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京阪電鉄(京阪電気鉄道)をつくりあげた技術力 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2021年11月26日

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京阪電鉄(京阪電気鉄道)をつくりあげた技術力

大阪と京都を結ぶ京阪電鉄は、戦前から旅客サービスの向上につとめ、新技術を次々と導入。
その姿勢から「技術の京阪」と呼ばれるようになりました。

京阪電鉄の黎明期

京阪電鉄は「日本資本主義の父」と呼ばれた渋沢栄一(しぶさわえいいち)を創立委員長に迎え、1906年に設立されました。当時すでに大阪・京都間は国有鉄道(現・JR)が淀川西岸に運行ルートを開通していましたが、将来的に輸送力が不足することが予想されたため、淀川の東岸にも鉄道が求められたのです。

設立の4年後には、本線の天満橋(てんまばし)~五条(現・清水五条(きよみずごじょう)駅間が開通します。本線の開業を皮切りに路線を延ばし、大正時代末には「京津(けいしん)電気軌道」と、昭和時代の初めには「大津電車軌道」を合併して滋賀方面にも進出しました。

京阪電鉄の戦前の路線図

現在、京阪本線の起点は淀屋橋駅ですが、開業当時は天満橋がターミナル駅でした。また、1922年に系列会社の「新京阪鉄道」を設立。以降、淀川をはさんだ並行線を開業していきました。

1943年には阪神急行電鉄(現・阪急電鉄)と合併し、戦後に分離したものの新京阪鉄道の路線は阪急側に残され、現在の阪急京都線となりました。

京阪電鉄の戦前の路線図
京阪電鉄の戦前の路線図
京阪電車沿線御案内を元に作成

京阪電鉄の現在の路線

1963年には淀屋橋(よどやばし)駅への延伸も果たし、現在では枚方(ひらかた)市~私市(きさいち)駅間を結ぶ「交野(かたの)線」、中書島(ちゅうしょじま)~宇治(うじ)駅間を結ぶ「宇治線」など計8路線、総営業距離91.1㎞の大手私鉄に成長しました。

京阪電鉄の路線はカーブが多い

京阪の路線の特徴としては、カーブが多いことがあげられます。これは守口、枚方、伏見といった旧街道の宿場町を縫うように線路が敷かれたためです。ただ、カーブが多いと直線の線路に比べて乗り心地は悪くなってしまいます。

乗り心地を改良したい! おけいはんの技術革新

そこで京阪は1957年、車体を支える台車に設けられたバネ装置を、それまでのコイルバネから「空気バネ」に変更。空気バネには揺れを吸収する機能があります。現在では広く使用されていますが、日本で最初に取り入れたのが京阪でした。

京阪電鉄の車両は画期的な新技術が満載

京阪は戦前からこうした新技術の導入に積極的で、たとえば1927年には2人がけの転換クロスシートを備えた「ロマンスカー」と呼ばれる車両を設計。また1954年には、特急電車の車内にテレビを取りつけた「テレビカー」を登場させ、高い人気を呼びました。

1967年からは淀屋橋~大和田駅間で、在阪私鉄としては初めてATS(自動列車停止装置)の使用を開始。このように京阪電鉄は革新的なテクノロジーを次々と確立したことから「技術の京阪」と称されています。

京阪電鉄が果たせなかった幻の延伸計画

ちなみに、京阪では梅田乗り入れが計画されたこともありました。1920年代には、「新京阪線」(現・阪急京都線)の上新庄(かみしんじょう)駅から南下し、城東線(現・JR大阪環状線)の下をくぐって梅田へ向かうルートなどが考えられていたのです。

当時、城東線では高架化が計画されており、京阪は工事完了後に不要となる地上線を活用するプランを立てていました。

ですが、1923年に起こった関東大震災の影響で高架化の工事が中断。のちに再開されたものの京阪は資金難に陥っており、梅田への延伸計画も幻と消えたのでした。

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