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西鉄の歴史~全国で唯一本州を拠点としない電車&バス~ 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日: 2024年1月22日

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西鉄の歴史~全国で唯一本州を拠点としない電車&バス~

日本一のバス保有台数を誇る西鉄グループ。現在はホテルやマンションといったレジャーや不動産まで広く手掛ける企業は、どのようにして誕生したのでしょうか?

西鉄形成の歴史

西日本鉄道(以下、西鉄)は大手鉄道会社で唯一本州を拠点としない鉄道会社です。その理由は西鉄形成の経緯にあり、それが今日の西鉄のパワーとなっています。

西鉄は昭和17(1942)年に九州電気軌道、九州鉄道、博多湾鉄道汽船、福博電車、筑前参宮鉄道の5社が合併して設立された会社で、直接の前身とされているのは明治41(1908)年に設立された九州電気軌道です。

西鉄形成の歴史①:九州電気軌道

九州電気軌道は明治44(1911)年に現在の北九州市で営業開始、北九州を地盤とした企業として発展を遂げていきました。とはいえ、実は軌道開業前の明治42(1909)年に電灯・電力供給事業をスタートしており、その事業の方が収益の大半を占めていました。しかし、合併前に九州水力電気に出資したため、電力事業は西鉄には引き継がれませんでした。ちなみに、九州電気軌道が開拓した発電所や供給区域はのちに九州電力へと渡ることになります。

西鉄形成の歴史②:九州鉄道

一方で九州鉄道は大正4(1915)年に設立された筑紫電気軌道が大正11(1922)年に商号変更を行った会社で、九州電灯鉄道から派生的に設立された会社です。当初から福岡県を南北に縦貫する路線建設を計画しており、大正13(1924)年には福岡―久留米間の路線を開業、のち昭和14(1939)年には延線し福岡―大牟田間が開通しました。これが今日の西鉄大牟田線です。開業当時は熊本市までの延伸を視野にいれていましたが、土地の確保に難航し大牟田までの列車となったのです。
また、九州鉄道は福岡県中南部で鉄道業を展開していた太宰府軌道、三井電気軌道や大川鉄道を吸収合併しており、福岡県中南部において主要な企業に成長していきました。

九州鉄道の親会社:九州電灯鉄道

この九州鉄道の親会社ともいうべき九州電灯鉄道は、福岡市内、とくに天神地区を中心とした鉄道・バス事業を展開しており、前身の博多電気軌道時代に尽力した渡邉與八郎は天神地区の渡辺通りにその名を遺しています。この時代に天神地区の発展が進み、のちの経済中心地としての礎を築いたのです。なお九州電灯鉄道は、その後合併を繰り返し昭和9(1934)年に福博電車となりました。

西鉄形成の歴史③:博多湾鉄道汽船

博多湾鉄道汽船は明治37(1904)年に西戸崎―須恵間の開通を皮切りに、主に現在の福岡市東部を中心に運輸業を展開しました。この一部がのちの貝塚線です。筑前参宮鉄道は大正7(1918)年に博多湾鉄道汽船の路線と接続する形で鉄道事業を開始し、一部がのちに国鉄勝田線となるものの、昭和60(1985)年に全廃となりました。

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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

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