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宗像大社に祀られる宗像三女神に迫る~「神宿る島」宗像・沖ノ島~

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年2月23日

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宗像大社に祀られる宗像三女神に迫る~「神宿る島」宗像・沖ノ島~

玄界灘の沖に浮かぶ「宗像沖ノ島」。世界遺産となった現在も、一般人は立ち入ることができず神聖な場所として崇められています。

宗像大社の宗像三女神とは?

神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群は、平成29(2017)年7月、世界文化遺産に登録決定されました。世界遺産としては世界で1092件目、日本では22件目となる。本遺産群は宗像大社沖津宮(むなかたたいしゃおきつみや)(沖ノ島、小屋島、御門柱、天狗岩)、宗像大社沖津宮遙拝所(ようはいじょ)宗像大社中津宮(なかつみや)宗像大社辺津宮(へつみや)及び新原(しんばる)・奴山(ねやま)古墳群で構成されます。

その中核となる宗像大社に祀られているのが、宗像三女神です。沖津宮は田心姫神(たごりひめのかみ)、大島の中津宮は湍津姫神(たぎつひめのかみ)、九州本土の辺津宮は市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)を祭神とし、この三宮は玄界灘にほぼ一直線に並んでいます。神話では、この三女神は、太陽神アマテラスの命により、宗像から朝鮮半島への海の守り神として降臨したとされています。

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宗像大社の宗像三女神への信仰は今も続いている

本遺産群は、航海安全を祈願する信仰が宗像地域において今も続いており、その起源が少なくとも東アジアにおいて海を介した交流が活発であった古代に遡ることができるという意味で、極めて価値が高いと認められています。

航海安全から、今では交通安全の守り神として多くの参拝者を集めているのはもとより、“一木一草一石たりとも持ち出してはならない”、“島で見聞きしたことを口にしてはならない”などの沖ノ島の禁忌が今も守られていること、沖ノ島近海で漁をする漁師は、獲れた魚を“献魚”として沖津宮に捧げることなどの伝統が守られています。また、地域の人がお宮の近くを通る際に、神殿の方角に向かって一礼する姿を見かけることもあります。このように、宗像三女神への崇拝は今も生きており、つまりは宗像の人々の心の中に、宗像三女神は生き続けている、とも言えるでしょう。

宗像大社沖津宮の沖ノ島で発掘された大規模な祭祀遺跡

沖ノ島での古代祭祀は、4世紀後半、ヤマト王権と朝鮮半島の百済との交流が活発化したことを契機に始まりました。沖ノ島に残された他に類を見ない大規模な祭祀遺跡は、海を渡らなければ異国とつながることのない日本にとって、交流のための航海がいかに重要なことであったかを教えてくれます。

発掘調査によって見つかった沖ノ島の奉献品の中には、シルクロードを通って運ばれてきたペルシア産のカットガラス碗片をはじめ、金製指輪、金銅製龍頭など、大変貴重な品々が含まれており、約8万点が国宝に指定されています。これらは、宗像大社辺津宮境内の神宝館で見ることができます。
ちなみに、発掘調査は完全に行われてはいないので、“8万点”はまだその一部であることを申し添えておきます。

宗像大社の宗像三女神を崇拝してきた〝神守る島″大島の人々

特筆すべきは、これら貴重な品々が、約1600年にわたって沖ノ島の中で守られてきたことです。これは偏に、宗像三女神を崇拝してきた宗像の、特に大島の人々に依るところが大きいと考えられます。

沖ノ島が“神宿る島”であるならば、大島は“神守る島”とも言えます。大島の人々の沖ノ島への思いや日々の営みは、大島にある「大島交流館」で知ることができます。中でも、展示室には地元のベテラン島民によるボランティアが駐在しており、島の生活や習わし、昔話などを聞くことができます。展示物の解説よりも、そちらの方が面白いかもしれません。だからこそ「資料館」ではなく「交流館」なのです。ただし、話に熱が入りすぎ、帰りの船に間に合わない、などということがないように注意を…。

宗像大社の宗像三女神をなぜ人々は崇敬するようになったのか

また、この奉献品を載せた航海は、縄文時代以来の丸木舟の両側に、高い板を張り付けて波よけとした船が用いられていたといわれています。当然、動力は手漕ぎです。7世紀後半以降の遣唐使の時代になると、板材を組み合わせて作られる、100人以上が乗船可能な船となり、動力も手漕ぎに加えて帆を利用するようになったようです。
しかしいずれにせよ、常に危険とは隣り合わせで、遣唐使もかなりの割合で遭難・漂流した記録が残されています。航海の安全を祈る想いや、無事に帰還できた際の神への感謝から、宗像三女神への崇敬の念が生まれたことは想像に難くありません。

宗像大社

住所
福岡県宗像市田島2331
交通
JR鹿児島本線東郷駅から西鉄バス神湊行きで15分、宗像大社前下車すぐ(辺津宮)
料金
神宝館(辺津宮)=大人800円、高・大学生500円、小・中学生400円/

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