ツーリングマップル
2002/08/01 アテルイ
内田一成
この夏、東北各地では、アテルイの没後1200年を記念するイベントがたくさん行われている。長編アニメ「アテルイ」の上映、アテルイをテーマにした姫神のコンサート、様々なシンポジューム...。1200年前に大和朝廷に滅ぼされたアテルイと東北蝦夷が現代に蘇ったようだ。

7世紀、大和朝廷が派遣した坂上田村麻呂率いる侵略軍と多勢に無勢ながらとことん戦い、命は奪われたけれど、その魂はしっかりと東北人の心に生き残っていたということだろうか。

前に、北海道担当の小原さんが、アイヌとも違う北方民族、ウイルタやニブフ,サハリンアイヌの資料を集めた「北方民族資料館」のことを紹介されていたけれど、日本には、昔からたくさんの民族が暮らしてきた。けして単一民族国家などではない。

旅をして、しっかり目を見開いていれば、いかにたくさんの文化や風俗に日本国内でも触れられることか。

ぼくがはじめて北海道を旅した20数年前は、舗装もされない国道に沿って、土饅頭が並んでいた。それが何かと尋ねると、強制労働に狩り出されて、その場で亡くなった中国や朝鮮半島の人たちの墓だという答えが返ってきた。

道内のあちこちには、アイヌの砦跡や墓の跡が残っていた。1789年、フランスで自由市民革命が起こったちょうど同じ年、北海道では、アイヌの最大で最後の蜂起「国後目梨の戦い」が起こり、アイヌは大虐殺された。

北海道の自然はたしかにすばらしい。だけど、見方を変えると、そこは「血塗られた大地」でもある。せっかく旅をするのなら、ただ観光地を巡り、バイク仲間とだけキャンプで盛り上がっていないで、そんな歴史の一端にもふれてみてはいかがだろう...。
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