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福岡の三大祭り「どんたく」「博多祇園山笠」「放生会」~福岡県民は祭りが大好き! 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年3月3日

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福岡の三大祭り「どんたく」「博多祇園山笠」「放生会」~福岡県民は祭りが大好き!

福岡の祭りは博多どんたくから始まり、夏の博多祇園山笠、秋の放生会と続きます。県外からも多くの見物客が訪れる三大祭りのルーツと魅力を解説。

福岡の祭り:博多どんたく港まつり(毎年5月3・4日開催)

福岡市民の祭り博多どんたく港まつりは、毎年5月2日の前夜祭を皮切りに、3~4日の2日間にわたって開催されます。三福神と稚児が博多・福岡の各所を祝って回る「博多松囃子(まつばやし)」と、通りを練り歩きつつ商店などで歌舞音曲を披露し祝儀をもらう「通りもん」、博多ふ頭の港本舞台をはじめとする各地の演舞台、明治通りのパレードなどが主な催しです。

博多どんたく「博多松囃子」の歴史

博多松囃子はどんたくの源流であるとされ、福神・恵比須・大黒の三福神と、それに付き従う傘鉾(かさぼこ)、稚児からなります。

福神は固有の装束に面をつけ、稚児は「言い立て(祝言)」を歌いながら関係各所で舞を披露します。パレードは明治通りの呉服町交差点から福岡市役所前までをどんたく隊が通行するもので、沿道には全国から多数の見物客が詰め掛けます。
博多松囃子は「策彦入明記(さくげんにゅうみんき)」の天文8(1539)年の記録に現れるほか、近世期の地誌「筑前国続風土記」では12世紀に始まったという伝承を紹介しています。近世期には博多町人が行列を仕立てて正月15日に福岡城を訪れるのが通例化しましたが、明治に入ると県が正月の松囃子を禁止したため、その頃から「どんたく」という名称を用いて正月以外の機会に催されるようになります。

戦時中にしばらく途絶していましたが、終戦の翌年の昭和21(1946)年5月25日に博多で復興祭が開催され、瓦礫を避けて松囃子と子供山笠が復活しました。これは戦災からの再起と博多っ子の心意気を表す象徴的なエピソードとして、現在でも語り継がれています。

「博多どんたく」と「港まつり」が合流して福岡市民の祭りに

どんたくはこの後に港まつりと合流し、昭和37(1962)年には全市を挙げた「福岡市民の祭り」と位置づけられ、冒頭の長い名称となったのです。現在は新旧の要素が入り交じる複雑な構成の祭礼ですが、パレードや花自動車が大通りを賑わすかたわら、そこここの小路では「ぼんち可愛いや」の歌や「祝うたぁ」という声が響く高揚した空気は、祭り好きといわれる博多っ子の往時の姿を今に伝えています。

花自動車は大博通りや住吉通り、渡辺通り、昭和通りなどを運行し、西新からは城南線を通って戻って来る。博多駅~天神周辺を中心に、市内には30会場を超える演舞台が登場します。

博多どんたく 港まつり

住所
福岡県福岡市中央区博多区ほか市内一円
交通
地下鉄中洲川端駅からすぐ
料金
要問合せ

福岡の祭り:博多祇園山笠(毎年7月1~15日開催)

「おいさ、おいさ」と威勢の良い掛け声で山が走る博多祇園山笠は毎年7月1~15日に開催される祭礼。7基の舁(か )き山と14基の飾り山が造られ、飾り山は10mを超す壮麗ないで立ちで1日からお披露目して市内各所に祭りの開始を伝え、舁き山は10日から実際に山を舁き始めます。祭りを牽引するのは舁き山を擁する流(ながれ)で千代・恵比須・西・東・土居・大黒・中洲の7つがあります。流は複数の町を束ねる組織であり、その年の当番町が行事を取り仕切ります。

