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「泣ける映画」をもっと語りたい! 〜洋画編〜 画像:Amazon

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更新日:2022年6月25日

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「泣ける映画」をもっと語りたい! 〜洋画編〜

映画で涙を流すこと、それは心のデトックス。
まっぷるトラベルガイドでは「おすすめの泣ける映画50選! 心のデトックス、しませんか?」と題して、多種多様な「泣ける映画」をご紹介しました。

でも、書きたいのは「泣ける」ところだけじゃない! 前回の記事に入りきらなかった魅力や個人的すぎるエピソードを、筆者が気ままに語ります。第1弾は《洋画編》です。

おすすめの泣ける映画50選記事はこちら

洋画だけではなく、邦画、韓国映画など、各ジャンルでの定番どころから隠れた名作、アニメや短編、ドキュメンタリーまで、この記事では「泣ける」映画50本をセレクトしています。

もっと語りたい!泣ける映画1. 風と共に去りぬ

もっと語りたい!泣ける映画1. 風と共に去りぬ
画像:Amazon

一度は観ておきたい名作中の名作!

南北戦争時代のアメリカ南部を舞台に、どこまでも気の強いヒロイン、スカーレット・オハラの生き様を描く大河ドラマ。言わずと知れた名作ながら、でも観たことはない映画の代表格かもしれませんね。観てみようかな……と思っても「240分」の長尺に怖気付いてしまうのはやむを得ないことです。

わたしが初めて観たのは3年前。映画評論家・町山智浩さんの解説トーク付きリバイバル上映が名古屋で開催されると知り、東京から夜行バスで名古屋へ行き、トーク込み5時間ほどを『風と共に去りぬ』に費やしそのまま新幹線で帰ってくる、というスペシャルな映画体験をしました。貴重な休日を4時間潰す勇気が出ないなら、いっそ旅をしてしまえ!の発想です。まっぷるトラベルガイドですので。

そんな、ある意味「究極のお膳立て」をしてまで鑑賞した本作ですが、このとき観れて本当によかったと思っています。当時の感想には「完全に舐めてた、度肝を抜かれた、220分じゃ足りない」と書いていました。

「1939年のカラー作品」と聞いて皆さんはどんなものを思い浮かべますか? 「言わずと知れた名作」には相応の理由あり。想像の遥か上をいくこと、お約束します。ぜひ最新のリマスター版でご覧ください。

ただし「泣ける」かどうか、これは両極端に分かれるようです。いかんせんヒロインのスカーレット・オハラはかなり強烈なキャラクターでございまして、ひとことで言えば「自分以外をみんな見下している」ような人物。そんなん泣けるわけないやろと思いきやの、わたしは嗚咽パターンでした。皆さんはどちらでしょうか。

映画の詳細データ
公開年 1939年
製作国 アメリカ
監督 ヴィクター・フレミング
出演者 ヴィヴィアン・リー/クラーク・ゲーブルほか
時間 222分

もっと語りたい!泣ける映画2. フォレスト・ガンプ/一期一会

もっと語りたい!泣ける映画2. フォレスト・ガンプ/一期一会
画像:Amazon

「人生はチョコレートの箱。開けてみるまで分からない」

バス停のベンチにしゃきっと座る一人の男、名をフォレスト・ガンプ。隣に座った人々へ向けて、彼は自身の子供時代から物語を語り始める。運命か偶然か必然か、さまざまに導かれ走り続けた彼の人生は今このバス停へと辿り着き、そしてまた走り出す——。

「泣ける映画」と聞いて真っ先に思い浮かんだ作品のひとつが『フォレスト・ガンプ』でした。ただし、わたしが何よりこの映画で「泣ける」と刷り込まれているのは、ストーリーもさることながら第一に「テーマ曲」なんです。

オープニング、空に舞う白い羽根と、寄り添うように聞こえてくる優しいピアノのテーマ曲。パブロフの犬よろしく、あのメロディが聞こえてくるだけで、なんなら思い出すだけで目頭が熱くなる。本当に印象的な曲ですが、じつは「オープニングとエンディング」の計2回しか流れないのですね。本で言えば表紙と裏表紙、一度手に取ったら忘れられない素敵な「装丁」のような存在だったのかもしれません。

この曲を手掛けたのは同じくロバート・ゼメキス作品『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の音楽で有名な作曲家、アラン・シルヴェストリ。また、今や世界一鳴り響いているかもしれないファンファーレ、『アベンジャーズ』のテーマ曲も彼が手掛けました。

「『泣ける映画』50選」で取り上げた中にも、音楽に催涙効果がある作品は多数。『風と共に去りぬ』の「タラのテーマ」に始まり、エンニオ・モリコーネの『ニュー・シネマ・パラダイス』やヘンリー・マンシーニの『ひまわり』、ジョン・ウィリアムズの隠れた名曲『シンドラーのリスト』も筆舌に尽くし難いメロディです。

