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「帰宅支援マップ」を持ってコロナ禍の帰宅ルートを歩いてみた

昭文社_地図編集部_takizawa

更新日:2021年3月16日

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「帰宅支援マップ」を持ってコロナ禍の帰宅ルートを歩いてみた

2011年3月11日の東日本大震災から今年でちょうど10年。

交通機関のマヒや、一時待機や時差帰宅という原則が守られなかったことなどにより、約515万人もの帰宅困難者が発生してしまった教訓は、徐々に人々の記憶から薄れつつあります。

また、コロナ渦によって新しい生活様式が推奨されるようになったことで、災害時には当時の教訓だけではフォローできない事態が発生することも考えられます。

今回は、事前の帰宅ルート確認の必要性を改めてお伝えするとともに、コロナ禍ならではの課題を浮き彫りにするため、徒歩帰宅のシミュレーションを実施しました。

★ 本シミュレーションは、2回目の緊急事態宣言発令前の2020年秋頃「帰宅支援マップ 首都圏版」の企画検討の一環として実施しております。

「帰宅支援マップ」とは

「帰宅支援マップ」とは
「帰宅支援マップ」2021版

まさかに備えて、オフィスに自宅に必携の1冊

帰宅支援マップは、災害時などに帰宅困難者が徒歩で帰宅する場合の安全をサポートをする地図です。

防災袋やカバンに入れて、いざという時に備え危機管理対策のプランニング用として利用できます。

→詳しくはこちら

1.いざ川越

1.いざ川越
池袋六ツ又陸橋。帰宅ルートー川越街道の起点だ。

午前10時。池袋。

本日の徒歩帰宅シミュレーションのスタート地点。

 

通勤や休日のお出かけで駅前やサンシャインにはよく来るけど、川越街道の方まで来るのは初めてなので新鮮。

気力は十分。いざ31km先の川越へ出発!

朝の街道は、人も車も少ない

平日なので人通りも少なく、国道の幅広い歩道だからとても歩きやすい。

時々立ち止まって地図上の危険箇所の経年変化を確認して書きこんだり、仕事のメールやチャットのチェックをしたりする余裕もある。

 

しかし震災時は、徒歩帰宅者でごった返していたり建物の倒壊や歩道が歪んでいたりすることが予想され、体力の消耗も激しいと想定されます。休憩や水・食料確保のタイミングなど、計画的に行う必要があるでしょう。

2.余裕と思っていた!しかし…

2.余裕と思っていた!しかし…

昼。

少し疲れてきたけど、10時から約2時間の12時頃約9km地点の成増に到着。

 

今日はかなり歩く予定。成増まで来たので、前から気になっていたラーメン屋でランチ。食欲も十分ある。

まだまだいける。ペースもなかなか。

 

しかし、ある問題を感じていました。

街道沿いのコンビニスーパーなど、どこを見てもコロナ禍でトイレが「使用不可」なのです。

さすがに震災時は貸してくれるところが多いとは思うが、「感染防止」が優先されると、最悪借りられないことも想定して、早め早めにトイレ休憩をする方が良いでしょう。

(結局この時はラーメン屋までトイレに行けずじまいでした。。)

朝霞駐屯地付近

約12km地点を過ぎ朝霞駐屯地付近。

このあたりで、突然足に来たのです。

 

まだ残り約20km

最後までもつのか、川越に着くのは何時になるのか、若干不安になって来ました。

 

英インター横の石段

新座市街を通過して、約20km地点英(はなぶさ)インターに到着。

ここまで来ると、足の疲労感は明らか。

上半身は普通なのに、下半身だけやたら疲れている。

そして、靴の中に何もないのに石が入っているような痛みです。

 

そんな状態でインター脇は、このような石段を下りなくてはならない。

 

インター通過後の休憩で靴を脱いでみると、長く歩いたため、半日で靴下に毛玉が。

そう。これが痛みの原因でした。

疲労を少しでも軽減するためには、休憩時に足のマッサージだけでなく、

このようなケアも必要ということです。

3.ラストスパート

3.ラストスパート
昔ながらの街道らしい並木が続く

31km地点の川越まで10kmを切って、ゴールは見えて来た。

ケヤキ並木などが続く、昔ながらの「街道」の雰囲気に変わって、川越が近づいているのが実感できる。

道幅は片側1車線ながらも中央分離帯があって、キレイに整備されて歩きやすい歩道だ。

 

・・・しかしもう、足が常に痛い。

小石も確認したし、毛玉ももう出来ていないのに痛い。

つまり、ここまで来ると普通に疲労で足が痛いのです。

 

そのため、歩幅も小さくなって明らかにペースダウンしている気がします。

その上、疲労と痛みで集中力も無くなってきました。

震災時はもっと歩きにくく、緊張でもっと疲れているはずなので、

ケガをしないよう集中力が無くならないうちに休憩を取る必要があります。

上福岡付近。川越まであと5km!

加えて別の問題が。

昼にしっかり食べたのでまさかだったけど、腹が減ってきた…というより、感触としてはハンガーノックになりかかっていたみたいです。

1日で歩ききりたいとはいえ、ろくに休憩もとらず歩き続ければ、ボリューム満点のラーメンのカロリーも使い果たしてしまうということか。。

 

実際の徒歩帰宅の際は、早く家に着きたい気持ちを抑えて、こまめに休憩し、入手できる食料でちゃんと補給しましょう。

 

コンビニで補給して復活。

残り5kmだ。

あともう少し。

普段は気にならない傾斜も、徒歩帰宅時はかなりの負担になる

11月なので日が短く、あっと言う間に真っ暗。

歩き続けていても徐々に体温が奪われていく。

 

これが3.11の時のような季節ならもっと過酷だと思います。

 

そして最後の最後で長めの上り坂。

あと少し、あと少しを言い聞かせながら、足を動かすだけ。

帰宅支援ルート「川越街道」の終点となっている「三番町」

そして、ついにその時が。

 

帰宅支援ルート「川越街道」の終点としている『三番町』に到着。

池袋から約31km

朝10時に出発して、ちょうど18時

ジャスト8時間

 

3.11の時も徒歩帰宅でしたが、4時間だったのでちょうど倍。

はっきり言って、自転車レースよりも疲れたハードな1日でした。

 

無事「川越街道」を踏破した後、駅前のファストフード店で3度目のエネルギー補給。

1時間ほど放心状態で過ごし、その後ヨロヨロと帰宅しました。。

さいごに

平常時で、天気もよく、気候もまだ比較的穏やかな秋に、ほぼ通しでハンガーノックになりかけながら、歩き続けても8時間。

震災時で、天気も悪く、真冬で、緊張状態で歩いたら、ただ時間がかかるだけでなく、ケガはもちろん命の危険に直面するリスクが高まります。
だからこそ、平常時に会社や学校からの徒歩帰宅をシミュレーションしておくことで、少しでもリスク回避の確率を上げておく必要があると思います。

「防災」というと心理的ハードルが上がりますが、普段あまり歩かないルートを、美味しいお店を開拓しながらお出かけしてみるのはいかがでしょうか?

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