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長野の歴史~古代から近代まで現在の長野はこうしてつくられた! 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日: 2024年1月26日

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長野の歴史~古代から近代まで現在の長野はこうしてつくられた!

今や「農業大国」「健康長寿」のイメージが根付いた長野県。この地は、今日に至るまでどのような歴史を刻んできたのでしょうか。旧石器時代から長野県の歴史を振り返ってみましょう。

【長野の歴史】旧石器時代はナウマンゾウを追って人々が県域に往来

現在の長野県域では、旧石器時代には野尻湖立が鼻遺跡(上水内郡信濃町)周辺で人類が活動していたことが確認されています。1962(昭和37)年から行われた野尻湖の発掘調査では、湖底の約6万~3万8000年前の地層から大量のナウマンゾウやヤベオオツノジカといった大型獣の化石が見つかるとともに、ナウマンゾウの骨を素材とした骨器が見つかりました。約4万3000年前の地層からは大型獣を解体したと考えられている場所(キルサイト)や槍状木器、剥片(はくへん)石器なども出土しています。約3万8000年前以降の地層からは大型獣の化石は姿を消し、ナイフ形石器などが発見されました。ナウマンゾウを追った人類が、当時はまだ大陸と地続きだった日本に到達し、ナウマンゾウの絶滅後も野尻湖周辺など長野県域を住来した様子がうかがえます。

和田峠(小県(ちいさがた)郡長和町)は旧石器時代から黒曜石(こくようせき)の原産地として知られ、和田峠産の黒曜石は関東や静岡県、伊豆諸島など広範囲にわたって普及していました。

【長野の歴史】縄文時代には八ヶ岳山麓を中心に大規模な集落が誕生

縄文時代に気候が温暖化し、現在の日本列島が形成されると、土器をつくって定住する人々が現れ、長野県域では八ヶ岳山麓を中心に大規模な集落が誕生します。縄文時代は気候が安定せず、その変動に合わせて人々は高台から沿岸に近い平野部へと居住地を移し、やがて稲作文化や金属器が伝わってくると、稲作を中心とした農耕社会が築かれていきました。3世紀頃になると、地形や地質などの違いにより、北の千曲川流域と南の天竜川流域とで生業形態、家の構造などが二分されました。

【長野の歴史】ヤマト王権とのむずび付きで更埴地方をはじめ大型の古墳が築造

生活の糧が狩猟採集から農耕にシフトすると、収穫物を備蓄できるようになり、共同体が多くの人数を養えるようになりました。やがて誕生した権力構造は、対立や合従連衡(がっしょうれんこう)を繰り返し、善光寺平南部の支配者たちは畿内(きない)に誕生したヤマト王権と結びつき、更埴(こうしょく)地方に前方後円墳を築造します。時代を経るにしたがって、大型の古墳は飯田地方でつくられるようになっていくことから、権力者の地盤が時代によって移動したと推測されています。

【長野の歴史】飛鳥時代に信濃国の誕生

645(大化元)年の大化の改新を経て律令制が確立される段階に入ると、その草創期において「科野国(しなののくに)」が成立しました。屋代(やしろ)遺跡群(千曲市)からは、665(天智4)年の年号の入った木簡が出土しており、中央府と連携して行政組織が機能していたことがわかります。天武天皇(てんむてんのう:在位673~686年)の治世下で都市機能を分散する政策が採られた際には、長野県域に遷都する構想もあったようです。そして704(慶雲元)年には信濃国(しなののくに)の印がつくられ、この頃から「信濃」の文字が公的に使用されるようになりました。

721(養老5)年には信濃国の一部を割いて諏訪国(すわのくに)が成立しますが、その10年後の731(天平3)年には諏訪国は信濃国と合併するなどの紆余曲折を経ます。その国府は、当初は小県にありましたが、更級(さらしな)、筑摩(ちくま)、松本と遷移したのも広大な信濃国ならではの出来事といえるでしょう。

平安時代に編さんされた『延喜式』に、古代信濃国には「伊那、諏訪、筑摩、安曇、更級、水内、高井、埴科、小縣、佐久」の10郡があったと記されています。
『長野県の歴史』(山川出版社、2010年)を元に作成。

【長野の歴史】信濃武士の誕生と活躍した平安時代

10世紀頃になると、各地で武装蜂起が頻発し、朝廷は武家を派遣します。信濃国には清和源氏(せいわげんじ)が信濃守として任官し、そのまま土着して武士団を形成していきます。信濃武士の誕生です。この信濃武士のうち、信濃源氏からは木曽義仲(きそよしなか)が出て、平安時代末期の源平合戦において平家(伊勢平氏)政権打倒に大きな貢献を果たすのでした。

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