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【後編】今年も開催!全国駅弁大会 各地の駅弁を買って食べて「旅気分」

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2021年1月26日

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【後編】今年も開催!全国駅弁大会 各地の駅弁を買って食べて「旅気分」

年に一度の駅弁の祭典、通称「駅弁大会」こと、京王百貨店の『第56回 元祖有名駅弁と全国うまいもの大会』(2021年1月7日~20日)が閉幕しました。
連日のように会場へ通って、買って、ひたすら食べ続けた、情熱の2週間。
全力疾走した後の清々しさに身を任せながら、美味しい記憶が薄まらないうちに、今期の実績を振り返りたいと思います。

>>いざ参戦!の「前編」はこちら

コロナニ負ケズ、売リ切レニモ負ケズ、駅弁ヲ買イタイ

コロナニ負ケズ、売リ切レニモ負ケズ、駅弁ヲ買イタイ

今大会にエントリーされた駅弁の数は、実演駅弁が72種、輸送駅弁が217種(京王百貨店の「駅弁リスト」による)。合計すると、289種類もの駅弁が会場を盛り上げてくれました。コロナ禍に伴う緊急事態宣言下の厳しい状況にもかかわらず、昨年実績とほぼ同じ数の種類が維持されたことは奇跡に近いかもしれません。おかげで、旅行に出られない寂しさをつかのま忘れて、自宅で旅気分を味わうことができました。

開幕当初はSNSでも「会場が空いている」というコメントが目立った駅弁大会ですが、折り返し点を過ぎて2週目に入ると、一転して「混んでいた」「○○が売り切れで買えなかった」といった報告が増えてきました。

筆者が後半の週末に“参戦”した朝は、百貨店入口に開店を待つ大勢のお客さんの姿が。5階の輸送駅弁会場は早々に入場制限する賑わいで、入庫数が少ない駅弁は開店後30分もしないうちに次々と完売。“戦い”を終えたお客さんは、戦利品を入れた紙袋やマイバッグを手に、やや“密”となった会場から引き揚げていきます。

買った駅弁をその場で食べることはできず、例年と全く同じ雰囲気というわけにはいかなかったけれど、会場の片隅で「○○、あった!」「買えたよ!」と電話で戦果報告をする声や、タッチの差でお目当てを逃したお客さんが、申しわけなさそうな店員さんに「じゃ、また来年のお楽しみね」などと話しているのを耳にして、本当に多くの人がこのイベントを心待ちにしていたんだなぁと胸が熱くなりました。

▼今回参加した駅弁大会はこちら
『第56回 元祖有名駅弁と全国うまいもの大会』
会期:2021年1月7日(木)~1月20日(水) 午前10時~午後7時
※最終日は午後6時閉場
会場:京王百貨店 新宿店

京王百貨店 新宿店

住所
東京都新宿区西新宿1丁目1-4
交通
JR新宿駅からすぐ
料金
要問合せ

ひたすら通って、買って、食べた駅弁42個!駅弁大会の私的ベスト3選発表!!

ひたすら通って、買って、食べた駅弁42個!駅弁大会の私的ベスト3選発表!!

今大会の会期中に筆者が買った駅弁は、実演駅弁17個、輸送駅弁25個。金額にするとおよそ5万円分を2週間、夫と2人で食べ尽くした計算です。我が家で申し合わせる「駅弁大会参戦の三カ条」として

①以前に食べたことのある駅弁は、全体の半数以下に抑える

②加熱はできるだけしない

③後悔しないよう、期間中は敢えて栄養バランスを考えない

――この3つをセオリーに実食。その中で、特に印象に残った駅弁をレポートします!

私的ベスト駅弁【高価格帯:1,500円程度】 うなぎとカニの小さな幸せ

私的ベスト駅弁【高価格帯:1,500円程度】 うなぎとカニの小さな幸せ

北陸本線 福井駅『かにうなぎ福めし』1,280円

駅弁リストを片手に予習すると、カニや牛肉といった高級素材を前面に打ち出した一点豪華主義の駅弁は、「1,500円前後」の高価格帯に集中しています。裏返して考えれば“売れ筋”として調製元に自信がある証拠なので、どれを選んで食べても美味しいのは当たり前。ただ、駅弁大会が冬に開催される都合上、温めずに食べようとすると、ご飯の美味しさに大きな差が出ました。

海鮮系に多い酢飯は時間が経っても比較的しっとり軟らかだったのに対して、大半の肉系駅弁は加熱したほうが美味しさが増します。ご飯が脂を纏うことではじめて味が完成するように計算されているのかもしれません。

今回は干支の丑年に因んで「牛」の駅弁を数多く食べましたが、そういう理由もあって、海鮮系メインのほうが、相対的に満足度が高かったです。

福井駅の『かにうなぎ福めし』は、チラシの写真で見たイメージと、サイズ的なギャップがありました。第一印象は「ちっちゃい!」のひと言。実物は手のひらに乗るくらいのコンパクトさで、これで1,280円は高いなぁと。

でも、外箱のデザインは明るく愛らしく、うなぎの蒲焼きやズワイガニの盛り付けも整然として綺麗。食べてみれば主役の味がふくよかで、量的にも程よいボリューム。お値段以上に楽しめて、良い意味で裏切られました。

私的ベスト駅弁【中価格帯:1,000円程度】 庶民の「のり弁」がご馳走にアップグレード

私的ベスト駅弁【中価格帯:1,000円程度】 庶民の「のり弁」がご馳走にアップグレード

東北本線 郡山駅『海苔のりべん』1,000円

エントリーされた駅弁の中で最も層が厚いのは、中価格帯に該当する「1,000円前後」の駅弁。主役がはっきりした高価格帯と異なり、各地の食材や伝統を生かしたバリエーションの豊富さが際立っていて、今回もっとも興味を引かれました。

