フリーワード検索

トップ > カルチャー >  九州・沖縄 > 鹿児島県 >

桜島形成の歴史と噴火のメカニズム!大正時代に驚くべき大噴火があった

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年6月22日

この記事をシェアしよう!

桜島形成の歴史と噴火のメカニズム!大正時代に驚くべき大噴火があった

連日のように噴煙を上げる国内屈指の活火山・桜島。
大正時代には20世紀の 国内最大の噴火が発生し、流れた溶岩によって大隅半島と地続きになりました。

桜島は鹿児島のシンボル!

鹿児島湾(錦江(きんこう)湾)の奥にそびえ、連日のように噴煙を上げる桜島火山。その勇ましい姿は鹿児島のシンボルとして欠かせない存在になっています。

桜島は東西約12.2km、南北約9.5kmの火山島で、最高峰の北岳(きただけ)(標高1117m)をはじめ、中岳(なかだけ)( 同1060m)、 南岳(みなみだけ)( 同1040m)など、複数の火山体からなる「複成火山」です。

1955(昭和30)年に、南岳山頂で爆発が起こり、現在まで続く噴火活動が始まりました。さらに2006(平成18)年以降は、南岳東側斜面8合目付近にある「昭和火口」からも噴煙が上がるようになりました。

桜島は鹿児島市の中心市街地から4㎞ほどしか離れていないため、火山灰は風向き次第で市街地にも降り注ぎます。今なお噴煙を上げ続ける活発な活火山でありながら、桜島内には約4000人が暮らしています。噴火にともなう災害リスクもありますが、いっぽうで火山から受ける恵みも大きく、人と火山が共生しています。火山噴出物からなる土壌は、桜島小みかんや桜島大根などの特産物を育んでいます。

【桜島形成の歴史①】鹿児島湾奥部の生い立ち

ではこの桜島はどのようにして形成されていったのでしょうか。まず鹿児島湾奥部の生い立ちから考えましょう。

新生代中期、南九州一帯の岩盤は火山活動によって南北方向に亀裂が入りました。亀裂は次第に拡大し、約50万~40万年前には海水が流入してその原型ができたと考えられています。鹿児島県内にはこの亀裂に沿って四つの大きなカルデラが形成されました。このカルデラは北から加久藤(かくとう)、姶良(あいら)、阿多(あた)、鬼界(きかい)と命名されています。

姶良カルデラとシラス台地の形成

このうち姶良カルデラは東西24km、南北23㎞にも及ぶ世界第一級のカルデラで、阿多カルデラとともに現在の鹿児島湾奥部を形づくりました。姶良カルデラは約2万9000年前に巨大噴火が起こり、大規模な火砕流(入戸(いと)火砕流)が南九州一帯を覆いつくしました。このときにもたらされた大量の火山堆積物は、鹿児島県本土の面積の大半を覆いました。最大で200mもの厚さに積もり、現在のシラス台地となりました

【桜島形成の歴史②】桜島の火山活動の始まり

桜島が形成されたのは、この大噴火のあとです。約2万6000年前、姶良カルデラの南東側の縁で噴火が起こりました。これが桜島の火山活動の始まりです。

以降、大小さまざまな噴火を繰り返しながら今の形に近づいていきました。

桜島の「安永噴火」と「桜島大正噴火」

1779(安永8)年に安永噴火が起きた際は、その後20年もの間噴火が断続的に続き、灰が降り注いだといいます。安永噴火にともなって起きた海底噴火により、安永諸島と呼ばれる八つの小島が現れました。現在は新島(しんじま)、硫黄島(いおうじま)、中ノ島、猪ノ子島(いのこじま)の4島が残るのみです。

1914(大正3)年には20世紀の国内最大の噴火(桜島大正噴火)が起きました。噴石や火山灰をともなう噴火が1日以上続き、その後溶岩が流出。このとき流れた溶岩により、桜島と大隅半島は地続きになりました。

桜島で現在繰り返されている噴火の特徴

現在桜島で繰り返されている噴火は、「ブルカノ式噴火」です。溶岩は比較的粘りが強く、爆発的に噴火することが多いです。また火山ガスの圧力が高いため、大きな空気振動をともなうこともあります。