映画の詳細データ
公開年 1994年
製作国 アメリカ
監督 ロバート・ゼメキス
出演者 トム・ハンクス/ロビン・ライトほか
時間 142分

もっと語りたい!泣ける映画3. ニュー・シネマ・パラダイス

もっと語りたい!泣ける映画3. ニュー・シネマ・パラダイス
画像:Amazon

巨匠エンニオ・モリコーネの音楽が否応なく涙を誘う

遠い昔に親しくしていた映写技師アルフレードの訃報を聞いた主人公トトは、故郷のことを思い出す。村で唯一の娯楽施設だった映画館「パラダイス座」と共に彼は育ち、恋もした。葬儀のため30年ぶりに帰った故郷で、トトはアルフレードが遺した「あるもの」を受け取るのだが——。

泣く子も黙る、否、黙る子も泣く?「泣ける」映画の代名詞ですね。何度観ても、それがたとえ片手間でも、スマホの小さな画面であったとしても、ラストシーンのトトには必ず目頭が熱くなってしまいます。おそろしい催涙効果。

中年トトを演じたジャック・ペランさんは惜しくも最近亡くなられてしまいましたが、スクリーンを前に感極まっていく「受けの演技」は本当に素晴らしく、これからもずっとスクリーンで生き続けることでしょう。

ちなみに直近で鑑賞した際いちばん「泣けた」のは、トトが30年ぶりに帰郷するシーンです。「飛行機でわずか1時間だよ」「それなのに30年帰ってこなかった」という会話。そして、思いのほか変わらぬ我が家。実家を離れた年数は桁こそ違えど、そこそこ親不孝者の自覚があるわたしには刺さってくる場面でした。母親にメールしちゃった。

目が見えなくなってからのアルフレードにも新たな気付きが。トトが自前の8ミリを説明したりしなかったり見透かされたりするシーンや、パラダイス座・客席のアルフレードが奥さんから映画の説明を受けているシーンなど、「バリアフリー音声ガイド」の描写がこんなかたちで入っていたんだ!と(その業界に少し携わっている身として)驚き、嬉しくなりました。

映画の詳細データ
公開年 1988年
製作国 イタリア/フランス
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
出演者 フィリップ・ノワレ/ジャック・ペランほか
時間 124分

もっと語りたい!泣ける映画4. 英国王のスピーチ

もっと語りたい!泣ける映画4. 英国王のスピーチ
画像:Amazon

英国王室ドラマ『ザ・クラウン』の前日譚としても

「吃音」の悩みがあった英国王ジョージ6世と彼を救った言語療法士ライオネル・ローグの、実話に基づく友情の物語。わたしはこの作品を長いこと観れずにいました。それは、自分にも吃音の経験があったからです。

吃音とは、口を開いても自分の発したい言葉が出てこない症状のこと。決まった言葉を発さなければいけない局面が、日常には多々あります。たとえば自分の名前、住所、電話番号、“おはようございます”に“お疲れ様です”。「言えて当たり前」の言葉が、意識すればするほど出てこない。それが吃音。兄が王位を捨てたことで突然即位することになってしまったジョージ6世の、公務における重圧は計り知れません。

わたしの場合いつの間にか症状が出なくなっていたので完全な当事者ではないものの、本作を観ることで「ぶり返す」のでは、というおそれがありました。それでも観たのは、英国王室ドラマ『ザ・クラウン』に当時ハマっていたから。ジョージ6世はエリザベス女王のお父様です。どんな人だったのかもっと知りたい。好奇心が警戒心に勝ちました。

若干ひきつりながら観た本作は、しかしとても丁寧なつくりでした。一国の王だろうがなんだろうが吃音の症状は同じ。わかる!わかるよ!の連続で、同じ症状を見ることのつらさよりも、症状を共有できる、理解してもらえる、この映画が世界中の人に見てもらえている、その喜びや安堵感のほうが大きかったのを覚えています。

映画の詳細データ
公開年 2010年
製作国 イギリス/オーストラリア/アメリカ
監督 トム・フーパー
出演者 コリン・ファース/ジェフリー・ラッシュほか
時間 118分

もっと語りたい!泣ける映画5. ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)

もっと語りたい!泣ける映画5. ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)
画像:楽天ブックス

恋愛だけじゃない、一期一会の尊さを描いた作品

一人旅が好きです。いくらでも予定を変えられるし、出会おうと思えばいろんな出会いができるから。『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』は、ヨーロッパ周遊列車で偶然出会った男女二人が、途中下車したウィーンの街で語らい歩き回りながら「ビフォア・サンライズ=夜明けまで」思い出作りをする物語。気ままな旅好きさんに猛烈なロマンを与えてくれる映画です。

