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2001/11/29 天河のネコ
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内田一成
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こちらは奈良の長谷寺。今が紅葉の盛り
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■ 奈良県の天川村にある芸能の神様、天河弁財天の境内で猫を拾ってきた。車で出掛けてハプニングに見舞われたことは、先週、この欄で書いたが、修理に出した車の代車のレンタカーを境内の隅にある駐車場に入れ、ドライビングシューズからウォーキングブーツに履き替えようとして、リアハッチを開けたときに、「ミャー」と馴れ馴れしい鳴き声がした。ウォーキングシューズをトランクから出して、下に置くと、そいつが上向きに寝っ転がって、右前足を愛嬌たっぷりに持ち上げてこっちを見ていた。
■ そいつと目が合って、思わず連れてきてしまったというわけ。どう考えても、こいつは、そこでずっとぼくを待っていたとしか思えない。なにしろ、ちっこいそいつに全く気づかず、危うく車で引くところだったのに、そいつは平然と笑い、微動だにせずに、まっすぐこっちを見ていたのだ。
■ 前の飼い主に捨てられたのかとも思ったが、由緒ある神社の境内に猫を捨てるようなバチ当たりもいないだろう。こいつは、うっかり落とされたのか、さもなければ、自分の意志で飼い主のもとを離れてここに残り、次の飼い主が現れるのを待っていたのかもしれない。
■ まだ早朝の霜が残る地面に寝転がっていたので、泥がついていたが、それを落としてやると、なかなかきれいな毛並みをしている。天河弁財天は、ずいぶん前から気になっていたところで、今回は、車のハプニングがなければここまでは足を伸ばさなかったはず。それでこいつに出会ったのだから、これは単なる偶然ではないはず...。こういうのも、旅の出会いのひとつだろう。
■ 今、そいつは、うちの仏壇の隅で、左前足を持ち上げた格好のまま落ち着いて、あいかわらず愛嬌を振りまいている。

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こいつが、天河弁財天からついてきたネコ
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