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硫黄鳥島は沖縄県内唯一の活火山島で硫黄の産地! 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年6月10日

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硫黄鳥島は沖縄県内唯一の活火山島で硫黄の産地!

活火山がないと考えられがちな沖縄ですが、硫黄鳥島は、県内唯一の活火山の島です。加えてこの島では中世から硫黄採掘が行われていました。

硫黄鳥島はひょうたん形をした活火山

沖縄県内にも活火山が見られる島が存在しています。それが硫黄鳥島(いおうとりしま)です。硫黄鳥島は、鹿児島県の徳之島(とくのしま)の西、沖縄島の北に位置する沖縄県最北端の島です。沖縄県久米島町(くめじまちょう)に属し、トカラ列島から続く火山フロント上の島としては南西端に当たります。硫黄鳥島は、ふたつの火山が合わさり、ほぼひょうたん形をした活火山島で、輝石安山岩(きせきあんざんがん)の溶岩や火山砕屑岩(さいせつがん)からなり、大きさは南北約3㎞、東西約1㎞、周囲約7.3㎞、面積は約2.55㎢です。

硫黄鳥島の火山「硫黄岳」と「グスク」

硫黄鳥島の北西側にある火山は硫黄岳と呼ばれる成層火山で、山体は溶岩ドームになっていて、山頂には直径約500mの火口があります。火口壁(火口を囲む急峻な壁)には数カ所の活発な噴気孔が存在しています。南東側の火山はグスクと呼ばれ、直径500mの火口をもつ二重の成層火山の外輪山であり、大きな爆発が繰り返し起こったと考えられています。火口の中には平らな溶岩ドームがあり、北側の火口壁には弱い噴気孔があります。

硫黄鳥島での火山噴火はすべて硫黄岳

硫黄鳥島の火山活動が始まった時期ははっきりしていません。しかし、同じ琉球火山帯に属する阿蘇山、霧島、桜島、開聞岳などの年代から見て、後期更新世(約12万6000~1万1700年前)からではないかと考えられています。火山としてはグスクのほうが新しいですが、これまでに記録されている噴火は、すべて硫黄岳の火口で発生しています。また、2013(平成25)年の調査によって、硫黄鳥島の西方海域の水深約200mの浅海で海底火山が見つかり、さらに北方海域では熱水活動域が発見されています。硫黄岳山頂の火口には、数カ所の噴気孔があり、活発に水蒸気を吹き上げています。

硫黄鳥島は硫黄岳、グスクというふたつの火山が接している活火山島。1959(昭和34)年の噴火の際に全住民が離島し、現在は無人島になっています。住民の多くが久米島に移住したため、鹿児島県の徳之島の近くにありますが、行政的には沖縄県久米島町に属しています。『沖縄県史資料編13硫黄鳥島』(沖縄県教育委員会、2002年)硫黄島の地質を参考に作成。

硫黄鳥島は琉球と明・清朝の朝貢関係をつなぐ島

硫黄鳥島では、かつて硫黄岳の火口内で硫黄の採掘が行われていました。1300年代にはすでに琉球王国から中国の明朝に進貢(しんこう)する硫黄の産地として知られており、19世紀半ばに琉球王国が滅亡するまで、琉球と明(みん)・清(しん)朝の朝貢(ちょうこう)関係をつなぐ重要な島でした。1609(慶長14)年、薩摩藩(さつまはん)が琉球王国に侵攻した際も、中国へ進貢する硫黄を得るため硫黄鳥島を琉球王国に残し、王府の直轄地として硫黄の採掘を行ったといわれています。

硫黄鳥島への人々の定住から離島まで

硫黄鳥島に人が定住し始めた時期はわかっていません。しかし、1631(寛永8)年の噴火では住民の多くが死傷し、1829(文政12)年の大爆発では住民が徳之島へ避難したといわれています。1816(文化13)年にはイギリス海軍の将校であるバジル・ホールが来航し、著書の『朝鮮・琉球航海記』のなかで、硫黄鳥島を「サルファーアイランド(硫黄島)」と呼び、スケッチを残しています。

硫黄鳥島は、1879(明治12)年に沖縄県に所属し、1882(明治15)年には飢饉の影響もあって、沖縄県が住民に久米島への移住を説得しますが、残留します。しかし、1903(明治36)年に大噴火が起こり、住民は協議の結果、久米島へ移り住みました。その後、硫黄採掘が再開され、再入植が始まって第二次世界大戦の後には島に小中学校もできますが、1959(昭和34)年に大噴火の恐れがあるということで全住民が離島。1967年(昭和42)年には採掘従事者も撤退し、それ以後、硫黄鳥島は無人島となっています。

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Part.1 地図で読み解く沖縄

・造山運動によって形成された琉球列島/新しい地層と古い地層、南北で異なる沖縄本島の地質
・エメラルドグリーンの海は隆起してできたサンゴ礁のおかげ?
・グスクの石垣から地下ダムまで利用される琉球石灰岩
・貴重な自然の宝庫「やんばるの森」とは?
・マングローブの生態系が「生きものたちのゆりかご」と呼ばれるのはなぜ?
・県内唯一の活火山島である硫黄鳥島は硫黄の産地だった
・西表島で行われた炭鉱開発とは?…などなど沖縄の自然を解説。

Part.2 陸海空、沖縄に巡らされた交通網

・那覇空港と市街を結ぶ県内唯一の鉄道路線「ゆいレール」
・県民の足として、輸送手段としても活躍していた沖縄県鉄道とは?
・海軍の飛行場からスタートし、各地を結ぶ那覇空港
・明治初め、本州と那覇を結ぶ国内最長の定期航路が誕生!
・沖縄復興のシンボルといわれた730バスとは、どのようなバスだったのか?
・全ての道は首里城に通じる?首里城から那覇港、本島南部に通じる琉球石灰岩の道

…などなど沖縄の交通事情を解説。

Part.3 沖縄で動いた歴史の瞬間

・沖縄の古代史総論/約2000万年前に住んでいた港川人はどこからやってきたのか?
・沖縄本島を三分割して約100年も勢力争いが続いた三山時代とは?
・琉球から江戸まで片道2000㎞の長旅 琉球使節の江戸参府の全貌
・黒船が琉球にやってきた!浦賀上陸前に琉球を訪れたペリーの目的とは?
・ソテツ地獄を経て、国内で唯一戦場となった沖縄
・沖縄の日本復帰を記念して開催された沖縄海洋博覧会とは?

…などなど沖縄の歴史を徹底解説。

Part.4 沖縄で育まれた産業や文化

・元々は宮廷料理だった?沖縄の郷土料理・沖縄そば
・男子禁制の祈りの場、御嶽とはいったいどのような場所なのか?
・15世紀に伝わり戦火からも復活!沖縄を代表する酒・泡盛の奇跡
・薩摩から朝鮮人陶工がやってきたのが始まり?沖縄やちむんの魅力とは
・絣や紅型のほか多彩な染織物「染色文化の宝庫」と呼ばれる沖縄

…などなど沖縄の産業と文化を丁寧に解説。

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