を始めた頃、ちょうどSCEが立ち上がり、PSがSEGAとニンテンドーの牙城を崩し始めた。そのとき、SCEの社長に丸山さんの名前を見て、ぼくは、これはもしかしたらSCEに業界は席巻されるかもしれないと思った。
■ 今だからざっくばらんに言うけれど、SEGAという会社は、技術力が飛びぬけてあって、ハードウェアもソフトウェアのプログラミングも世界最高水準だった。それは、今でも変わらないと思う。でも、それが突出している分、コンテンツそのものへの力の注ぎ方が、外部スタッフとして中枢で仕事していて、不安材料に思えていた。とんでもなく精密な3D映像や派手な動きやエフェクトといった、「技術を見せる」方向に力が入りすぎていて、肝心のエンタテイメントとしてのコンテンツの面白さに注ぐ力が少ないように感じていたのだ。それをカバーするために、そのプロジェクトでは、ぼくを含めてアニメや映画といったゲームとは違う外部の人間が起用されたわけだけれど、それでもやはり企業体質のようなものとして技術偏重のようなところがあった。
■ その点、丸山さんはもともとがエンタテイメントの人だから、技術よりも中身が大切といった、経験に裏打ちされた信念があったのだと思う。音楽業界式に、いろいろな分野に才能を探し、どんどん起用して、「ゲーム」という既成の概念にとらわれないタイトルをどんどん生み出した。他のゲームメーカーが大作主義に陥っていって、制作に膨大な予算と時間をとられていく中、SCEはクリエイターだけでなく、プロデューサーも社内外でたくさん起用して、その人たちに人材発掘から作品作りまで自由にさせて、小品ながら個性的なタイトルをたくさん生み出した。そんなSCEの手法が、ぼくには、熊本の居酒屋で会った丸山さんの人柄や姿勢とオーバーラップして見えた。そして、気がつけばゲーム業界は、PSとPS2の大成功とドリームキャストの撤退へと動いていった。
■ ぼくは、これからは、「面白がり屋」が世界を動かしていくと感じている。いろんなことに積極的に興味を持ち、いつも好奇心いっぱいで、どこへでも出かけて、なんでも吸収してしまおうとするような人。丸山さんは、そんな人間の典型のような気がする。SCEの会長という立場にありながらとても気さくで、新入社員ともよく話しをするそうだし、年齢や性別、立場に関係なく、才能を評価する。そして、常に先のことを考えている。
■ 今回、講演が終わった後に、「丸山さんのせいで、ぼくはSEGAの仕事がなくなっちゃったんですよ」と冗談で言うと、「だけど、今はSEGAのMさんと一緒に仕事しているよ」と笑い、さらに「今は、世界がどんどん進んでいるから、明日はこっちもわからないよ」と、半分真顔で答えた。ちなみに、SEGAのMさんというのは、ぼくがSEGAで仕事を始めたときのプロジェクトリーダー。まったく、縁というものは不思議なものだ。丸山さんにとって、いちばん大事なのは、「面白い作品を作る」ことで、ライバル企業だとか業界の垣根などは、たいしたことではない。そして、これから始まるブロードバンド社会で、どんなエンタテイメントを生み出していくかに、今いちばん興味があるようだ。
■ そんなことがあった翌日(11月13日)、SONYはAOLワーナーとの提携を発表した。ワーナーが持っている膨大なコンテンツ、AOLのインターネットインフラ、そしてSONYの技術力やSCEのビジョンが一体となったら、面白いものが生まれてくるだろう。
■ ぼくも、次はSCEで仕事させてもらおうかな...(~_~;)
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