更新日:2022年5月22日
水道水を沸騰させるとより安全に飲める?正しい煮沸の方法や注意点
日本の水道水は世界的に見ると綺麗なイメージがあるものの、そのまま飲むには抵抗がある人もいるのではないでしょうか。
本記事では水道水はそのまま飲んでも体に害はないのか、沸騰させるとどのような効果があるのかについてアクアソムリエの資格を持つ水の専門家にアドバイスをもらいながら解説します。
また、沸騰させる以外の方法もいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
この記事を監修いただいた江口 慶太さま
浄水器メーカーに勤めたことがきっかけで、水にこだわりたい、という強い思いを
持つようになり水の知識と味わいに関する資格「アクアソムリエ」を取得。
その後、約1年かけて地球を⼀周し、世界各地の⽔やミネラルウォーターについて知識を深める。
現在は、ウォーターサーバーメーカーに勤めるかたわら、水などで割って飲む
イギリスの伝統的な飲み物・ハーブコーディアルのブランド「Mill」の展開をしている。HP:http://mill-juice.com/
水道水はそのまま飲んでも大丈夫?
水道水は浄水場で殺菌処理が施されており、そのまま飲んでも人体に悪影響が及ぶことはありません。
まずは水道水の品質水準や殺菌処理について詳しく見ていきましょう。
国内の水道水は品質が厳しく定められている
水道水は各家庭へ行き渡るまでに、水道法に基づいた51項目にも及ぶ厳しい品質チェックが行われています。
1つでも基準を満たしていない場合は供給がストップするだけでなく、原因についても解消する体制が整っているのです。
川や湖の水を浄水場で浄化・消毒している
水道水は、河川や湖沼の水を浄水場で塩素消毒することによって雑菌の繁殖を防ぎ安全に飲める状態にして各家庭に届けられます。
塩素の濃度は河川の水質状態や季節に応じ、体に害のない範囲で調整されていています。
消毒目的の塩素がカルキ臭の原因に
上記の通り浄水場では消毒のために塩素処理をしており、雑菌の発生を抑えています。塩素はカルキ臭の原因となっていますが、安全な水を供給するために必要不可欠です。
水道水を沸騰させるとどうなる?
ここでは水道水を沸騰させることで除去できる物質や除去できない物質について説明します。
塩素とトリハロメタンは除去できる
日本の水道水は水質基準が厳密に定められているため、そのまま飲用可能です。
水道水による健康被害を過度に心配する必要はありませんが、トリハロメタンや塩素などが気になる方は水道水を沸騰させることで除去できます。
「トリハロメタン」は水道水に入れた塩素が有機物とくっついて生成されます。塩素を入れることでできる副産物として、発がん性の疑いがあると言われています。
安全性を十分に考慮し、総トリハロメタンの水質基準値は0.1mg/L以下と定められているものの、微量に含まれているのは事実です。
また浄水場では消毒のために塩素処理をしていますが、塩素はカルキ臭の原因となっています。
水道水を沸騰させることで、トリハロメタンと塩素を除去可能です。
参考文献:厚生労働省
アルミニウムと鉛は除去できない
先ほど触れた通り、水道水を沸騰処理することでトリハロメタンや塩素は除去できますが、アルミニウムや鉛などは除去しきれません。
とくに鉛は鉛中毒の危険性があるとされています。
すべてを除去することはできませんが、処理過程において人体に影響のない微量なレベルに調整されています。
不純物を取り除く水道水の正しい沸騰方法
水道水の正しい沸騰方法について説明します。
- やかんや鍋を用意して一定量の水道水を溜める
- 最低でも10分、できれば30分程度沸騰させた状態で放置
この手順でトリハロメタンや塩素を除去できます。

