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西都原古墳群とは?巨大古墳をはじめ数百基の古墳が密集

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年10月5日

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西都原古墳群とは?巨大古墳をはじめ数百基の古墳が密集

西都原台地(さいとばるだいち)には九州でも最大規模の古墳群があります。さまざまな種類の古墳が残されており、さらには宮内庁管理の陵墓参考地も存在しています。

西都原古墳群は日本最大級の古墳群

一ツ瀬川(ひとつせがわ)右岸の西都原台地一帯には、南北4.2㎞、東西2.6㎞の範囲内に合計319基もの古墳が密集しています。内訳としては前方後円墳31基、方墳2基、円墳286基で、3世紀末から7世紀にかけて築造されたと推測されており、日本最大級の古墳群といわれています。

前方後円墳、方墳、円墳など多様な古墳を見られます。鬼の窟古墳など、内部見学できるものも。西都原考古博物館では出土品を展示しています。
西都原古墳群のHPの資料などを元に作成。

県内では、約200基の前方後円墳が確認されています。とくに小丸川、一ツ瀬川、大淀川の下流域に広がる宮崎平野に集中しています。
『宮崎県の歴史 第2版』(山川出版社、2015年)を元に作成。

西都原古墳群の「男狭穂塚古墳」と「女狭穂塚古墳」は陵墓参考地にも指定

このうち男狭穂塚古墳(おさほづかこふん)と女狭穂塚古墳(めさほづかこふん)は、1895(明治28)年に陵墓参考地に指定されました。陵墓参考地とは、古記録や伝承、墳丘の大きさや形状、出土品などを典拠に、宮内庁によって皇族の墳墓とされましたが、被葬者を特定する資料は不足している状態のもので、全国に46カ所が存在しています。

西都原古墳群:男狭穂塚古墳

男狭穂塚古墳は5世紀前半に築造されたと推測されており、その被葬候補者は諸県君牛諸井(もろかたのきみうしもろい)とする説が有力ですが、地元ではニニギノミコトであると伝承されています。推定墳丘長は176mで、帆立貝形(ほたてがいけい)古墳としては国内最大級です。

西都原古墳群:女狭穂塚古墳

その男狭穂塚古墳と近接しているのが女狭穂塚古墳です。5世紀前半に築造されたと推定される前方後円墳で、墳丘長は約176mと、男狭穂塚古墳と同等の大きさを誇ります。被葬者の候補としては、仁徳天皇妃の髪長媛(かみながひめ)(諸県君牛諸井の娘)が有力視されていますが、現地ではコノハナノサクヤビメの陵墓として伝えられています
前方後円墳は畿内に興ったヤマト王権の勢力下で造営が許されていたことから、中央府と関係が深かったことがうかがえます。

西都原古墳群の「横穴墓」「地下式横穴墓」とは?

なお、西都原古墳群では、横穴墓15基、地下式横穴墓13基も確認されています。横穴墓とは丘の山腹や斜面に穴を掘って人間を埋葬した施設のことで、古墳時代中期以降に全国的な広がりを見せました。

これに対して地下式横穴墓は、まず地面に穴(竪坑)を掘り、その穴の壁面に横方向へ穴を掘って玄室をつくった墓です。こちらは宮崎県域から鹿児島県域にかけての九州南部で限定的に普及した墓制です。

西都原古墳群:酒元ノ上横穴墓群

1994(平成6)年の発掘調査で発見された酒元ノ上横穴墓群(さかもとのうえおうけつぼぐん)は7世紀前半に築造されたものと考えられており、6号墓道からは須恵器(すえき)を枕にした成人女性の人骨がほぼ完全な形で出土しました。この人骨は両耳に金環を装着し、左脇には革袋に入れた刀子(とうす)が副葬品として収められていました。

酒元ノ上横穴墓群は横穴墓と地下式横穴墓の折衷形式となっています。西都原古墳群で確認された初めての横穴墓であり、地下式横穴墓の終焉に関わる重要な遺跡と目されています。このように西都原台地は、首長たちが丁重に埋葬された古代の重要な場所だったのです。

西都原古墳群

住所
宮崎県西都市三宅西都原
交通
JR宮崎駅から宮崎交通西都バスセンター行きバスで56分、終点下車、タクシーで5分
料金
古墳内部見学=無料/

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Part.1 地図で読み解く宮崎の大地

・宮崎県の地形総論/えびの市~小林市の盆地を生んだ約34万年前のカルデラ噴火とは?
・周囲約1.5㎞の青島形成にも関連!島を取り囲む「鬼の洗濯岩」の謎
・二等辺三角形をなす宮崎平野の成り立ちと段丘が発達するわけ
・日南市の鵜戸千畳敷や猪崎鼻に刻まれた驚きの地質構造とは?
・日向岬から伊勢ケ浜まで約4.5㎞! 海岸線の柱状節理ができたしくみ
・花崗岩が露出する大崩山はカルデラ火山の地下部分!?
・火山がつくった高千穂峡の絶景と九州最古の岩石でできた祇園山
・約3万年前まで全面が湖だった!? 都城盆地が形成されるまでの謎

Part.2 宮崎を駆ける充実の鉄道線

・小倉~鹿児島間を結ぶ大幹線、特急「にちりん」が走る日豊本線
・日本三大車窓の矢岳越えほか、沿線の大自然が魅力の肥薩線
・かつて博多~宮崎間を結んだ特急「おおよど」が走った吉都線
・リゾート特急「海幸山幸」が快走! 志布志線から発展した日南線の歩み
・消えた高千穂鉄道高千穂線と高さ日本一の高千穂橋梁の今
・実用化へ向け技術開発を行った日向灘沿い7㎞のリニア実験線
・宮崎県営鉄道として宮崎駅を初開業、佐土原~杉安間を結んでいた妻線
・蓄電池動力の車両も運用していた南宮崎~内海を結んだ宮崎交通線

Part.3 宮崎で動いた歴史の瞬間

・古代史総論
・日本建国の礎を築いたとされる初代天皇・神武天皇は日向生まれ!?
・巨大古墳をはじめ数百基の古墳が密集する西都原古墳群とは?
・7世紀末に日向国が成立 その後薩摩国と大隅国が独立
・中世史総論
・日向伊東氏と薩摩島津氏が激突! 九州の桶狭間と呼ばれる木崎原合戦
・木崎原で敗れた伊東氏が豊後落ち 豊後大友氏vs島津氏の耳川合戦が勃発
・近世史総論
・城下を中心に交通路が整備され地場産業が発展していく
・領主を転封に追い込んだ延岡藩で起きた山陰一揆とは?
・近現代史総論

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