スケジュールは主要なものだけでも、1日注(し)連め下ろし・飾り山笠御神入れ・当番町お汐井(しおい)取り、9日全流お汐井取り、10日流舁(ながれが)き、11日朝山・他流舁き、12日追い山ならし、13日集団山見せ、14日流舁き、15日追い山と多岐にわたり、山笠が動くのは10~15日の間です。クライマックスは15日の追い山で、午前4時59分、舁き手の男たちの掛け声とともに山笠が櫛田神社に駆け入ったのち、薄明のなかを5km近く疾駆するさまは威勢に満ち、しばしば「勇壮」と表現されます。

博多祇園山笠の起源と歴史

起源については諸説ありますが、仁治2(1241)年に承天寺の開山・聖一国師(円爾:えんに)が疫病退散のため施餓鬼棚(せがきだな)に乗り博多の町に水を撒いたのが始まり、と現在では主に伝えています。
明治6(1873)年、博多松囃子と同様に催行を禁止され、明治16(1883)年に再開にこぎつけたのですが、その後も山笠が電線と接触する、半裸の男たちが練り歩くのは野蛮である、と警察から難色を示され続けました。このため、山笠を低く仕立てる、舁き手も水法被をまとうなど、許可を得るため苦慮しています。

博多祇園山笠は博多の生活に今も底流

なお、明治31(1898)年に警察に禁止され、何度も交渉して条件つきでようやく許された際、地元の新聞では「博多山笠は建設の許可を得ると共に各当番町は勇みに勇みて日常の職業をも休み目下其の準備中」と相当に浮き足だった様子を報じており、博多の人々にとってどれほど切実な問題だったかが伝わってきます。
博多の町は昭和41(1966)年に町域と町名が大幅に変更され、従来の町組織は行政上はなくなったものの、山笠の組織単位として大部分が継続し、博多の自治活動や近所付き合いに底流するものとして今も息づいています。

追い山ならし、追い山はコースが決まっているので、事前に見どころをチェックしておいた方が良いです。狭い路地を男たちが猛スピードで駆け抜ける様子は圧巻!

博多祇園山笠

住所
福岡県福岡市博多区上川端町1-41櫛田神社ほか市内各所
交通
地下鉄中洲川端駅から徒歩5分
料金
要問合せ

福岡の祭り:筥崎宮放生会(毎年9月12~18日開催)

筥崎宮放生会(はこざきぐうほうじょうや)は毎年9月12~18日に福岡市東区の筥崎宮で行われる祭礼です。隔年で神幸が行われており、神幸の年は12日に3基の神輿が地域をめぐって浜の頓宮(とんぐう)まで渡御、14日に本宮に還御します。期間中、参道には約500軒の露店が建ち並び、ちゃんぽん(ビードロ)・新ショウガなどの放生会名物が売り出されます。また放生会の土産話として見世物小屋、お化け屋敷の体験を語る人も多く、近年めずらしくなったこれらも放生会名物として現存しています。

筥崎宮放生会の歴史

筥崎宮は延長元(923)年、穂波郡の大分宮(現在の飯塚市にある大分八幡宮)から遷座したと伝えられます。放生会は殺生を戒めて捕まえた獲物を野に放つ仏教色の強い行事で、8世紀に宇佐神宮で始まり、全国の八幡宮に広まったとされます。筥崎宮での放生会の始まりは明確ではありませんが、11世紀末には記録に現れています(大江匡房(まさふさ)『筥崎宮記』)。

大正時代頃までは幕出しといい、博多の人々が鍋・釜・食料・酒などを詰めた長持ちを抱えて箱崎の松原に繰り出し、幕を張って酒宴を催していました。この幕に女性たちは新調した着物をかけて自慢し合ったといいます。

2年に一度、西暦の奇数年にあたる年に行われる御神幸(御神輿行列)。2019年は9月12日にお下りが、14日にお上りが行われました。

放生会

住所
福岡県福岡市東区箱崎1丁目22-1筥崎宮
交通
地下鉄箱崎宮前駅からすぐ
料金
要問合せ

福岡の祭りは季節の風物詩として親しまれている

三大祭りは、春のどんたく、夏の山笠、秋の放生会ともいい、しばしば風物詩として語られます。近年は9月でも猛暑が続くことも多く「もう放生会なのにまだ夏みたいやねえ」と苦笑まじりに語られることもありますが、今も祭りの訪れと季節感が結びついていることの裏返しだといえるでしょう。

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