沸騰させた水道水の取り扱い・保存について
ここからは、沸騰させた水道水を取り扱う際に注意するべきポイントを見ていきましょう。
長期間の保存には向いていない
水道水を沸騰させると、消毒成分となる塩素やカルキも消失してしまいます。
長時間放置すると完全に除去しきれていない雑菌、あるいは外部から流入してきた成分が繁殖しやすくなってしまいます。
沸騰処理した水道水は、なるべくその日のうちに飲み切ってしまいましょう。
常温で放置しない
飲みきれない場合はなるべく常温で放置せず、ふたができる容器に移して冷蔵庫で保管しましょう。
沸騰させた直後は水温が高まっていることから、雑菌が繁殖するのに最適な環境となってしまうため、できればすぐに冷やし始めるようにしてください。
沸騰させた水道水は赤ちゃんの湯冷ましに使える?
日本の水道水は、厳しいチェック項目をクリアしており、赤ちゃんの湯冷ましに利用することもできます。
ただし、塩素やトリハロメタンを取り除きたい場合は、次の点に気を付けましょう。
- 電気ケトル・電気ポットは使用しない
- 作り置きはしない
湯冷ましを電気ケトルや電気ポットで作るのはおすすめできません。
電気ケトルや電気ポットは沸騰と同時にスイッチが自動的に切れてしまうものも多く、トリハロメタンの除去に必要な時間を加熱し続けること
が難しくなっているからです。
塩素やトリハロメタンが気になる場合は、「マニュアル操作」でスイッチを切らない限り沸騰し続ける製品を選ぶか、鍋ややかんを使いましょう。
また沸騰後の水道水は、消毒作用のある塩素等が大幅に減少しているため、なるべく作り置きはしないようにします。
冷蔵庫で保管しても問題ありませんが、作り置きした水を赤ちゃんに使用するのは避けましょう。

沸騰させる以外に美味しく安全に飲む方法3つ
水道水を美味しく安全に飲むには「レモン汁を垂らす」「木炭を入れる」という方法もあります。
レモン汁を垂らす
外食を楽しむ際に、レモンの風味がする水を提供された経験はありませんか。レモンに含まれているビタミンCには塩素を中和する作用があり、カルキ集の緩和や殺菌の効果が期待できます。
酸っぱい味が苦手な方もいるかもしれませんが、市販の果汁や生レモンのどちらでも必要な分量は2〜3滴程度であるため、ほとんど味に変化を与えません。
参考文献:福岡市水道局
木炭を入れる
水道水を入れた専用容器に木炭を入れておくのもおすすめです。
木炭には微細な孔が無数に存在しており、塩素や不純物を吸着する性質を持っています。
また、豊富なミネラルが含まれているため、冷蔵庫で保管している間に水へ溶け込むことで、味と品質の両方を向上させられるでしょう。

ウォーターサーバーを導入する
おいしく安全な水を飲む方法としてウォーターサーバーを導入するという手もあります。
ウォーターサーバーで使用する水は微生物などの細かい不純物を取り除いた「RO水」(ミネラルを配合しているケースが多い)や採水後にろ過・加熱殺菌で不純物を取り除いた「天然水」などです。

品質やおいしさにこだわったアクアクララのウォーターサーバーがおすすめ
アクアクララでは、食品衛生法の基準を満たした原水にRO膜(逆浸透膜)という独自のろ過システムを使用して、1000万分の1mmの小さな不純物まで除去し、「カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム」4種類のミネラル成分を独自の配合比率で加えたRO水を提供しています。
また、専門パネルと呼ばれる「アクアクララ独自のテイスティングの評価テストで一定基準をクリアしたスタッフ」が日々、品質やおいしさのチェックをおこなっています。
このように、水の品質や飲みやすさに徹底してこだわっているため、赤ちゃんのミルクはもちろんペットの飲料水としても安心して与えられる品質になっているのです。
初期費用 | 0円 |
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サーバー本体代金 | レンタル料0円 |
水ボトル・配送料 | 12Lボトル:1,404円→1Lあたり117円ほど 7Lボトル:1,080円→1Lあたり154円ほど |
電気代 | 約500~1,000円 |
メンテナンス サポート料 |
あんしんサポート料:1,430円 ※アクアファブ2年割プランの場合 |
解約手数料 | 通常プラン:6,600円(1年以内の解約) 2年割プラン・子育てアクアプラン:11,000円(2年以内の解約) |
水道水を沸騰させて美味しく安全に飲もう
本記事では水道水に含まれる成分や沸騰によって得られる効果、そして安全に美味しく水が飲める方法を解説してきました。
一般的な水道水でもミネラル成分はある程度摂取できますが、同時に発がん性物質も微量に含有されており、特有のカルキ臭が苦手な方もいるでしょう。沸騰させることでそれらのリスクが解消できる一方、放置すれば雑菌が繁殖してしまう上に、間違った方法を実践すれば発がん性物質が増加する可能性もあります。
そのため、最大限手間なく美味しい水が飲みたい場合はレモン汁や木炭、ウォーターサーバーがおすすめです。