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2003/02/12 林道でのトラブル
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瀬戸雅彦
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先日、千葉の林道で取材中にクルマが道端の溝に脱輪してしまった。
■ 取材用のバイクを2台積んでいた1BOX車だったのだが、その区間だけぬかるんでおり、日が落ちる寸前で視界も悪かったことも原因。
■ 運転していたのは僕で、同乗者は賀曽利隆さん。
■ すぐクルマを降りて見てみると左前輪が溝に見事に落ちていた。前進しても、後退してもどうにもならない状況だった。
■ それでも僕と賀曽利さんで積んでたバイク2台を下ろしたあと、夕暮れの中、溝に落ちたタイヤの下に丸太を入れたりして、ひとしきりやるだけやってみた。
■ 昔、長期間ツーリングしていた頃は、こんなこと日常茶飯事だったけど、平和な社会で10年近く暮らしていて久々のトラブルだったので、一瞬、パニック状態になった。
■ しかしそれがすぎると妙に冷静になってきて、「これはちょっと無理だ」という結論を出したあと、考えられる手は「ふもとにバイクで下りて応援を呼んでくること」、「さいわい交通の妨げにならないので今日は2台のバイクで帰宅して、クルマを上げるジャッキなど道具をそろえて再び取りに来ること」の二つだった。
■ しかし、早々にあきらめた僕とは違って、賀曽利さんは最後の最後まであきらめなかった。このあたりはさすがで、「瀬戸さん、こうやったらどうかな?」という案を7,8とおりも次々提案してきて、二人でやってみた。
■ 日は完全に落ちてあたりは闇になり、昼は雪が降ったぐらい寒い日だったので、相当心細くなってきた。結局、ふもとにバイクで応援を頼みにいくことにした。僕がバイクで走り、賀曽利さんには申し訳なかったが、この闇の中、ここで待機していてもらうことにした。
■ 30分ほどふもとを走りまわっただろうか、あいにく日曜でガソリンスタンドはすべて閉まっていて、日が落ちたあとで店も閉め始めている。シャッターを下ろしていた電気屋さんに訳を話すと、知り合いのクルマの修理工場に電話してくれた。
■ まもなく修理工場の人が二人、軽トラでやってきて林道へ案内した。「バルーン」と呼ばれる丈夫な材質の袋状のものを溝に落ちたタイヤの下に入れ、軽トラに積んだ装置につないでふくらませる。どうも慣れていると思ったら、僕のように不用意に溝に落ちるクルマが結構いて、何度も救助しているとか。「地元の人間の軽トラもこのあたりのぬかるみは滑る。あなどっちゃいけない」と言っていた。
■ 無事、クルマは脱出した。溝に落ちてから1時間半の出来事だったが、賀曽利さんは最悪ここで野宿するという事態も考えていたそうで、「シュラフがないから眠りづらいな」、とも考えていたそうで、僕にしても同様だった。
■ しかし最後には「トラブルを楽しむ」というか、「どうやったら解決できるか」、ということをパズルのように楽しんでいる自分を確認できて、長旅の間の自分に戻っていたことがうれしかった。
■ 館山道、首都高とつないで都心に戻ったが、行き交うクルマのライトを見ていると、ついさっきの暗闇に包まれた林道での出来事が悪夢だったように思われた。
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