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伊勢堂岱遺跡と大湯環状列石は世界遺産登録候補に!秋田県の縄文遺跡がおもしろい!

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年6月29日

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伊勢堂岱遺跡と大湯環状列石は世界遺産登録候補に!秋田県の縄文遺跡がおもしろい!

秋田県域には、世界遺産の候補となっている縄文遺跡が存在します。
どのような点に価値があるとされているのかを見ていきましょう。

伊勢堂岱遺跡と大湯環状列石が世界文化遺産の登録候補に!

2021(令和3)年5月26日、ユネスコの諮問機関(イコモス)から「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産の登録勧告を受けました。対象となるのは北海道6カ所、青森県8カ所、岩手県1カ所、そして秋田県の大湯環状列石(おおゆかんじょうれっせき)(鹿角(かづの)市)と伊勢堂岱(いせどうたい)遺跡(北秋田市)の2カ所です。

大湯環状列石とは

大湯環状列石は、米代川(よねしろがわ)の支流である大湯川の左岸、標高180mの中通台地上に位置しており、ふたつの環状列石(野中堂環状列石、万座環状列石)を主体としています。

環状列石はストーンサークルとも呼ばれ、大小のさまざまな石を環状に配置したものを指します。どちらも同心円状に二重の環(外帯と内帯)を形成しており、野中堂環状列石の最大径は44m、万座環状列石の最大径は52mで日本最大級です。なお、使用されている石の大半は石英閃緑(せきえいせんりょく)ヒン岩(がん)で、大湯川から運ばれてきたものと考えられています。

周囲には掘立柱建物跡(ほったてばしらたてものあと)、土坑(どこう)、貯蔵穴、遺物集中域が同心円状に広がり、環状列石は配石墓とする説が有力です。

また、外帯と内帯のあいだには日時計状の遺構も確認されています。日時計状組石とふたつの環状列石の中心の石を結んだ直線が、夏至(げし)の日没位置を指しており、ストーンサークルは縄文人の精神性を強く表している遺跡といえるでしょう。

大湯環状列石とは

大湯環状列石

住所
秋田県鹿角市十和田大湯万座45
交通
JR花輪線鹿角花輪駅から秋北バス大湯温泉行きで35分、遺跡前下車すぐ
料金
情報なし

伊勢堂岱遺跡とは

もういっぽうの伊勢堂岱遺跡は米代川と小猿部川(おさるべがわ)の合流点近くの河岸段丘上にあり、同じく縄文時代後期の遺跡です。

4つの環状列石が発見されており、大湯環状列石とは異なり、さまざまな種類の石が使用されています。隣接する沢からは、土偶やキノコ形土製品なども出土しており、環状列石を中心として儀礼や祭礼が行われていたものと推測されます。

なお、環状列石からやや離れた場所からは、日時計状組石も見つかりました

伊勢堂岱遺跡とは
伊勢堂岱遺跡

大館能代空港への道路建設に先立ち発見された伊勢堂岱遺跡。道路を迂回させ遺跡が保存されました。

伊勢堂岱遺跡

住所
秋田県北秋田市脇神小ヶ田中田100-1伊勢堂岱縄文館
交通
秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線縄文小ヶ田駅から徒歩5分
料金
見学料=無料/伊勢堂岱縄文館=大人200円、高校生以下無料/

伊勢堂岱遺跡と大湯環状列石だけじゃない!秋田の縄文遺跡

「北海道・北東北の縄文遺跡群」以外にも、秋田県域には特徴的な縄文遺跡がたくさんあります。

米代川下流の標高35mの東雲(しののめ)台地上にある杉沢台遺跡(能代市)は、大湯環状列石や伊勢堂岱遺跡よりも古い、縄文時代前期から中期にかけての集落遺跡です。

1980(昭和55)年の発掘調査では44棟の住居跡と109基のフラスコ状ピットが確認され、範囲は3万5000㎡とかなり規模の大きな集落であったことがわかっています。発見された住居跡のなかには、長径31m、面積222㎡に及ぶ国内最大級の竪穴住居跡もありました。

