フリーワード検索

トップ > カルチャー >  関東 > 千葉県 >

小湊鐵道は誕生寺の参詣鉄道として小湊を目指すも~開業と計画の紆余曲折~

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2021年12月7日

この記事をシェアしよう!

小湊鐵道は誕生寺の参詣鉄道として小湊を目指すも~開業と計画の紆余曲折~

五井~上総中野間を結ぶ、千葉のローカル鉄道の代表格・小湊鐵道は、かつて参詣鉄道として計画されました。
しかしその目的は果たせぬまま…。

小湊鐵道のはじまり

テーマパークなどなかった時代、由緒ある社寺への参詣は娯楽の中心でした。鉄道の開通により、それまでの徒歩などに代わり、参詣客を運ぶための路線が相次いで開業しました。

関東では京急電鉄の前身、大師電気鉄道が川崎大師へ。千葉県では、京成成田線が成田山新勝寺へと路線を築きました。じつは、五井~上総中野間を結ぶ小湊鐵道もそのひとつだったのです。

誕生寺がある小湊は日蓮宗ゆかりの地

小湊には、日蓮聖人の生家跡地に建立された誕生寺があり、現在も参詣客が多く訪れます。小湊は日蓮宗ゆかりの地として関連寺院も多いのです。標高377mの清澄山(きよすみやま)は、山頂付近に日蓮が立教開宗した清澄寺、初めて題目を唱えたという旭が森があります。また、離島、富士山を除き日本でもっとも早く日の出を拝める地としても知られています。

誕生寺

住所
千葉県鴨川市小湊183
交通
JR外房線安房小湊駅から鴨川日東バス行川アイランド・興津駅行きで3分、誕生寺入口下車、徒歩5分
料金
堂内拝観料=大人500円、小人100円/宝物館=大人500円、小人100円/

小湊鐵道は参詣鉄道として小湊までのルート開通をめざす

小湊鐵道は、そんな小湊を目指し、参詣輸送を行うべく、五井~安房小湊間の路線として計画されました。1925(大正14)年3月に五井~里見間を開業したのが始まりで、1928(昭和3)年5月に上総中野まで開通。しかし、皮肉にも清澄山が立ちはだかり、小湊への延伸は、当時の技術力では難工事が予想されました。

1934(昭和9)年に国鉄木原線(現・いすみ鉄道)が大原~上総中野間を開業させると房総半島の横断鉄道が形成され、ますます不利になり、小湊延伸計画は一時中止。当初、小湊鐵道の大株主だった誕生寺も退いたといいますから、よほどの事態だったのでしょう。

小湊鐵道の参詣鉄道プラン断念

上総中野より南、清澄山を越えて安房小湊へと至る小湊鐵道の「参詣鉄道」プランは、清澄山の難工事や国鉄木原線(現・いすみ鉄道)による大原~上総中野の開通もあって絶たれました。地域にはほかに、外房線や久留里線も走ります。

小湊鐵道は地域輸送にとどまる

しかし、小湊鐵道も簡単にはあきらめず、清澄山を迂回して越えるいくつかのルートを検討。実際に図面もつくりましたが全通することはなく、残念ながら1936(昭和11)年には免許が失効してしまいました。

以降の小湊鐵道は地域輸送に徹し、近年では東京から近い風情あるローカル線として観光客にも人気です。

小湊鐵道はファンに愛され続ける

全線非電化で、国鉄タイプの古い気動車が走り、起点の五井駅には車両基地の五井機関区が隣接しています。木造の車庫が並ぶのどかな構内に、主力のキハ200形気動車がずらり勢揃い。エンジン音も郷愁があり、風光明媚な沿線をのんびりと走ります。ワンマン運転は行わず車掌が乗務し、車内でハサミを入れて乗車券が売られるのも今を忘れさせます。

2015(平成27)年11月からはSLを模したディーゼル機関車がオープンタイプの客車を牽引する「里山トロッコ」の運行を開始し好評です。そのいっぽうで、小湊鐵道の社名にこそ、本来の目的だった参詣鉄道の面影があり、先人たちの無念さも感じられます。

県最東端で頑張る銚子電鉄

県最東端で頑張る銚子電鉄
銚子電鉄 海鹿島~君ヶ浜 のんびりした風景に溶け込む列車

銚子~外川間のわずか6.4 ㎞を結ぶローカル私鉄・銚子電鉄。経営難で赤字が続きますが、副業で起死回生が図られています。

たい焼きや「ぬれ煎餅」は名物となり大成功。売上が落ちると、今度はスナック菓子「まずい棒」を販売し、これもたちまち人気商品に。

全国のファンによる銚電倶楽部が設立するなど、本業でも人気は高いのです。

県最東端で頑張る銚子電鉄

人気のぬれ煎餅

銚子電気鉄道

住所
千葉県銚子市西芝町~外川町2丁目
交通
JR総武本線銚子駅構内
料金
運賃(銚子駅~外川駅間)=310円/1日乗車券「弧廻手形」=大人620円、小人310円/海運切符=180円/(障がい者手帳持参で通常運賃半額)

『千葉のトリセツ』好評発売中!

日本の各県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。本書では千葉県の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。思わず地図を片手に、行って確かめてみたくなる情報を満載!

●収録エリア:千葉県全域

【注目1】千葉の地質・地形を徹底分析

・市原市を流れる養老川河岸の露頭に約77万年前の地層チバニアン発見!
・恐竜時代の岩石がむき出しの見て楽しい銚子のジオ巡り
・火山がない県なのに鴨川に海底火山が流出?
・繰り返される巨大地震の爪痕・南房総に発達する海岸段丘
・鋸山の絶景をつくった「房州石」とはどんな石?

・・・などなど、千葉のダイナミックな自然の成り立ちを解説。

【注目2】古代から中世、江戸時代、近現代の千葉の歴史を一望

・ふたつの大型環状貝塚からなる巨大な加曾利貝塚の謎
・32基もの古墳がつくられた富津の内裏塚古墳群とは?
・鴨川市小湊がゆかりの地、高僧・日蓮の波乱に満ちた生涯
・坂東太郎の流れを変えた徳川家康の利根川東遷
・日本地図を完成させた佐原村の名主・伊能忠敬の素顔
・廃藩置県で26県もあった千葉県域をどうやって統一?

・・・などなど、千葉の歴史のポイントがわかる。

【注目3】千葉を駆け巡る鉄道網をはじめ、千葉で育まれた文化や産業を紹介

・民鉄最高速160キロでスカイライナーが走れる理由
・成田空港線の高架橋は成田新幹線の遺構だった
・登山鉄道も計画された小湊を目指した小湊鉄道
・かつて千葉市の中心駅は京成千葉駅だった!?

・・・などなど、千葉を走る鉄道網の秘密に迫る。

また、銚子港が水揚げ量日本一を誇る理由や明治期最先端の土木技術が光る海の要塞・第二海堡とは?、皐月賞や有馬記念の舞台として知られるJRA中山競馬場の誕生秘話・・・など、千葉県にまつわる文化・産業の面白話もたっぷりと紹介します。

『千葉のトリセツ』を購入するならこちら

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!