いま、この価格帯を牽引しているのが海苔(のり)弁当。郡山駅の『海苔のりべん』は、2010年に初登場以来、駅弁の新興勢力として急速に知名度を上げている注目の駅弁です。テレビ番組でも紹介されたことから、人気は全国区に広がりました。

ふっくらした鮭のハラス。ひとつひとつ丁寧に手焼きした、大きなだし巻き玉子。きんぴらごぼうは敢えて太く、しっかりした食べ応え。海苔の下はご飯が二層になっていて、上層には蕎麦だれで炒ったおかか、下層は昆布の佃煮が控えています。酸っぱさ抑えめの梅干しは口直しにぴったり。誰もが知る「おふくろの味」をアップグレードすることで、庶民の海苔弁を「ご馳走」の域に昇華させた好事例と言えるでしょう。

この海苔弁人気にあやかろうと追随する商品が次々と登場しています。しかし、亜流で終わらないのが駅弁界のいいところ。差別化を図ろうとさまざまな工夫を重ねて挑んでいる様子が、このジャンルの更なる熟成を期待させ、新たな楽しみになっています。

私的ベスト駅弁【低価格帯:500円程度】 見栄えより中身!一本勝負の実力派

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総武本線 千葉駅『トンかつ弁当』550円

一時期ブームになった「ワンコイン」ランチも、近年は人件費や物流費などの高騰で、以前ほどの勢いはありません。そんな時代にあって、税込み1,000円未満で買える駅弁が、今大会は37種類もありました。その中でもとりわけ異彩を放っていたのが、千葉駅の『トンかつ弁当』です。

透明のプラ容器に黄色い掛け紙をくるりと巻いた、極めて簡素なスタイル、そこに描かれたコック姿のブタが何ともシュール。1個550円という値段を見て、「あ、安い! これも一緒に買っちゃおう」的な流れで手に取っているお客さんをたくさん見かけました。こうした「ついで買い」できる価格帯の商品は、駅弁においても今後成長が期待できるニッチな分野かもしれません。

驚くのは値段ばかりではありません。掛け紙を取ると、「全面シースルー」の迫力。透明の器に敷き詰めた白飯の上に、薄いロースカツがどーん! なんでしょう、この潔さ。その脇でしば漬けが可愛らしく彩りを添え、ころりとしたタケノコ煮は、隣り合うごま昆布の色が思いっきり滲みています。それがまた美味しそう。何かと「映(ば)え」が注目される時代にあって、「お弁当って、本来これくらいラフでもいいよね?」と問われている感じです。

でも、透明の器はスーパーのお惣菜パックと違い、硬質で、フタに屋号がエンボスされたオリジナル。上下に重ねても中身がつぶれない強度があります。ソース味が付いた4つ切りのカツを箸でチョイと持ち上げると、ご飯に接している下側の衣はあっさり分離。まずは、片面だけ衣を残したカツを一口味わったあと、今度は置き忘れられたほうの衣に戻り、添付のタレ瓶で「追いソース」しながら食べる「衣ご飯」の、まぁ何と美味しいことか!

鼻腔に広がるスパイシーで豊潤なソースの香り。箸休めに時々しば漬けをつまみ、佃煮の甘辛さを受け止めたタケノコの歯応えを楽しむ。ただ安いだけじゃない、不要なものをそぎ落としたミニマムな完成形、機会があれば、ぜひ味わっていただきたいと思います。食べ盛りの方は、この値段に100円上乗せした大盛バージョン『ジャンボかつ弁当』をどうぞ。

〆は駅弁大会半世紀のロングセラー、駅弁の王者で乾杯!

〆は駅弁大会半世紀のロングセラー、駅弁の王者で乾杯!

これまでの「駅弁大会」で最も売れた駅弁の王者といえば、北海道・函館本線森駅の『いかめし』です。

肉厚でプリプリした食感のイカに、もち米をブレンドしたご飯がむっちり詰まった甘辛い味わいは、通算50回以上、実演販売の売上個数第1位に輝いている超ロングセラー。

この『いかめし』は、現在1折780円。昔はワンコインで買える気安さが魅力だったのに……そう思って2006年駅弁大会のチラシを見たら、当時は470円でした。そこから15年経った今、他のロングセラー駅弁が5~20%の値上げに留まっているのに対して、『いかめし』は約4割のアップ。特に2017年以降のイカの不漁が影響しているようです。

こうなると『いかめし』の小ぶりな見た目が逆に災いして、内容量やサイズにばかり目がいってしまい、同じ値段で幕の内弁当が買えるのに……と、ためらってしまいます。

でも、この価格は本当の意味で「高い」のでしょうか。筆者は『いかめし』を子どものころから知っていますが、実際に森駅で買ったことはないのです。買うのはいつも、駅弁大会や北海道物産展。自ら現地へ足を運ぶ大変さを考えたら、それはとても贅沢なことでしょう。

2週間の駅弁大会の締めくくりに、筆者は『いかめし』を買いました。手のひらで受け取ると、ほんわり温かい。この味とまた再会するために、今は“買って応援、食べて応援”。そして、いつか森駅へ『いかめし』を買いに行こう――。そう心に誓って、今回の冒険を終えました。

ありがとう、駅弁大会。また来年、会いましょう!
(文・写真:食神マルワ)

>>いざ参戦!の「前編」はこちら

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