本遺跡から出土した磨製石斧(ませいせきふ)は、北海道日高地方でのみ産出する緑色岩(りょくしょくがん)「アオトラ石」でつくられていると推定されているものもあります。この時代にはすでに、広範にわたって人と物の交流があったことの証左といえるでしょう。

このように秋田県域には、縄文人の生活様式を知る手がかりとなるような遺跡が数多く残されているのです。

「北海道・北東北の縄文遺跡群」を旅するならこちらの記事へ
>>ストーンサークルに注目!「秋田・岩手」の縄文遺跡群を旅する

伊勢堂岱遺跡と大湯環状列石だけじゃない!秋田の縄文遺跡
『図説 秋田県の歴史』(河出書房新社、1987年)を元に作成

県内では縄文時代早期の竪穴住居跡が確認されている遺跡はわずか。前期の竪穴住居跡は杉沢台遺跡などで見つかっています。

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秋田県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。秋田の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。地図を片手に、思わず行って確かめてみたくなる情報を満載!

Part.1 地図で読み解く秋田の大地

・秋田県の地形総論
・火山の痕跡や地殻変動を体感!男鹿半島ぐるり1周ジオ巡り
・世界最大の二重カルデラ湖「十和田湖」はどうやって生まれた?
・地下にかつての雄物川の流路!? 秋田平野が形成の驚きのしくみ
・黒川や雄物川流域に油田続々!秋田ではどうして油が採れる!?
・ブナ林が発達し海成段丘が縁取る 起伏が激しい白神山地の形成史
・美しき田園・象潟の九十九島は鳥海山の山体崩壊でできた
・大館・鷹巣・鹿角盆地と能代平野 米代川流域に形成された地形の謎

Part.2 秋田を駆ける充実の交通網

・全国2番目のミニ新幹線、E6系「こまち」が走る秋田新幹線
・一部レール幅を変えて新幹線もいく!福島~青森を結ぶ幹線・奥羽本線
・新津~秋田を結ぶ日本海側の動脈 寝台特急「日本海」も走った羽越本線
・米代川に沿って走る本州横断線 スイッチバックも見事な花輪線
・東能代~川部を結ぶ絶景ローカル線 「リゾートしらかみ」が走る五能線
・鷹巣と角館を結ぶ旧国鉄角館線 秋田内陸縦貫鉄道は見どころ満載!
・釜石~横手~本荘を結ぶ大計画も!? 由利高原鉄道鳥海山ろく線がすごい
・小坂鉱山の鉱石輸送のため開業 旅客輸送も担った幻の小坂鉄道/昭和40年代に消えたローカル私鉄 羽後交通の雄勝線・横荘線とは?

Part.3 秋田の歴史を深読み!

・秋田の古代史総論
・大型住居跡やストーン・サークルなど秋田県の縄文遺跡がおもしろい!
・出羽柵が遷置・整備されて秋田城と呼ばれるようになった
・奥羽を支配した出羽の豪族・清原氏が後三年の役により滅亡
・秋田の中世史総論
・八郎潟東岸を拠点とする大河兼任が鎌倉幕府に対して反乱を起こす
・秋田の近世史総論
・佐竹氏の入部以降、鉱山開発が進み鉱業が秋田藩の財政を支えた
・古来より栄えていた舟運に加え街道が整備され交易が盛んに!
・近現代史総論/奥羽越列藩同盟を離脱し新政府側へ 秋田藩の戊辰戦争と戦後のゆくえ
・日本最後の空襲となった土崎空襲 どうして土崎港が狙われたのか?

Part.4 秋田で育まれた産業や文化

・全国屈指の産油量だった秋田県がシェールオイルの開発・商業生産へ
・秋田港、船川港、能代港 三つの重要港湾が海上輸送網の拠点
・国内有数の米どころ・秋田県は農業産出額の5割以上を米が占める
・かつては国内2位の広さを誇る湖!? 八郎潟の干拓と大潟村の歴史
・古来より建材や工芸品に用いられた秋田杉の活用と保存の取り組み
・日本のロケット発祥の地は秋田県の道川海岸だった!
・地熱発電や風力発電などの再生可能エネルギーの導入が加速
・県内各地で伝承されている民俗芸能 国指定重要無形民俗文化財は国内最多!

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