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北海道で誕生した銘酒~サッポロビールとニッカウヰスキー~

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年2月17日

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北海道で誕生した銘酒~サッポロビールとニッカウヰスキー~

誰もが知る酒ブランド、サッポロビールとニッカウヰスキー。
ビールとウイスキーは、どちらも麦芽(モルト)を原料とする酒です。
大麦栽培が盛んな北海道で日本有数の銘酒が生まれたことに、あまり不思議はないかもしれません。

しかし、会社が大きく育ったのには、北海道の風土や大規模農業など、さまざまな要因がありました。
順を追って、その歴史を見ていきましょう。

北海道の銘酒・サッポロビール:始まりは開拓使とともに

北海道の銘酒・サッポロビール:始まりは開拓使とともに
赤レンガのたたずまいが美しいサッポロビール博物館では、開拓からの歴史も知ることができる

サッポロビールは、北海道開拓の歴史と深くかかわりあいながら成長した会社です。明治初期、開拓使は産業の育成のために官営工場を設立。1871(明治4)年から10年弱のあいだに30以上の工場がつくられました。製品は味噌、醤油、生糸など多岐にわたり、このなかにビールも含まれていました。

当初、ビール工場は東京につくり、試験醸造に成功したら北海道へ移す計画でした。しかし、低温で発酵・熟成させるビールの製造には氷が不可欠。開拓使官吏の村橋久成(むらはしひさなり)は 「氷雪の豊かな北海道に最初から建設すべき」と建議し、計画を変更させました。

1876(明治 9)年、札幌に開拓使麦酒醸造所が完成。これがサッポロビールの始まりです。北極星を表す商標の星印は、開拓使の旗章が由来です。

サッポロビール博物館

住所
北海道札幌市東区北七条東9丁目1-1
交通
JR函館本線苗穂駅から徒歩8分
料金
入館料=無料/プレミアムツアー=大人500円、中学生以上20歳未満300円、小学生以下無料/ビール=300円~/ソフトドリンク=100円~/3種類のビール飲み比べ=800円/

北海道の銘酒・サッポロビール:「サッポロビール」の名が消えて日本最大のビール会社へ

道庁設置後の1887(明治20)年に民営化。渋沢栄一浅野総一郎らがこれを買収し、「札幌麦酒会社」を設立しました。1903(明治36)年に東京工場が完成。宣伝をかねてビアガーデンを開業すると、札幌麦酒は製造量を20%以上伸ばし、業界トップに躍り出ました。

1906(明治39)年には、日本麦酒・大阪麦酒と合併し、日本最大のビール会社「大日本麦酒」となります。 戦後、大日本麦酒は日本麦酒と朝日麦酒に分割され、札幌の名は消えてしまいます。

北海道の銘酒・サッポロビール:復活のきっかけは麒麟ビールの北海道進出

日本麦酒の出した新ブランドが低迷するなか、日本麦酒の独占市場だった北海道に麒麟 (きりん)ビールが進出。関係者を震撼させました。

サッポロビール復活を求める声が高まり、札幌工場創業80年となる1956(昭和31)年、北海道限定でサッポロビールを復活販売。これが好調だったため、翌年には全国で復活。そして1964(昭和39)年には、社名を日本麦酒から「サッポロビール」に改称しました。

北海道の銘酒・ニッカウヰスキー:竹鶴政孝によって余市で創業

ニッカウヰスキーの前身、「大日本果汁」の創業は1934(昭和9)年。創業者の竹鶴政孝は、ウイスキーの本場スコットランドで修業を積んだあと、寿屋(ことぶきや)(現サントリー)を経て独立。スコットランドと似た冷涼な気候、適度な湿度、良質な水、スモーキーな香りの元となるピート(草炭)などを備えた余市が創業の地に選ばれました。

ウイスキーは熟成に何年もかかるため、すぐに売ることができません。資金づくりのため、余市特産のリンゴでジュースをつくりましたが、当時ジュースは一般になじみがなく、売れ行きはよくありませんでした。

北海道の銘酒・ニッカウヰスキー:歴史と成長

1940(昭和15)年、ついに完成したウイスキー第1号は、「大日本果汁」を略した「ニッカ」の名で世に送り出されました。戦時中は酒類販売の統制、戦後は大衆向けの粗悪なウイスキーの流行と逆風が続きましたが、ウイスキー専門メーカーとしての誇りは捨てず、社名を「ニッカウヰスキー」に変更。筆頭株主の朝日麦酒(現アサヒビール)の協力も受けながら着実に売り上げを伸ばし、サントリーに比肩するメーカーへと成長していったのです。

北海道の銘酒・ニッカウヰスキー:歴史と成長

ニッカウヰスキー余市蒸溜所ではウイスキーづくりの工程が見学できる

ニッカウヰスキー余市蒸溜所(見学)

住所
北海道余市郡余市町黒川町7丁目6
交通
JR函館本線余市駅から徒歩3分
料金
無料

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地球規模のプレート運動が北海道の大地と山々をつくる!
むかわ町穂別で発見された新種恐竜カムイサウルスとは!?
国内最大の湿地・釧路湿原が3000年以上も陸地化しない謎 ほか

Part.2 北海道を駆け抜ける鉄道網
日本初の軌道交通は茅沼を走り手宮~札幌に道内初の本格鉄道
ゴムタイヤで性能は上々 札幌市営地下鉄3路線の実力
樺太の鉄道と稚泊連絡船 最北の鉄路・宗谷本線 ほか

Part.3 北海道で動いた歴史の瞬間
4000年前の縄文時代に築かれたストーンサークルとは何か?
海を駆け巡る北の民アイヌ 樺太進出を狙い元と戦う!
松前藩が誕生し支配体制が確立! 南下を狙うロシアとのにらみあい
土方歳三の戦死で戊辰戦争終結! 旧幕府軍が描いた蝦夷共和国とは ほか

Part.4 北海道で育まれた産業や文化
150年で200万都市へ成長! 道都・札幌が大発展した理由とは?
北海道らしい大規模農業は開拓時代に黒田清隆が提唱した!
サッポロビールにニッカウヰスキー 北の大地で銘酒が誕生するまで ほか

<コラム>
データで分かる全189市区町村 人口、所得、農業・漁業
初三郎が描いた北海道の鳥瞰図
過酷な気候と労働が生んだ 小林多喜二のプロレタリア文学

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