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崩落の激しさに『日本のトンネル技術』が敗退!?(青崩峠)

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崩落の激しさに『日本のトンネル技術』が敗退!?(青崩峠)

「あまりの崩落の激しさに日本のトンネル技術が敗退」とツーリングマップルに記載された青崩峠(あおくずれとうげ)。
日本のトンネル技術が通用しない青崩峠とはいったいどんなところなのでしょうか、皆さんも興味が湧いて来ませんか?
実は今、その青崩峠で三遠南信自動車道「青崩峠トンネル(仮称)」の工事が進んでいます。

ここで、すでにお気づきの通りトンネル掘削の技術が敗退して青崩峠を通るルートから撤退したはず!なのに青崩峠にトンネルとは?
またツーリングマップルに記載されたコメントはどうなっているのでしょうか。

青崩峠と三遠南信自動車道

静岡県と長野県を結ぶ国道152号は青崩峠を挟んで長い間、点線国道(未開通地域)でした。1983年に通行不能区間の解消を目的とし青崩峠道路が計画され、その後高規格幹線道路網に組み込まれ、三遠南信自動車道の一部として計画されてきました。

青崩峠と三遠南信自動車道

長野県と静岡県の県境にある青崩峠

塩の道であった国道152号

浜松市から国道152号を天竜川に沿って北へ約70㎞。かつて『日本トンネル技術の敗退』と記載された三遠南信自動車道の青崩峠があります。その昔、信州街道(秋葉街道)として遠州の塩を信州へ運んだ古道でした。

沿道には秋葉山信仰のあった火防の寺「秋葉寺」や同じく火防の神様「秋葉神社」や遠州郷では全国の神々を招きお湯でもてなし、太陽と生命の復活を祈る儀式と考えられている霜月祭りの湯立て神楽といった神事が執り行われる神社など見どころが沢山あります。

塩の道であった国道152号

火防の神様「秋葉神社」

青崩峠は国道152号の点線国道!

青崩峠は長野県飯田市と静岡県浜松市の境にある標高1,082mの峠です。戦国時代には武田信玄が高天神城攻略や徳川家康との一戦を交えた三方ヶ原の戦いに向かう際に越えて行った説もある信州から遠州へ行くための重要な街道にある峠です。

この青崩峠に行くためには長野県・静岡県のどちらから向かっても最後は歩いていかなければ到達できない難所の峠ですが、実はこの『青崩峠』は国道152号に指定されています。

国道152号は真田氏で知られる長野県上田市から静岡県浜松市まで通じる国道ですが、この青崩峠区間は車両通行不能区間になっています。このような国道に指定されていながら車両が通ることができない区間を点線国道といいます。

青崩峠は国道152号の点線国道!

青崩峠は点線になっている

国土地理院 地理院地図(電子国土Web)より

青崩峠はなぜ難所となったのか?

国道152号は長野県からは南下、静岡県からは北上し青崩峠を目指して整備されてきました。そして、最後に残った未開通部分が青崩峠の区間でした。

青崩峠が難所とされたのは名前の由来となったとされる「青色の岩盤が崩れている」が示す通り、峠付近は中央構造線沿いの破砕帯によって地盤が脆く、地滑りや崩落地があるためでした。このわずか約6㎞の区間が当時の日本トンネル技術にとって大きな壁となって立ちはだかったのです。

青崩峠はなぜ難所となったのか?

青崩峠のルートと兵越峠ルート

あまりの崩落の激しさに日本のトンネル技術が敗退!

青崩峠という難所の下を通すために様々な検討がなされたものの青崩峠という、あまりにも巨大な壁は当時の日本のトンネル技術をもってしても突破することができず、正面より戦うことを諦め青崩峠から撤退! 隣接の兵越峠にルートを変更し、草木トンネルを完成させました。

こうして当時の日本のトンネル技術では戦うことすらできなかった青崩峠はツーリングマップルに『あまりの崩落の激しさに日本のトンネル技術が敗退』と掲載することになりました。

あまりの崩落の激しさに日本のトンネル技術が敗退!

「あまりの崩落の激しさに日本のトンネル技術が敗退」と記載された

実は兵越峠も難所だった!?

兵越峠にルートを変更することで『国道152号の点線国道は解消する!』はずでした。しかし、兵越峠に向かう区間では遠山赤石構造線が近いために崩落地が多く、崩落地を避けコースを修正するにも地滑り地などがあることが判明、結果、トンネル工事を進めることができず、兵越林道を通らざる得ない状況が続くことになります。

実は兵越峠も難所だった!?

青い線が兵越林道のルート

40年の時を超えて ~トンネル工事の開始~

計画から約40年。トンネル検査の精度向上や掘削時術の進化により、青崩峠にトンネルを通すことは可能という結論が導き出され、当初の予定通り青崩峠にトンネルを掘ることが決定されます。2019年にはついに青崩峠トンネル(仮称)が着工され、計画から約40年の時を経て悲願が達成されようとしています。

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