旅先の刹那な一期一会はわたしにも色々あります。

福岡・中洲の屋台で話に付き合ってくれたサラリーマン二人組。広島・尾道のゲストハウスで最初の会話が「もうチェックアウトしちゃうんですか」だった同室の彼。ニューヨークのホテルで「加トちゃんペッ!」「コマネチ!」等々のおもてなしワードを繰り出してくれたフロントのおじさん。今頃どうしてるでしょうか。ロマンスのかけらもなくてすみません。

本作は、9年ごとに同じキャストで続編が作られています。まずは2004年の『ビフォア・サンセット』。「あの日」から9年を経て再会した二人が、今度は夕暮れまでほんの数時間、パリを歩いて語らいます。「美化された記憶との再会」を幻滅なしで見事に描いた、おすすめの続編です。

そしてさらに9年、18年後の二人を切り取ったのが2013年の『ビフォア・ミッドナイト』。こちらは一転いわゆる「倦怠夫婦もの」へ。つまり少なからず「幻滅」させられる続編となっています。とはいえ、あらゆる倦怠した関係に当てはまる普遍的な映画なので、自分と重ねて刺さる方は多いはず。

ちなみにもう9年経つと2022年なのですが、ほろ苦くも美しい記憶は3作目で止めておくことになったようです。

映画の詳細データ
公開年 1995年
製作国 アメリカ/オーストリア/スイス
監督 リチャード・リンクレイター
出演者 ジュリー・デルピー/イーサン・ホークほか
時間 105分

もっと語りたい!泣ける映画6. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

もっと語りたい!泣ける映画6. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
画像:Amazon

マーゴット・ロビー演じるシャロン・テートが眩しい!

レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの豪華W主演で、ハリウッドで実際に起きた殺人事件を描きます。この映画は、その背景を知らないで観るのと知って観るのとでは全く見え方が変わってきます。端的に言えば、背景を知っていると「泣ける」んです。

単刀直入に史実上のネタバレを書いておくと、マーゴット・ロビー演じる女優「シャロン・テート」は1969年8月9日、チャールズ・マンソン率いるカルト集団「マンソン・ファミリー」に惨殺されます。これはハリウッドを震撼させた有名な事件で、つまり本作は「行き着く先に強烈なバッドエンドが待っている物語である」という大前提があるわけですね。

とはいえ本作はドキュメンタリー映画じゃない、あくまでタランティーノ流のエンタテインメント。背景となった時代については説明もなくさらっと通り過ぎていくのみ。

そこでおすすめしたいのが「シャロン・テート殺害事件」に関連したノンフィクション本です。事件当時「ファミリー」の一員であった少女が数十年の時を経て書いた自伝『マンソン・ファミリー 悪魔に捧げたわたしの22ヶ月(ダイアン・レイク 著/山北めぐみ 訳)』、淡々と調査結果が書き連ねられた『ファミリー シャロン・テート殺人事件(エド・サンダース 著/小鷹信光 訳)』といった関連書籍を読むことで、劇中の全てが「見える」ようになります。

1969年8月に差し掛かってからの緊張感、その先に待つ結末の後味。実在の人物が多数登場する本作において、あえて架空のキャラクターとして投入されたディカプリオとブラッド・ピットの役割とは。「背景」を知り、味わい尽くしていただきたい作品です。

映画の詳細データ
公開年 2019年
製作国 アメリカ/イギリス
監督 クエンティン・タランティーノ
出演者 レオナルド・ディカプリオ/ブラッド・ピット/マーゴット・ロビーほか
時間 161分

まだまだ語りたい! 泣ける映画のこと

まだまだ語りたい! 泣ける映画のこと
画像:123RF

「おすすめの泣ける映画50選! 心のデトックス、しませんか?」で取り上げた洋画作品から6本を、「深掘り」的にご紹介してみました。

時代背景や扱っているテーマなど予備知識を少し取り入れておくことで、映画の味わいはもっともっと深まります。例えば『フォレスト・ガンプ』はトム・ハンクス演じる主人公が激動のアメリカ近代史を駆け抜けていく物語。劇中の出来事や人物などを一つ一つ掘っていくだけでも、相当な勉強になると思います(お前はできているのか? いいえ!です)。

果てない映画の世界、貪欲に旅していきたいですね!

 

編集:まっぷるライフスタイル編集部
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筆者
353

ただの雑食な映画好き。
「観た映画は必ず感想を書く」というマイルールのもと、2018年から映画ブログ『353log』を日々更新中です。
まだまだ不勉強なことばかりですが、皆様に「観たい!」と思っていただけるようなご紹介ができるよう努めます。
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