フリーワード検索

ジャンルから探す

トップ > カルチャー >  中国 > 島根県 >

旧JR三江線の代替バスは中国地方最大の江の川の眺めを楽しめる 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年7月7日

この記事をシェアしよう!

旧JR三江線の代替バスは中国地方最大の江の川の眺めを楽しめる

かつて中国地方最大の河川・江の川(ごうのかわ)に沿って山陰と山陽を結んでいた鉄道、三江線(さんこうせん)。2018年の廃線以降は代替バスが沿線の市町を結んでいます。

三江線は惜しまれつつも廃線に

2018年3月31日の最終運行日、JR三江線はかつてないほどの乗客ですし詰めになり、ホームや沿道には同線との別れをおしむ群衆が押し寄せました。総延長距離100㎞を超えるJRの鉄道路線が廃止になったのは、本州では初めてです。

三江線は総延長距離108.1㎞、全35駅の鉄道路線だった

JR三江線は島根県江津市(ごうつし)の江津駅を起点に、中国山地を越えて広島県三次(みよし)市の三次駅に至る総延長距離108.1㎞、全35駅の鉄道路線でした。江津市から島根県邑智郡(おおちぐん)川本町(もとまち)・美郷町(みさとちょう)・邑南町(おおなんちょう)、広島県安芸高田(あきたかた)市、三次市と大半を江の川に沿うように敷設され、車窓の眺めの良さで知られています

三江線の開業から廃線までの歴史

三江線の開業は1930年、最初に石見江津駅(現・江津駅)から川戸(かわど)駅の区間が開通しました。その後、少しずつ延伸され、1937年には浜原駅まで開通しました。広島県側では1936年に三次駅から式敷(しきじき)駅までの工事が着工されますが、日中戦争の影響で中断。敷設されたレールも撤去され鉄橋資材も戦地へ転送されてしまいました。

戦後、残る浜原〜三次間の開通を目指して1953年に工事が再開され、1955年3月に三次駅〜式敷駅間が開通しました。ところが同年10月に発表された江の川のダム開発問題で再び工事が中断されます。三江線敷設かダム建設かで世論は分かれました。数年間の紛糾の後ダム建設は中止になり、1960年に工事が再開されました。延伸を重ね1975年8月31日、開業から45年の歳月を経て全通しました。沿線住民の悲願でしたが、長い建設期間に社会のモータリゼーションや沿線地域の過疎化が進んで赤字路線となり、2018年に廃線となりました。

三江線代替バスでも車窓の眺めが楽しめる

最終運行日の翌日から三江線代替バスの運行が始まりました。路線は複数に分かれ、運行会社も複数あります。地域の足としての利用のほか、土休日は観光利用できるよう三次〜江津間を乗り継ぎ可能なダイヤが設定されています。主な路線は石見交通「江津川本線」(江津駅前〜石見川本)、大和(だいわ)観光「川本美郷線」(石見川本〜道の駅グリーンロード大和〜上野(かみの))、備北(びほく)交通「作木(さくぎ)線」(道の駅グリーンロード大和〜川の駅常清(じょうせい)〜三次)、君田(きみた)交通「川の駅三次線」(川の駅常清〜三次、川沿い)があり、江の川沿いを走る区間が多くあります。江の川は先行河川で中国山地にV字渓谷を形成し、両岸には急峻な斜面が迫ります。水際には崖や露岩が見られ、春は山桜、夏の深緑、秋は紅葉と、代替バスからも三江線にまさるとも劣らない車窓の眺めが楽しめます。

三江線の駅やレールなどを活用して観光資源へ

廃止後の三江線の駅やレールなどの設備をJRから取得して地域起こしに活用する市町もあります。川本町の石見川本駅のほか、邑南町は宇都井(うづい)駅・口羽(くちば)駅一帯を「邑南町三江線鉄道公園」として活用、美郷町は粕淵(かすぶち)駅から粕渕(かすぶち)トンネルまでの路盤約160mを遊歩道として整備、2021年夏にはトンネル内にカフェがオープンする予定です。三次市では地元有志による尾関山駅(おぜきやまえき)レールウォークなどのイベントも不定期で開かれています。

三江線跡で開催される石見川本レールバイク

川本町の石見川本駅では、川本町観光協会の主催でレールバイクイベントが不定期で開催されています。レールバイクとはレールの上を保線用カートで走行する新しいアクティビティで、現在エンジン式2機、足漕ぎ式2機の計4機があります。駅の南端から北端の切り替えポイントまで往復約400mを走行します。エンジン式は時速15 ㎞まで可能で、足漕ぎ式は自転車のようなペダルを自分で踏んで走らせます。どちらも列車よりもレールが近くて迫力があると人気があります。イベントの開催情報は川本町観光協会HPでチェックしましょう。

『島根のトリセツ』好評発売中!

地形、交通、歴史、産業…あらゆる角度から島根県を分析!

島根県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。島根の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。地図を片手に、思わず行って確かめてみたくなる情報を満載!

Part.1 地図で読み解く島根の大地

・「弁当忘れても傘忘れるな」な島根の天気
・山陰地方と呼ばれるのは島根県と鳥取だけ?
・水質の良い一級河川「高津川」と大井谷の棚田
・隠岐諸島の「レッドクリフ」をはじめとする島々
・三県境と全国5番目に広い湖「中海」と7番目の「宍道湖」
・全盛期は東アジア最大、世界で2位の産銀量「石見銀山」は港まで続いていた?
・東京ドームほどの海浜公園「石見畳ヶ浦」

ほか

Part.2 島根を駆ける充実の交通網

・「銀の道」さらに「うなぎ街道」「鯖街道」とは?
・朝廷への情報伝達に使われた「官道」とは?
・土木学会が指定した土木遺産「福浦トンネル」
・一畑電鉄と一畑駅、大社線と大社駅
・Mランドドライビングスクールとは?
・JR木次線の「三段式スイッチバック」とは?
・島根の旧三江線トロッコ、初めて県境越え広島へ
・奥出雲おろちループ
・古代山陰道
・「ベタ踏み坂」江島大橋
・未成線広浜鉄道
・神にまつわる名前のついた10の駅
・最後の寝台列車サンライズ出雲

ほか

Part.3 島根の歴史を深読み!

・『日本書紀』『古事記』から神々を知ろう
・古墳も多い島根県
・『出雲国風土記』の世界「黄泉の穴」
・出雲大社を筆頭とする様々な「神社」
・「出雲」「石見」「隠岐」から「島根に」
・山陰のモンサンミッシェル?こと宮ケ島 衣毘須神社
・出雲の方言 東北の訛りとの共通点
・なぜ津和野町に「森鴎外記念館」が?「小京都」と呼ばれるわけ
・歴史的大打撃「廃仏毀釈」で失われたモノ
・島流しといえば「隠岐」?
・江戸時代の島根県、松江藩による出雲平野の開拓

ほか

Part.4 島根で育まれた産業や文化

・「相撲」発祥の地と言われる出雲
・名湯の多い島根県
・継承される多くの神楽と安来節
・歌舞伎の原型になったとされる「阿国歌舞伎」
・「玉鋼」と「たたら製鉄」と黒曜石
・日本で唯一「黄長石霞石玄武岩」を産出
・小泉八雲の作品と小泉邸

ほか

『島根のトリセツ』を購入するならこちら

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!

エリア

トップ > カルチャー >  中国 > 島根県 >

この記事に関連するタグ