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諏訪盆地と諏訪湖の成り立ち~断層に区切られた盆地と諏訪の象徴の湖の関係~ 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日: 2024年1月26日

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諏訪盆地と諏訪湖の成り立ち~断層に区切られた盆地と諏訪の象徴の湖の関係~

諏訪盆地、そして諏訪地域の象徴にして長野県最大の湖・諏訪湖は、どのようにして形成されたのでしょうか。答えは、大地を引き裂く強大な力でした。

諏訪盆地は2本の大断層が交差する複雑な場所

諏訪湖(すわこ)を中心に北西から南東に長さ約12㎞、幅約4㎞にわたって広がる諏訪盆地は、フォッサマグナ西端に走る糸魚川-静岡構造線と中央構造線という2本の大断層が交差する複雑な場所に位置しています。そして、山地斜面と盆地底のあいだには、活断層による明瞭な地形境界があります。

諏訪盆地の特徴①:雁行断層

糸魚川-静岡構造線は、諏訪周辺で「諏訪湖北岸断層群(諏訪断層群)」と「諏訪湖南岸断層群」に分かれています。このように横ずれ断層が全体としては連続しながら、一部で分離して雁が飛ぶように並ぶ断層を「雁行(がんこう)断層」といいます。雁行断層は、ひとつのエリアで一方向には圧縮する力、一方向には引っ張る力がはたらいて雁行状の割れ目ができ、その割れ目で食い違いが生じるために形成されます。

諏訪盆地の特徴②:プルアパート盆地

他方、諏訪盆地を通る中央構造線は、南から茅ち野の市内で切れて12㎞ほど西へずれて、岡谷市の横河川(よこかわがわ)上流付近に移動しています(下図参照)。これは、諏訪湖北岸断層群と諏訪湖南岸断層群の活動によって横ずれが起こり、中央構造線が途中で断ち切られたためです。

雁行断層が横ずれを起こすと、断層と断層のあいだでは引張力がはたらき、挟まれた部分の地殻が陥没して凹地ができます。このようにしてできた地形をプルアパート盆地といい、諏訪盆地もこれに該当します。

諏訪盆地と断層群

諏訪盆地中心部、諏訪湖の北岸と南岸にはいく本もの断層が走っています。また、中央構造線は湖付近で12㎞ほど横ずれしています。かつて諏訪湖は火口湖だとか、八ヶ岳の火山活動によって川が堰き止められてできた湖だとする説がありましたが、現在では、こうした断層群による、大地を引き裂く強大な力によってできたと考えられています。

国土地理院の活断層図「諏訪」を元に作成

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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

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