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2003/06/05 気持ちを明るくする言葉
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内田一成
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■ 昨日、ある友人と車で移動しているとき、ふいに、しみじみと、彼が言った。「俺は、今のカミさんと一緒になって、ほんとに良かったって思ってるよ」。「……ん?」。「この前、急に仕事がなくなってしまうことになったとき、あいつは、明るい顔で、『良かったね、これで、心置きなく好きなことができるじゃない!』って言ってくれたんだよ」。
■ とある業界大手の出版社で、フリーとはいえ実質的な編集長として雑誌を切り盛りしていた彼は、つい先日、4年間続けてきた雑誌が一方的に休刊され、打ち込んでいた仕事を失ってしまった。
■ 普通なら、安定した仕事を失って、本人はもとより、奥さんも暗い気持ちになって、ネガティヴなことを言ってもおかしくないところだが、収入は安定していてもいろいろな軋轢のために思うように仕事ができなかった彼が自由になれたことを、本心から喜んで、励ましてくれたのだという。
■ その奥さんの一言で、元気が出た彼は、ずっと懸案だった新しい事業に乗り出すことを決心し、精力的に駆け回り始めた。その仕事にぼくも関わることになり、一緒に車に乗っていたというわけだ。
■ 「言霊」という思想が日本にはある。不吉なことを心に思っても、それを口に出さず飲み込めば、それは何も害をなさない。でも、ひとたびそれを口にしてしまうと、言葉は命を持ち、現実のものとしてしまう。逆に、明るい言葉は、人に伝わって気持ちを明るくし、幸せを広める。
■ 人間、誰しも気持ちが塞いでしまうことはある。なんとか、自分で自分に明るい言葉で元気をつけようと思っても、浮かんでくるのは悲観的な言葉だったりすることがある。そんなとき、彼の奥さんのような人が身近にいたら、どれほど救われるだろう。
■ 隣でハンドルを握りながら、ほんとに幸せそうな彼の笑顔を見ると、自分がどんなに辛くても、人に向かって吐き出す言葉は、明るいものだけにしようと、つくづく思った。明るい言葉を投げれば、明るい笑顔が返ってくる。そうすれば、自分だって明るく、前向きになれるからね。
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