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兵庫県に古墳が多くある理由とヤマト王権

日本に前方後円墳が出現したのは、3世紀半ばから8世紀末までと推定されています。この時期は、ヤマト王権が奈良盆地で勢力を拡大していった時代です。

各地の豪族は自身の権力を示すために競うように古墳を建造しました。兵庫県に多くの古墳が築かれたのは、ヤマト王権に深く関わる有力な豪族が多く住んでいたからなのです。

近畿地方で最大規模を誇る円墳「茶すり山古墳」(朝来市)は、直径約90m、高さ約18m。埋葬施設から多くの武器を中心とする副葬品が発見されたことから、ヤマト王権と強く結びついた首長の墓と推定されています。

五色山古墳をはじめ大きな古墳が集中する播磨・摂津地方

とりわけ大きな古墳が集中しているのは播磨・摂津地方です。全長194mを誇る県内最大の前方後円墳五色塚古墳(神戸市)は、明石海峡周辺を支配した首長の墓だとされます。また、全長143mの「壇場山古墳」(姫路市)は播磨を治めた長の墓だと考えられています。

播磨・摂津地方には、このほかに大小100基を超す前方後円墳があります。密集して古墳がある地域は全国的にもめずらしい。その理由は、高度な土木技術を身につけた渡来人が定住したからだと考えられています。人口も多かったのでしょう。

(文化庁発表の2016年度調査より)

兵庫県の古墳と遺跡の関係

それを裏づけるように兵庫県は遺跡の数と銅鐸出土数でも全国一です。とくに神戸市や姫路市、赤穂市など、瀬戸内海沿いに多い。

これらの地方では、六甲山から南流する急流の河川により、古墳時代に扇状地が形成され、いち早く集落が生まれたと考えられています。温暖な気候に恵まれていたこともあり、多くの人が定住したのでしょう。そこに住民をまとめる豪族があらわれ、たくさんの古墳を建造したのではないでしょうか。

(文化庁調べ2001年分に、2015年に南あわじ市で発掘された銅鐸を加算して集計)

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