桜島のジオマップ

① 溶岩なぎさ遊歩道
大正溶岩地帯の一角にある、全長約3kmの遊歩道。大正溶岩に根を張るたくましい植物を観察できます。

② 有村溶岩展望所
桜島港から車で20分ほどの展望所で、大正溶岩と昭和溶岩を一緒に眺めることができます。

③ 桜島口
かつて島だった桜島が大正溶岩によって、大隅半島と陸続きになった場所。桜島側にはクロマツ、大隅半島側にはタブノキが生え、木々からも地質の違いがわかります。

④ 黒神埋没鳥居
高さ3mあった腹五社(はらごしゃ)神社(黒神神社)の鳥居が、 大正噴火によりたった1日で2mも埋没。神社のあった黒神村全687戸も同時に埋もれました。

⑤ 新島
安永噴火のときに起こった海底噴火により、海底が隆起して現れた島で、水中火砕流(新島軽石)でできています。

⑥ たぎり(火山性熱水噴気活動)
若尊(わかみこ)カルデラの火山ガスが海面に達し、泡が見える現象。海底に活火山があるということがわかるスポットです。

桜島

住所
鹿児島県鹿児島市桜島横山町
交通
桜島港からすぐ
料金
情報なし

『鹿児島のトリセツ』好評発売中!

地形、交通、歴史、産業…あらゆる角度から鹿児島県を分析!
鹿児島県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。鹿児島の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。地図を片手に、思わず行って確かめてみたくなる情報を満載!

Part.1 地図で読み解く鹿児島の大地

・鹿児島を筆頭に九州になぜ火山が多く一直線に並ぶ?
・大正時代に驚くべき大噴火!桜島の形成とメカニズム
・アンモナイトやクビナガリュウなど恐竜時代の化石が獅子島で続々!
・屋久島は巨大な花崗岩の塊を付加体が取り巻いている!
・超巨大火山「喜界カルデラ」に知られざる溶岩ドームが存在!
・薩摩富士・開聞岳や池田湖ほか薩摩半島南東部の火山群の歴史
・テーチ木と奄美の赤黄色土が生む日本を代表する絹織物・大島紬

…などなど鹿児島の自然のポイントを解説。

Part.2 鹿児島を駆け抜ける充実の鉄道網

・明治時代開通の鹿児島線 鹿児島~国分に始まる鉄道史
・新大阪からの直通も走る!九州新幹線鹿児島ルートの全貌
・国内屈指の大幹線として君臨・東京直通も走った鹿児島本線
・日本最長の寝台特急も走った九州東部を縦貫する日豊本線
・「おれんじ食堂」の投入など奮闘する肥薩おれんじ鉄道
・開聞岳ほか薩南の絶景を満喫!JR最南端駅もある指宿枕崎線
・県内唯一の私鉄も今や幻に・鹿児島交通枕崎線&知覧線

…などなど鹿児島の鉄道事情を解説。

Part.3 鹿児島で動いた歴史の瞬間

・鹿児島の古代史総論
・国内最古級の大規模な定住集落跡・上野原遺跡とは?
・政府と薩摩の間に起った軍事的衝突
・日本の南の玄関口・鹿児島に鉄砲やキリスト教が伝来
・九州統一を目指す島津氏VS九州攻めに乗り出した豊臣秀吉
・江戸~薩摩間約1700㎞!最も遠方からの参勤交代
・鹿児島城の築城と薩摩藩独自の外城制度
・薩英戦争が薩摩藩にもたらした近代化と倒幕への方針転換
・戦後アメリカの統治下となった奄美群島が日本復帰

…などなど鹿児島の歴史を徹底解説。

Part.4 鹿児島で育まれた産業や文化

・近代産業の礎を築いた集成館
・日本の金産出量の約9割を占める菱刈鉱山がすごい!
・かつては海軍の航空基地・鹿児島空港開港の歴史
・志布志湾に浮かぶ人工島にある志布志国家石油備蓄基地とは?
・鹿児島臨海工業地帯の造成の変遷をたどる
・ロケット打ち上げ施設は国内唯一・日本で宇宙に一番近い県
・古代より栄えた坊津の港に代わり枕崎が遠洋漁業の拠点に!
・本土が半分がやせたシラス台地なのになぜ全国有数の農業県になれた?

…などなど鹿児島の産業と文化を丁寧に解説。

『鹿児島のトリセツ』を購入するならこちら

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!

エリア

トップ > カルチャー >  九州・沖縄 > 鹿児島県 >

この記事に関連するタグ