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三角西港と万田坑の深い関係とは?日本の産業革命を支えた世界遺産 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年8月3日

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三角西港と万田坑の深い関係とは?日本の産業革命を支えた世界遺産

「ユネスコ世界文化遺産」に登録された万田坑と三角西港に、今なお残る石炭産業の栄華の面影。日本の産業の近代化と発展の足跡がしのばれます。

万田坑の操業から閉山まで

明治から昭和にかけた日本の産業革命時代を支えたのは石炭でした。荒尾市と、隣接する福岡県大牟田市にまたがる三井三池(みいけ)炭鉱は、日本屈指の炭鉱であり、その中心的存在が万田坑(まんだこう)でした。
1897(明治30)年から1902(同35)年にかけてつくられた万田坑の第一竪坑と、1898(明治31)年から1908(同41)年にかけてつくられた第二竪坑は日本最大の竪坑で、1913(大正2)年~1931(昭和6)年には930万8340t(年平均66万t)、1927( 昭和2)年~1945( 昭和20)年には1643万126t(年平均86万t)を出炭しました。しかし、エネルギーの主役は石炭から石油へと移行。1951(昭和26)年には採炭効率低下のために採炭が中止され、第一竪坑の諸施設が解体されます。その際、第二竪坑の施設は、揚水や坑内管理のために維持されますが、1997(平成9)年3月にはついに閉山

万田坑は重要文化財、国史跡、世界文化遺産に指定

その後、万田坑跡は、1998(平成10)年に国の重要文化財に、2000(平成12)年には第一竪坑跡、汽罐場(きかんば)跡、坑内トロッコ軌条、職場、プラットホームなどが国史跡に指定され、その保存修理の完了を終えた2010(平成22)年から一般公開されました。さらに2015(平成27)年には「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」としてユネスコ世界文化遺産に登録されています。

三池炭鉱 万田坑

住所
熊本県荒尾市原万田200-2
交通
JR九州新幹線新玉名駅からタクシーで30分
料金
入場料=410円/万田坑バッジ=500円/万田坑石炭クッキー=300円/(20名以上の団体は大人320円、高校生240円、小・中学生160円、4月29日、5月5日、11月3日は無料)

三角西港は国の特別輸出港に指定されるも鉄道開業で役目を終える

ところで、この三井三池炭鉱から石炭を輸出するための拠点となったのが、宇城市三角町(うきしみすみまち)の三角西港(旧港)です。三池炭鉱の石炭は、当初、鉄道馬車で大牟田川の河口まで運ばれ、そこからさらに小型船で口之津港(長崎県南島原市)に運ばれ、大型船に積み替えられて輸出されていきました。しかし、口之津港周辺は海底が浅く、大型船の出入りが難しかったのです。
そこで1889(明治22)年に、宇城市三角町の三角西港が国の特別輸出港に指定され、1893(明治26)年から中国の上海などへの石炭輸出を開始。三角西港は宇土・天草地方の経済の中心としておおいに栄えました。

三角西港も万田坑とともに世界文化遺産に

しかし、1899(明治32)年に九州鉄道が三角東港まで開通すると、主要港としての役割を東港に明け渡すこととなり、さらに1908(明治41)年に三池港が完成して、海外への石炭輸出が可能となると、三角東港も石炭輸出港としての役割を終えました。この三角西港と三池港は、万田坑などとともに、世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産のひとつとなっています。

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