フリーワード検索

トップ > カルチャー >  北海道・東北 > 北海道 >

札幌が大発展した理由とは?150年で200万都市に成長!

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年5月16日

この記事をシェアしよう!

札幌が大発展した理由とは?150年で200万都市に成長!

開拓が本格化した明治以降、150年ほどで大都市へと急成長した道都・札幌。
そのカギを握るのは、開拓使と屯田兵による町づくりと、排水技術による農地拡大です。

札幌発展の理由①:急務だった北海道の開拓と開拓使による札幌の町づくり

1869(明治2)年に開拓使が設置され、蝦夷地は北海道と改称されました。ロシアの南下政策を牽制するため、明治政府にとって北海道の開拓は急務でした。

札幌の地質は、丈夫な地盤と豊かな水に恵まれた扇状地と、砂や泥が堆積して農地にも宅地にも適さない泥炭地(でいたんち)といわれる湿地帯で形成されていました。

開拓使は整備のしやすい扇状地から開拓を始めました。整備区画の中央に設けられた広い道路は現在の大通で、この北は官地として開拓使庁舎などが置かれ、南は町屋として整備されました。現在も北は官庁街と住宅、南は商業施設や飲食店街と、ほとんど配置は変わりません。

札幌発展の理由②:屯田兵による札幌の開墾と農業の始まり

1875(明治8)年、屯田兵が琴似(ことに)に入植。 以降、1876(明治9)年に山鼻(やまはな)、1887(明治 20)年に新琴似、1889(明治22)年に篠路(しのろ)と、屯田兵制度が廃止される1904(明治37)年までに札幌市内に4つの屯田兵村が誕生しました。

篠路はおもに泥炭地で農地に適しませんでしたが、1887(明治20)年に新川を開削して排水を行い、開墾が進みました。客土して土壌を改良したり、新品種導入などを行ったりと、水稲耕作を中心に農業が始まりました。

ほかの泥炭地でも人工川の開削や、土中に土管を埋め排水する土管暗渠(あんきょ) 排水技術により農地利用が可能になっていきました。

札幌発展の理由③:気候に適したタマネギ栽培の増加と農地の拡大

明治初期、札幌農学校のウィリアム・ブルックス教授が、アメリカから札幌の気候に適したタマネギの種子を輸入。札幌官園で試作し、ブルックス教授自ら近郊の農家に栽培指導を行いました。

現札幌市東区の伏籠川(ふしこかわ)流域は果物や雑穀類の栽培が盛んでしたが、虫害が深刻化し、タマネギ栽培へと移行する農家が増加しました。本州での需要が高かったこともあり、昭和初期から第二次世界大戦前にかけてタマネギ栽培は増えていきました。

札幌発展の理由④:高度経済成長期の市街地の拡大

しかし戦時中、農地が飛行場用地として接収され、タマネギ栽培は減少。昭和30年代に一時回復しましたが、昭和40年代の高度経済成長期に本州企業の札幌進出などにより市街地が拡大。道内各地から仕事を求める人が札幌に押し寄せ、さらに隣接の町との合併などもあり、人口が急増しました。

1970(昭和45)年には人口が100万人を突破。札幌オリンピックが開催された1972(昭和47)年には、政令指定都市となりました。1971(昭和46)年に地下鉄が開通するなど交通機関、交通網の整備が進むにつれて、農地が宅地へと変わっていきました

札幌発展の理由⑤:周囲の町を取り込んで拡大

札幌の道路は基本的に碁盤の目状ですが、不自然なズレがいくつかあります。たとえば、札幌市東区は伏古拓北(ふしこたくほく)通の東西で道路の角度がだいぶ違います。これは、もともと別々に開発された町だからです。札幌が周囲の町を取り込んで拡大するときに、整備された町同士を無理やりつないだ結果、急な曲がり角ができたのです。

すすきの誕生秘話

すすきの誕生秘話
道路も広く華やかな夜のすすきのの街

札幌の開拓に従事したのは男ばかりで治安が悪く、厳しい冬の寒さに逃げ出す人もいたため、当初はなかなか開拓が進みませんでした。そこで、1871(明治4)年に官設の薄野遊郭を造設したところ、町はずれの遊郭を取り囲むようにして、町づくりが加速しました。

1920(大正9)年、市街地の発展に伴い白石村菊水地区に遊郭が移設されて一時衰退しますが、やがてカフェやバーなどの飲食店が立ち並ぶようになり、賑わいを取り戻していきました。現在では東京都の新宿・歌舞伎町、福岡県の中洲と並んで、日本三大歓楽街と称されるまでになりました。

すすきのの道を歩いていると、歩道の幅がほかより広い区画があります。これは遊郭の名残。遊郭の廃止後に、土塁と塀のスペースはそのままに整備されたため、一部だけ歩道の道幅が広くなっているのです。

すすきの交差点

住所
北海道札幌市中央区南四条西3丁目~南四条西4丁目
交通
地下鉄すすきの駅からすぐ
料金
情報なし

『北海道のトリセツ』好評発売中!

地形、交通、歴史、産業…あらゆる角度から北海道を分析!地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。北海道の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。思わず地図を片手に、行って確かめてみたくなる情報を満載です!

『北海道のトリセツ』見どころ―目次より抜粋

Part.1 地図で読み解く北海道の大地
地球規模のプレート運動が北海道の大地と山々をつくる!
むかわ町穂別で発見された新種恐竜カムイサウルスとは!?
国内最大の湿地・釧路湿原が3000年以上も陸地化しない謎 ほか

Part.2 北海道を駆け抜ける鉄道網
日本初の軌道交通は茅沼を走り手宮~札幌に道内初の本格鉄道
ゴムタイヤで性能は上々 札幌市営地下鉄3路線の実力
樺太の鉄道と稚泊連絡船 最北の鉄路・宗谷本線 ほか

Part.3 北海道で動いた歴史の瞬間
4000年前の縄文時代に築かれたストーンサークルとは何か?
海を駆け巡る北の民アイヌ 樺太進出を狙い元と戦う!
松前藩が誕生し支配体制が確立! 南下を狙うロシアとのにらみあい
土方歳三の戦死で戊辰戦争終結! 旧幕府軍が描いた蝦夷共和国とは ほか

Part.4 北海道で育まれた産業や文化
150年で200万都市へ成長! 道都・札幌が大発展した理由とは?
北海道らしい大規模農業は開拓時代に黒田清隆が提唱した!
サッポロビールにニッカウヰスキー 北の大地で銘酒が誕生するまで ほか

<コラム>
データで分かる全189市区町村 人口、所得、農業・漁業
初三郎が描いた北海道の鳥瞰図
過酷な気候と労働が生んだ 小林多喜二のプロレタリア文学

『北海道のトリセツ』を購入するならこちら

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!