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岩手山は岩手県の最高峰にしてふたつの顔をもつ活火山!? 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年6月2日

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岩手山は岩手県の最高峰にしてふたつの顔をもつ活火山!?

岩手県を象徴する名峰「岩手山」。
活発に活動してきた活火山であり、円錐形の端正な美しさと、崩壊地の荒々しさというふたつの顔を併せもちます。

岩手山とは

岩手山(標高2038m)は、盛岡市の北方約18㎞に位置する岩手県の最高峰で、複数の火山群からなる玄武岩(げんぶがん)・安山岩(あんざんがん)質の大型成層火山です。その堂々とした姿は、岩手出身の歌人・石川啄木や、詩人で童話作家の宮沢賢治の作品にも描かれ、南部地方の人々が心を寄せる「故郷の山」として親しまれてきました。

岩手山は東と西で姿が異なる

岩手山は、その地形の成り立ちから、端正な円錐形をした「東岩手山」と、西側に大きく崩壊した「西岩手山」に大別することができます。実際の見た目も異なり、東側からは「南部富士」と呼ばれるように円錐形に見えますが、南側や北側から望むと、西側の稜線は崩れて傾斜がゆるくなっています。このような非対称の姿から、「南部片富士(かたふじ)」とも呼ばれるようになりました。

岩手山の登山道と周辺図

岩手山の登山道と周辺図

岩手山では、7つの登山口から変化に富んだ登山を楽しめます。東麓からは、歴史のある柳沢コースや、溶岩流やコマクサの群落を見られる焼走りコースがあります。西麓からのコースでは西岩手山の崩壊カルデラの縁をたどり、猛々しい火山地形を体感できます。

岩手山の火山活動

岩手火山の活動は、約70万年前以降に始まったとされます。

約30万年前からは、まず西岩手火山が大きく成長しました。西岩手山には東西約2.5㎞,南北約1.5㎞の崩壊カルデラがありますが、これは5~4万年前以降に起きた爆発的噴火により山頂部が陥没してできたと考えられています。

その後、カルデラ内では、大地獄谷(おおじごくだに)、御苗代(おなわしろ)、御釜(おかま)などで噴火が起こりました。現在、登山道から見える御苗代湖と御釜湖は、それぞれの火口にできた火口湖です。

いっぽう東岩手火山は、3.5〜3万年前から活動した比較的新しい火山です。山体崩壊を繰り返しつつも、活発な噴火で円錐形に修復しながら、山体を形成していきました。

岩手山の山頂は火山が成長して形作られた

岩手山の山頂は、薬師岳(やくしだけ)火山が成長して形成されました。山頂には直径約500mの火口があり、お鉢(はち)(外輪山(がいりんざん))巡りの登山道がつけられています。火口内には、中央火口丘である妙高岳(みょうこうだけ)と御室(おむろ)火口を見ることができます。

岩手山噴火活動の歴史

岩手山は有史時代にも、たびたび噴火を繰り返してきました。江戸時代、1686(貞享3)年には山頂の御室火口で噴火が起こり、盛岡城下にも降灰したといいます。

また、1732(享保17)年の噴火では、北東の山腹から溶岩が噴出しました。このときに流下した溶岩流は「焼走(やけはし)り溶岩流」と呼ばれ、国の特別天然記念物になっています。東麓から入山する焼走りコースでは、ゴツゴツとした熔岩塊が広がる斜面に登山道が通っており、火山の荒々しさを間近に感じることができます。

岩手山は現在も活発な火山活動への監視が続く

また近年、1997(平成9)〜2004(平成16)年には、火山性地震や噴気が活発化し、入山禁止になり警戒態勢が強化されました。幸いにも噴火に至ることなく鎮静化。登山も解禁されましたが、その後も大地獄谷や黒倉山(くろくらやま)で噴気が上がっており、関係各機関による監視が続いています。

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Part.1 地図で読み解く岩手の大地

・盛岡のまちを見守る名峰 岩手山はどうやってできた?
・宮沢賢治が名付けた理想の地? イーハトーヴの風景地とは
・三陸海岸のうち南部だけが リアス海岸になっている理由
・三陸沖で多発する地震と 津波発生のメカニズムを探る
・平泉の黄金文化を支えた 玉山金山はどこがすごい?
・カルスト台地に刻まれた猊鼻渓と 幽玄洞は古生代の化石の宝庫!
・ティラノサウルス類化石も発見! 国内最大の琥珀産地・久慈

などなど岩手のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 岩手を駆け抜ける鉄道網

・軌道から車両まで対策は万全! 積雪地帯を快走する東北新幹線
・一ノ関以北で客車が走り続けた 大幹線・東北本線の歴史と実力
・急勾配を克服する物流の幹線 IGRいわて銀河鉄道がすごい!
・『銀河鉄道の夜』の原風景を走る岩手軽便鉄道に始まった釜石線
・三陸縦貫鉄道を引き継ぎ誕生! 沿岸部を走る三陸鉄道リアス線
・龍ヶ森の急勾配を越えろ! 奥羽山脈を横断する花輪線

などなど岩手ならではの交通事情を網羅。

Part.3 岩手で動いた歴史の瞬間

・人々が定住し集落が生まれ 南北それぞれの文化が発達
・胆沢平野を中心に米作が進み 強大な権力も生まれる
・蝦夷のリーダー・アテルイと ヤマト王権の熾烈な争い
・安部氏から奥州藤原氏 やがて群雄割拠の戦乱へ
・前九年・後三年の役が終結し 花開いた黄金の平泉文化
・大崎氏と斯波氏の時代を経て 南部氏と伊達氏が台頭
・戊辰戦争での敗北から 紆余曲折ののち岩手県が成立

などなど、激動の岩手の歴史に興味を惹きつける。

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