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宮城は白鳥の飛来地として国内有数!県内に広がる白鳥伝説 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年1月14日

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宮城は白鳥の飛来地として国内有数!県内に広がる白鳥伝説

県北の伊豆沼・内沼を中心に、宮城は国内最大級の水鳥の越冬地といわれています。
一方、県南では飛来する白鳥にまつわる伝説や事件が語り継がれています。

宮城の白鳥の飛来地:伊豆沼・内沼

県北部の栗原市と登米市にまたがる伊豆沼・内沼。水深約1mの低地湖沼で、数々の水生植物が群生し、水鳥や魚類の生息に適した環境が保たれています。また、冬季でも日中の気温が0℃を超え、湖面が凍結しないため、ロシア方面から越冬のために渡ってくる白鳥やガン・カモ類などが多く見られます。

このような環境を有する伊豆沼・内沼は、1985(昭和60)年に渡り鳥のための国際的に重要な湿地として「ラムサール条約」に登録されました。

さらに、伊豆沼・内沼を含む直径約10km圏内には、同じくラムサール条約湿地の蕪栗沼(かぶくりぬま)・周辺水田と化女沼が位置することから、一帯はラムサールトライアングルと呼ばれ、野鳥の宝庫となっています。

伊豆沼・内沼

伊豆沼・内沼には、日本全国で見られる鳥種の約40%に当たる209種が飛来します。白鳥は10月下旬から飛来し、1月がピークとなります。水辺にはさまざまな植物が自生し、夏には湖面にハスが咲き誇ります。

宮城の白鳥の飛来地:白石川周辺に伝わる白鳥信仰

一方、県南の白石川周辺も白鳥の飛来地となっていますが、この地域では、白鳥を神の使いとして崇める白鳥信仰が根付いています。

白鳥信仰とは  

なかでも、蔵王町の刈田嶺神社は、祭神のヤマトタケルが死後に白鳥に生まれ変わったという白鳥伝説の広まりとともに、白鳥明神を祭って白鳥大明神という別号を持つようになり、信仰の中心地になっていきました。

拝殿には、白鳥を画題とした絵馬(額絵)が数多く飾られ、信仰の厚さを物語っています。また神社裏手には、白鳥を浮き彫りにした5つの石碑「白鳥古碑群」が並んでいます。江戸時代に建てられた白鳥の墓碑で、一番古いものは1673(寛文13)年の建立です。かつて、この場所に死んだ白鳥を葬っていたといいます。このほか、村田町、柴田町など県南の多くの地域に白鳥神社が分布し、大河原町の大高山神社にも白鳥信仰の歴史が残っています。

仙台藩の記録にも残る白鳥信仰

白鳥信仰の広がりは、藩政時代の様子が記録された『伊達治家記録(だてじけきろく)』『奥羽観蹟聞老志(おううかんせきもんろうし)』などにも記されるほどで、伊達家も配慮していたようです。政宗は息子の忠宗に宛てた書状で、この地域では白鳥を鉄砲で撃たないようにと記していたといいます。

白鳥信仰がきっかけで起こってしまった事件

1868(明治元)年には、白鳥をめぐって事件も起こりました。戊辰戦争で仙台藩が降伏した後、領内で新政府軍の兵士が白鳥を捕殺しようとしたところ、その場に居合わせた柴田家臣が白鳥を守ろうと兵士に向かって発砲してしまったのです。

これが新政府側の耳にも届き、事件に関与した家臣たちは処刑となり、事件の責任を取って柴田家十四代当主・意広(もとひろ)も切腹しました。事件後、柴田家臣の多くが、現在の北海道伊達市に移住したといいます。

白鳥神社(村田)

景行天皇の時代に東夷征伐に出向いたヤマトタケルの陣営の跡地と伝わります。5月に満開となる樹齢800年の藤は、この地で祈願した源義家が敵に囲まれた際、大蛇に化けて救ったという伝説を持つ奥州の蛇藤。これにちなんだ祭もあります。

白鳥神社(村田)

刈田嶺神社

刈田嶺神社の現在の社殿は1718(享保3)年に建てられたもの。もともとは刈田嶺を祭っており、戦国時代中期に現在地に移されたと伝えられています。神社裏手には「白鳥古碑群」が並びます。

白石川

源流の蔵王連峰から県南部を東流し、柴田町で阿武隈川に合流します。全長約64km。大河原町の白石川堤では、春になると「一目千本桜」が満開になります。下流には、 徳富蘇峰が命名した美景で知られる碧玉渓があります。

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・県西部に連なる火山群と数々の温泉地の関係とは、荒れ狂う北上川が舟運路に!
・伊達政宗が始めた一大治水事業、暗渠化した四ツ谷用水をたどると見えてくる伊達政宗の町づくり
・「杜の都」の由来となった森はいったいどこにある?
・東京駅丸の内駅舎に使われた雄勝石をめぐる波乱のドラマ

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●宮城に開かれた道の歴史

・東北中の人々が旅した奥州街道!その繁栄を支えた宿場の光と影
・険しい奥羽山脈を越えて宮城と山形を結んだ道の歴史
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・野蒜港計画とともに消えた幻の巨大運河ネットワーク構想
・東北新幹線が仙台駅前後で不自然に蛇行する理由とは?
・東京メトロより古い 日本初の地下路線があった仙石線

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・東北最大の雷神山古墳が示す仙台・名取の有力豪族
・東北支配の拠点となった陸奥国郡山官衙と多賀城
・藤原家三代秀衡が陸奥守に就任・宮城の地も藤原家の統治下に
・室町時代に権勢を誇った大崎氏・名生館の屋敷で伊達氏らが拝謁
・敵を寄せ付けぬ天然の要害 正宗の拠点・仙台城が完成
・伊達62万石を揺るがせた伊達騒動の顛末を追う
・元禄バブル崩壊で財政危機!5代吉村が改革に乗り出した
・飛行隊基地に陸軍駐屯所など軍都としても栄えた宮城県

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