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鹿児島の鉄道史!明治34年に開通した鹿児島線の国分〜鹿児島間に始まる 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年5月19日

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鹿児島の鉄道史!明治34年に開通した鹿児島線の国分〜鹿児島間に始まる

鹿児島本線は肥薩線経由、日豊本線は吉都線経由と現在とは異なるルートで開業。
2路線が鹿児島駅で手を結ぶことで、九州縦貫幹線は完成しました。

鹿児島市鉄道敷設委員会が組織される

鹿児島県は、明治維新で功績を上げながら交通網が脆弱で「陸の孤島」といわれていました。他方で、1888(明治21)年に九州最初の鉄道である九州鉄道が発足。これは福岡、佐賀、熊本、長崎の合同事業でした。

しかし、1892(明治25)年に鉄道敷設法が公布されたのを機に、九州鉄道の第一期工事に繰り入れてもらうべく鹿児島市鉄道敷設委員会が組織されました。隣り合う熊本・宮崎県とも連絡し関係機関に請願。

こうして1894(明治27)年に政府が承認、議会へと提案し可決されました。

鹿児島県に初めて鉄道が誕生

1896(明治29)年、九州鉄道(のちに国有化)は門司(もじ)(現・門司港)〜八代(やつしろ)間を開通させ、八代〜鹿児島間は官設鉄道が建設を行うことになりました。

八代以南のルート選定では、海沿いでは国防上、敵艦からの艦砲射撃を受けるという軍からの主張があり、鹿児島へ最短となる山間部ルート、つまり現在の肥薩(ひさつ)線経由が選ばれました。そして八代〜人吉(ひとよし)間が人吉線、人吉〜吉松(よしまつ)〜鹿児島間が鹿児島線とし建設が行われ、1901(明治34)年6月に国分(こくぶ)(現・隼人(はやと))〜鹿児島間が先行開通し、鹿児島県に初めて鉄道が誕生しました。

日本の鉄道開業から29年目の輝かしい出来事でした。

鹿児島の鉄道路線として鹿児島本線の全線開通

いっぽう、急峻な矢岳(やたけ)峠のある人吉〜吉松間はトンネルが21カ所、スイッチバックやループ線もある難所続きでした。

とりわけ全長2096m、宮崎・熊本との県境に位置する矢岳第一トンネルの掘削は難航。トンネルの人吉側抗門には当時の逓信大臣・山縣伊三郎(やまがたいさぶろう)の揮毫による「天険若夷(てんけんじゃくい)」、吉松側に鉄道院総裁・後藤新平による「引重致遠(いんじゅうちえん)」の扁額(へんがく)が架けられ、その功績を後世に残しています。

10年の工期を経て1909(明治42)年11月、人吉〜吉松間がようやく開業。晴れて門司〜鹿児島間が鹿児島本線に改称され全通しました。

鹿児島本線の開通は画期的な変革

鹿児島本線の開通は、九州縦貫鉄道が形成されたことはもちろん、鹿児島が関門連絡船を通じて、東京と鉄道で結ばれたことを意味していました。これは画期的な変革で、開通祝賀会は鹿児島駅で盛大に行われました。

鹿児島の人吉を経由する路線は肥薩線に

現在の鹿児島本線ルートは海岸沿いですが、こちらには大正期に旧・肥薩線の八代〜水俣(みなまた)間、川内(せんだい)本線の水俣〜鹿児島間が開通しており、1927(昭和2)年10月に八代〜水俣〜川内〜鹿児島間が全通すると、これを鹿児島本線としました

これにより幹線ルートが大きく改められ、人吉を経由する路線は地方線の肥薩線となりました。

鹿児島の鉄道で結ばれた九州縦貫幹線

鹿児島本線と肩を並べる大幹線・日豊本線は、九州鉄道・豊州鉄道によって小倉駅を起点に開業。のちに国有化され豊州本線となり延伸。吉松から宮崎を経由し北上する旧・宮崎本線と結ばれると、1923(大正12)年12月、小倉〜宮崎〜吉松間を日豊本線とし、吉松を接続点に鹿児島本線〜日豊本線の九州の縦貫幹線が完成しました。

さらに、建設が進められていた西都城(にしみやこのじょう)〜隼人間の旧・国都東線(こくととうせん)と西線(さいせん)が全通し、地方線として建設されていた志布志(しぶし)線、肥薩線の一部も編入させ、1932(昭和7)年12月に小倉〜宮崎〜鹿児島間が日豊本線となり、都城〜吉松間は吉都(きっと)線となりました。

これによって、九州縦貫幹線は鹿児島で結ばれることになり、九州における幹線鉄道の骨格が形成されたのです。

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・鹿児島を筆頭に九州になぜ火山が多く一直線に並ぶ?
・大正時代に驚くべき大噴火!桜島の形成とメカニズム
・アンモナイトやクビナガリュウなど恐竜時代の化石が獅子島で続々!
・屋久島は巨大な花崗岩の塊を付加体が取り巻いている!
・超巨大火山「喜界カルデラ」に知られざる溶岩ドームが存在!
・薩摩富士・開聞岳や池田湖ほか薩摩半島南東部の火山群の歴史
・テーチ木と奄美の赤黄色土が生む日本を代表する絹織物・大島紬

…などなど鹿児島の自然のポイントを解説。

Part.2 鹿児島を駆け抜ける充実の鉄道網

・明治時代開通の鹿児島線 鹿児島~国分に始まる鉄道史
・新大阪からの直通も走る!九州新幹線鹿児島ルートの全貌
・国内屈指の大幹線として君臨・東京直通も走った鹿児島本線
・日本最長の寝台特急も走った九州東部を縦貫する日豊本線
・「おれんじ食堂」の投入など奮闘する肥薩おれんじ鉄道
・開聞岳ほか薩南の絶景を満喫!JR最南端駅もある指宿枕崎線
・県内唯一の私鉄も今や幻に・鹿児島交通枕崎線&知覧線

…などなど鹿児島の鉄道事情を解説。

Part.3 鹿児島で動いた歴史の瞬間

・鹿児島の古代史総論
・国内最古級の大規模な定住集落跡・上野原遺跡とは?
・政府と薩摩の間に起った軍事的衝突
・日本の南の玄関口・鹿児島に鉄砲やキリスト教が伝来
・九州統一を目指す島津氏VS九州攻めに乗り出した豊臣秀吉
・江戸~薩摩間約1700㎞!最も遠方からの参勤交代
・鹿児島城の築城と薩摩藩独自の外城制度
・薩英戦争が薩摩藩にもたらした近代化と倒幕への方針転換
・戦後アメリカの統治下となった奄美群島が日本復帰

…などなど鹿児島の歴史を徹底解説。

Part.4 鹿児島で育まれた産業や文化

・近代産業の礎を築いた集成館
・日本の金産出量の約9割を占める菱刈鉱山がすごい!
・かつては海軍の航空基地・鹿児島空港開港の歴史
・志布志湾に浮かぶ人工島にある志布志国家石油備蓄基地とは?
・鹿児島臨海工業地帯の造成の変遷をたどる
・ロケット打ち上げ施設は国内唯一・日本で宇宙に一番近い県
・古代より栄えた坊津の港に代わり枕崎が遠洋漁業の拠点に!
・本土が半分がやせたシラス台地なのになぜ全国有数の農業県になれた?

…などなど鹿児島の産業と文化を丁寧に解説。

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