KinKi Kidsの楽曲と言えば、マイナー調の曲が多い印象ですが、1998年にリリースされた「ジェットコースター・ロマンス」は若かりし頃の明るい楽曲です。ANA「’98パラダイス沖縄」のCMソングで、The・海の歌と言えるでしょう。海ではしゃぐ二人が見られるMVは、かなり貴重でファンの間では人気があります。当初はデビュー曲として用意されていましたが、作曲者の山下達郎さん自身が納得できず、またジャニー喜多川さんのOKも出なかったことで、「硝子の少年」が新たに作られたという裏話があります。軽快なイントロに「波はジェットコースター♩」の始まりは、思わず口ずさんでしまいますね。

2000年にポルノグラフィティがリリースした「ミュージック・アワー」。鈴木杏さん、勝地涼さんが出演したポカリスエットのCMソングでした。元々は「サウダージ」をCMに予定していたものの、夏のイメージに合わないとのことで急遽制作されたとのこと。海に行きたくなるようなイメージで作られているので、CM中で海を駆ける二人にぴったり。聴いたら誰でもウキウキしてしまうでしょう。海の歌の定番曲とも言えますよね。ラジオ番組を進行しているかのような流れの歌詞は、かなり斬新で、ライブでは「変な踊り」と呼ばれるダンスがファンにはおなじみです。

海辺での白のセーラー服と水着姿が可愛いMVの「Everyday、カチューシャ」。AKB48が2011年にリリースし、前田敦子さんがセンターを務めた定番の海の歌です。同じく前田さん主演の映画「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」の主題歌で、他にも多数のCMやメディアに使われました。「女の子たちが集まると、とっておきの夏が来る」のキャッチコピーの通り、楽しい夏を予感させるにかく可愛い王道のアイドルソング。総勢26人もの選抜メンバーの笑顔がまぶしくて、元気が欲しい人にぴったりです。

2000年にリリースされた、サザンオールスターズの「TSUNAMI」。海の歌の名曲で、数あるサザンの楽曲の中でとくに人気が高く、オリコンでは2000年度の年間シングルのランキングで1位、平成のシングルランキングでは2位を記録しています。歌詞は、失恋の悲しさや侘しさが波のように押し寄せてくることからイメージしているとのこと。バラエティ「ウンナンのホントコ!」内の企画だった「未来日記III」のテーマソングで、他にもドラマ「元カレ」の挿入歌や、KDDIの沖縄セルラー電話のキャンペーンでも使用されていました。

海の歌、海を愛してやまない歌と言えば、「島人ぬ宝」。BEGINが2002年にリリースした楽曲です。NHKの「沖縄本土復帰30周年」のイメージソングでした。この曲はボーカルの比嘉さんが、石垣中学校の担任をしていた同級生に頼んで、生徒さんたちに島への想いを綴ってもらったものを元に、歌詞が編まれているとのこと。まさに島の歌と言えるでしょう。沖縄に生まれ育ち、海や自然を身近な存在としているからこそ、悲しい歴史に寄り添った海へ、また少しずつ変わっていく海への想いが込められています。聴く人の涙を誘う海を代表する歌ではないでしょうか。

夏うたの名曲が多いTUBE。1986年にリリースされた、「シーズン・イン・ザ・サン」は、広瀬香美さんや織田哲郎さんなど多くのアーティストにカバーされてきた人気の楽曲です。「キリンびん生」CMソングでした。作曲を手がけた織田さんは、TUBEのイメージである「夏」「湘南の海」に「ビール」が加わり、苦労したとのこと。大勢の男女で海に遊びに行ったことがなかったため、ちょっぴり怨念を曲に込めたのが功を奏したのか、曲は大ヒットし、TUBEの出世作となりました。MVは沖縄の久米島で撮影されており、海の歌の定番曲とも言えますよね。

老若男女に愛されてきた松田聖子さんの「青い珊瑚礁」。1980年リリースで、今の歌番組でも多く取り上げられることから、若い人でも「ああ私の恋は南の風に乗って走るわ〜♩」のフレーズを聴けば、知っている！となる人は多いかもしれません。当時の音楽番組「ザ・ベストテン」で、多忙だった聖子さんのスケジュールを利用して、空港内の滑走路で、着陸して飛行機を降りて歌う演出が行われたとのこと。今だとなかなか考えられませんが、当時の聖子さんの勢いが感じられるエピソードですよね。海をモチーフにしたストレートな恋心を歌った歌は、時代を超えた名曲となっています。

海の歌の定番…、もしかしたら海の歌を超えているかもしれません。T.M.Revolutionのイメージといえば、1998年リリースの「HOT LIMIT」。三ツ矢サイダーのCMソングでした。曲名でピンと来ない人でも、西川貴教さんの衣装で分かる人が多いかもしれません。黒のテープのようなものを全身に巻きつけたスーツに厚底ブーツ、海辺での刺激的なダンスは一度見たら忘れることができませんよね。「インパクトを残すために必死だった」とのことですが、結果大成功。コラボでキティちゃんがこの衣装を着たほか、デレマスの島村卯月などこの衣装を着たフィギュアが数多く登場しました。2016年には公式でスーツが発売されるなど、長きにわたり愛され続けています。

海の歌の王道といえば、間違いなく加山雄三さんの「海 その愛」です。1976年リリースで半世紀ほど前の楽曲ですが、世代を超えて愛され続ける名曲に違いありません。「海よ俺の海よ 大きなその愛よ」の歌詞からは、壮大で愛に溢れ、航海に命をかけていることが伝わり、一度聴けば私たちを悠久な海へといざなってくれます。加山さんは茅ヶ崎の出身で子どもの頃から航海への熱い想いを抱き、大小合わせて10隻以上、大きなもので30mの船を所有されているとのこと。2022年12月には、最終公演として飛鳥IIでクルージングコンサートをを開催。年末の紅白歌合戦では特別出演し、史上最高齢の85歳8か月で「海 その愛」を披露、芸能生活に幕をおろしました。

auのCM「三太郎シリーズ」でおなじみだった「海の声」。2015年にリリースされています。桐谷健太さんの浦ちゃん（浦島太郎）が歌って、爆発的な人気を呼び、海の歌と言えば多くの人が真っ先に、浦ちゃんの力強い歌声を思い浮かべるのはでないでしょうか。作曲はBEGINの島袋優さんが手がけており、BEGINの真骨頂とも言えるこの楽曲は、広大な海と浦ちゃんの歌声にとてもマッチしていますよね。ストレートな歌詞も美しく、空の声、風の声、海の声が聞きたいと願うのは、浦ちゃんだからこそかもしれません。MVでの三線の演奏は実際に桐谷さんがしており、海に向かって歌う様は現代の浦島太郎の姿はこれかと納得させてくれます。最後にはもちろん桃ちゃん、金ちゃん、かぐちゃんも出演していて、歌もMVも魅力たっぷりの楽曲です。