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牧野富太郎博士によって発展した日本の植物学、その功績を学ぶ 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年9月19日

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牧野富太郎博士によって発展した日本の植物学、その功績を学ぶ

植物学者・牧野富太郎(まきのとみたろう)博士。1500種以上の植物を命名するなど、日本の植物分類学の発展に貢献した高知県出身の人物です。

牧野富太郎を育んだ高知の台地は植物の宝庫

黒潮の影響を受けた温暖多雨な気候で、さまざまな地形や地質に恵まれた高知県。県内には石灰岩(せっかいがん)や蛇紋岩(じゃもんがん)など特殊な岩石が分布しており、約2700種類の植物が自生しています。高知県は、植物の宝庫なのです。

牧野富太郎博士は幼い頃から頭脳明晰

自らを「草木の精」と呼び、常に草木とともに生きた牧野富太郎博士は1862(文久2)年、高知県中西部に位置する佐川村(さかわむら)(現在の高岡郡佐川町)に生まれます。幼少のころから植物に興味を持ち、山野を巡って植物を観察。自宅近くの金峰(きんぷ)神社の境内で植物を採取するなど、植物への興味を広げていきました。
佐川村は学問が盛んな土地で、牧野富太郎博士は10歳のときに土居謙護(どいけんご)の寺子屋に入門。伊藤蘭林(いとうらんりん)の塾で漢学を、名教館(めいこうかん)で西洋の諸学科を学びました。12歳で小学校に入学しますが、学習内容に飽きてしまい2年で自主退学。自分で植物の名前を覚え、近隣に植物採集に出掛けるなど、独学で植物の研究に取り組みました。

牧野富太郎博士は植物学の権威となる

牧野富太郎博士が本格的に植物学を学び始めたのは、22歳のときのこと。東京大学理学部植物学研究室への出入りを許され、東京と高知をたびたび往復しながら研究を行いました。高知では採集と写生に励み、日本を代表する学術雑誌『植物学雑誌』の創刊に関わり、その巻頭論文に論文が掲載されるなど、植物学者として注目を集めました。
また、名野川(なのかわ)で発見したヤマトグサを新種として発表。横倉山(よこぐらやま)や五台山(ごだいさん)など故郷の山野に自生していた草花にも、学名を付けていきました。

牧野富太郎博士は卓越した画力の持ち主

牧野富太郎博士は、卓越した画力の持ち主でした。その植物を描写した全形図に加え、花や果実、葉など分類学に必要な器官を描き、内部構造を詳細に観察した解剖図を添えた植物図は「牧野式植物図」と呼ばれ、植物の属性を余すことなく伝えています。牧野富太郎博士は『日本植物志図篇』『新撰日本植物図説』など数多くの書籍を刊行しており、この2冊に掲載された植物図は、全て牧野富太郎博士の手によるものです。『牧野日本植物図鑑』は現在も植物愛好家必携の書として愛されています。

牧野富太郎博士が大切にしたフィールドワーク

牧野富太郎博士の植物知識と業績を支えたのが野外調査(フィールドワーク)です。交通機関が発達していない時代にもかかわらず、沖縄県以外の全都道府県で植物採集や調査を実施。台湾(たいわん)や旧満州(まんしゅう)にも赴き、90歳頃まで野外調査を続けました。一般人向けの採集指導や講演会に力を入れるなど、全国で植物愛好家を育成。1957(昭和32)年に94歳で亡くなるまで、40万枚以上の標本を収集したと伝えられています。

牧野富太郎博士の功績を称える「高知県立牧野植物園」

高知県立牧野植物園は、牧野富太郎博士の業績を顕彰するため、1958(昭和33)年に開園しました。植物園があるのは、高知市五台山(標高約140m)の山頂付近です。植物園を造るならどこが良いか牧野富太郎博士に尋ねたところ、「五台山がいい」という一言でこの地に決定しました。植物が豊富な五台山は牧富太郎野博士にとって、若いころから何度も足を運んだ思い出の場所です。行楽の景勝地として親しまれており観光客の来場も見込めることから、この地が選ばれました。

