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【千葉県域の歴史】貝塚の宝庫だった内房と律令制により3カ国が設置された房総 画像:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2021年12月7日

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【千葉県域の歴史】貝塚の宝庫だった内房と律令制により3カ国が設置された房総

現在の千葉県域には、太古、広大な内海が広がっていました。
今とはまるで異なった自然環境のなか、人々は歴史を営み始めたのです。

【千葉県域の歴史】県域の始まりと貝塚に見る縄文人の生活

千葉県域では約300の旧石器時代の遺跡が見つかっており、印西市ではナウマンゾウの全身骨格も発見されています。県域に旧石器時代の人々が営んだ生活の痕跡こそ残されていますが、住居跡が確認されているのは縄文時代に入ってから。この地に人々が定住するようになったのは、それ以降のことと見られています。

縄文遺跡といえば貝塚が有名で、東京湾沿岸の内房は「貝塚の宝庫」と呼ばれるほど貝塚がたくさんあります。なかでも加曽利貝塚(かそりかいづか)は日本最大規模で、出土品から縄文時代の人々の暮らしぶりがうかがえます。

千葉周辺の縄文時代の地形

縄文時代は現在より海面が高く、より内陸側に海岸線がありました。東京湾は現在の埼玉県あたりまで深く入り込んでおり(古東京湾)、霞ヶ浦は印旛沼や手賀沼までつながっていました(古鬼怒湾)。関東平野に広がる内海は「香取の海」と呼ばれ、その地形は平安時代まで形をとどめていました。

【千葉県域の歴史】稲作の伝播と環濠集落の形成

房総地域に稲作が伝播してきたのは紀元前100年頃で、農耕社会が進むと、県内でも六崎大崎台遺跡(むつざきおおさきだいいせき)(佐倉市)のような環濠(かんごう)集落が形成されていきました。

【千葉県域の歴史】ヤマト王権との深いつながり

古墳時代になると、千葉県域には大型の方後円墳が造営されるようになります。4世紀に畿内に興ったヤマト王権は、勢力を伸長していく過程で、服属させたり同盟関係を築いたりした地方に自分たちの墓制(前方後円墳)の造営を認めました。

つまり、古墳時代の房総地方は、すでに畿内のヤマト王権とのつながりが深かったと推測されるのです。県内にはヤマトタケルとオトタチバナヒメの伝承をはじめ、ヤマトタケル伝説が各地に残されており、そのこともヤマト王権との結びつきを示しているといえるでしょう。

千葉県域周辺のおもな古墳と国造

千葉県域周辺のおもな古墳と国造
石井進、宇野俊一編『千葉県の歴史』(山川出版社)ほか各種資料を参考に、現代の地図上にプロット

千葉県には全国4番目の1万2000基以上の古墳があり、とくにヤマト王権との結びつきを示唆する前方後円墳がたくさんあります。その多くが、黒潮を利用した海上交通が発達した結果、沿岸部(当時)に造成されています。なお、国造はヤマト朝廷による行政区分です。

【千葉県域の歴史】設置された3つの国

645年に大化の改新が行われ、律令体制下で国郡里制(こくぐんりせい)が整備されると、「総の国(ふさのくに)」と呼ばれた房総地方には上総国(かずさのくに)と下総国(しもうさのくに)が成立。718年には、上総国の南部4郡を分割して安房国(あわのくに)が設置されました。なお、安房国は742年にいったん廃止されましたが、757年に再設置されます。

【千葉県域の歴史】3カ国の国府の位置とその後の混乱期

国の行政官である国司(こくし)が政務を執った都市を国府と呼びますが、房総3カ国の国府の場所は、上総国は市原市、下総国は市川市国府台、安房国は南房総市府中と推定されています。上総国と安房国の国府は遺構が発見されていないものの、国分寺の位置や文献などから比定されています。

やがて房総には高望王(たかもちおう)(桓武天皇の孫)の系統である桓武平氏が定着するようになりました。しかし、平将門の乱(939 年)に代表されるような反乱が相次ぎ、房総3カ国は荒廃していきます。

こうした混乱のなか、千葉氏や上総氏といった豪族が台頭してくるのでした。

【千葉県域の歴史】3カ国の国府の位置とその後の混乱期

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・火山がない県なのに鴨川に海底火山が流出?
・繰り返される巨大地震の爪痕・南房総に発達する海岸段丘
・鋸山の絶景をつくった「房州石」とはどんな石?

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【注目2】古代から中世、江戸時代、近現代の千葉の歴史を一望

・ふたつの大型環状貝塚からなる巨大な加曾利貝塚の謎
・32基もの古墳がつくられた富津の内裏塚古墳群とは?
・鴨川市小湊がゆかりの地、高僧・日蓮の波乱に満ちた生涯
・坂東太郎の流れを変えた徳川家康の利根川東遷
・日本地図を完成させた佐原村の名主・伊能忠敬の素顔
・廃藩置県で26県もあった千葉県域をどうやって統一?

・・・などなど、千葉の歴史のポイントがわかる。

【注目3】千葉を駆け巡る鉄道網をはじめ、千葉で育まれた文化や産業を紹介

・民鉄最高速160キロでスカイライナーが走れる理由
・成田空港線の高架橋は成田新幹線の遺構だった
・登山鉄道も計画された小湊を目指した小湊鉄道
・かつて千葉市の中心駅は京成千葉駅だった!?

・・・などなど、千葉を走る鉄道網の秘密に迫る。

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