植物園には楽しく学べる工夫がいっぱい

園地の植物は野生の植物が中心となっており、自然の状態の姿になるよう忠実に植栽されています。造園に必要な石灰岩や蛇紋岩は職員が県内で採石するなど、「土地のものを集める」ことにもこだわっています。

敷地は約8haで、起伏に富んだ地形を利用し、各植物を適地に植栽しています。牧野富太郎記念館本館・展示館を中央に、北園と南園に分かれています。正門から本館入り口までの前庭には、高知県の植生を自然のままに再現。牧野富太郎記念館の中庭では、博士命名の植物や博士の名前が付けられた植物を観賞することができます。薬用植物区は高知県を中心に各地で民間薬として用いられる薬草や薬木が収集されています。南園には2008(平成20)年に完成した50周年記念庭園や温室があります。

2019(令和元)年には新たに2つのテーマの園地が加わり、さらに4K映像を鑑賞できるシアターも開設しました。南園はかつて竹林寺(ちくりんじ)の境内だったため、園内を遍路道や古道が通っているのも特徴的です。

高知県立牧野植物園

住所
高知県高知市五台山4200-6
交通
JR高知駅からとさでん交通桂浜行きバスで30分、牧野植物園正門前下車すぐ
料金
入園料=大人730円、高校生以下無料/シェフの気まぐれランチ=1300円/大納言小豆入りロールケーキ「まきのロール」=400円/かぼちゃのプリン=360円/Makino original blend tea=324円/オリジナルマスクケース(ホテイラン)=385円/オリジナルハンドタオル=550円/牧野富太郎植物画コレクション=1320円/くるくるまきのペーパーウエイト(緑青仕上げ)=2600円/牧野博士が描いた植物図「ヤマザクラのクリアファイルA4サイズ」=380円/(レストランのみ利用は入園無料、各種障がい者手帳持参で本人と介護者1名入園料無料、高知市・高知県長寿手帳持参で入園料無料)

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高知県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。高知の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。思わず地図を片手に、行って確かめてみたくなる情報を満載!

Part.1 地図で読み解く高知の大地

・森・川・海の恵みを受ける高知県の風土と特徴
・岩石が混ざり合う地質帯メランジュと高知県の台地
・最後の清流と呼ばれる四万十川、その流れと秘密に迫る
・室戸岬の海洋深層水は多分野で利用可能性
・桂浜のカラフルな五色の石はどうやってできた?
・海と大地が交わる場所室戸岬で地球の営みを感じる
・早明浦ダムは「四国の命」治水・利水で4県が受益

・・・などなど高知の自然を解説。

Part.2 高知を駆ける充実の交通網

・高知県の鉄道大動脈土讃線と予土線の歴史と魅力
・人も運んだ魚梁瀬森林鉄道は姿消しても住民になお郷愁
・着工から37年がかりで開通の住民の足、ごめん・なはり線
・3つの日本一を有するとさでん交通の路面電車
・高知県の高速道路整備・津波対策の新たな役割
・跳ね橋の「手結港可動橋」渡れるのは1日7時間

…などなど高知の交通事情を解説。

Part.3 高知で動いた歴史の瞬間

・どうやって都に帰った?土佐日記から見る土佐国
・京都から土佐国へ移住した公家大名・土佐一条氏とは?
・四国全土を1代で征服、姫若子・長宗我部元親の躍進
・広大な土佐国をどう治める?一豊が築いた土佐藩の基礎
・土佐から北アメリカ大陸へ!ジョン万次郎の生涯
・幕末の土佐藩を雄藩に導いた坂本龍馬の軌跡と真実
・明治維新から間もない高知で生まれた自由民権運動

…などなど高知の歴史を徹底解説。

Part.4 高知で生まれた産業や文化

・村の予算を超える売り上げ、馬路村のゆず加工品
・高知県が目指す次世代型施設園芸農業とは
・黒潮の恵みが育むカツオは高知県民のソウルフード
・著名漫画家を多く輩出する高知が育んだまんが文化
・植物の研究に没頭した牧野富太郎博士の功績を知る
・1人1人が主役になれる自由で熱いよさこい祭り

…などなど高知の産業と文化を丁寧に解説。

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