カメラマン☆Hoshiの今月の一枚

まっぷる、ことりっぷの撮影のため日本をはじめ、海外も駆け回る編集部カメラマン☆Hoshi。

数ある取材写真のなかからカメラマン☆Hoshiが直近で撮影した、とっておきの一枚を撮影エピソードとともにお届します!

「桜島を仰ぐ
 日本一小さな礼拝堂」

松下美術館の裏の丘の上にある「日本一小さな礼拝堂」は、去年の春に建ちました。これから長い年月を、日々形を変える噴煙と空模様とともにするのですね(鹿児島県霧島市 日本一小さな礼拝堂)

こんにちは!☆Hoshiです。今年の夏は長かったですね!秋の気配に少し、ほっとしています。

今月は、鹿児島取材紀行です。編集部からの指令は、指宿市のJR日本最南端の駅「西大山駅」と、霧島市にある、昨年できたばかりの「日本一小さな礼拝堂」の撮影でした。

あのね、みなさん。ご周知の通り北海道も広いですが、鹿児島も広いのをご存知ですか?
今月の一枚として取り上げた「日本一小さな礼拝堂」があるのは、霧島市。と言っても大隅半島側で、錦江湾をぐるっと周ったところ。片や西大山駅は、桜島の反対側の南端です。空港は半島の付け根あたりにあり、ちゃんと真ん中に位置しているんですが、さて。どちらから先に行こうかなぁ。飛行機の中で地図を再確認。

「日本一小さな礼拝堂」
 から行くことに

松下美術館から車で約10分のところにある礼拝堂。こじんまりとした佇まいと、きれいなステンドグラス、桜島を仰ぐ絶景から話題となっている場所です。

建立されたのは松下美術館の館長さん。福山病院に隣接しているこの美術館は、病院を創設された医師が世界中から集めたコレクションが収められています。館長さんのお父様であるその方は、戦後間もない時期にイタリアを訪れた際、サレルノの山手に建つ十字架のすばらしい風景に感銘を受けられたそうです。それから始まった教会とのご縁をつないで、ついに昨年、礼拝堂を建てられました。

丘の上から錦江湾と桜島を望む絶景。忙しい心が落ち着いていくのが分かります。礼拝堂は私有地にありますので、立ち寄られる際は松下美術館までご連絡を。

ステンドグラスのむこうに空、映りゆく雲

JR日本最南端の駅へ!

いつもは、店舗のアポなどでびっしりの取材旅行ですが、今回は風景の撮影がメイン。時計ではなく地図を見ながら動きます。なかなか行けない大隅半島も行ってきました。

大河ドラマ『西郷ごん』のロケ地・小牧の棚田(霧島市隼人町)は空港から20分ほど。むこうには北から見る桜島

垂水・猿ヶ城渓谷はキャニオニングもできるスポット

その後は海沿いをぐるっと周って鹿児島市内で一泊し、翌朝指宿方面へ南下します。国道226号線はJR指宿枕崎線と並走していて、時折通りゆく列車と一緒に、海際を気持ちよくドライブ。常夏にいい天気の指宿に着いたら、さて、もうひとつの目的地、西大山駅へ。時刻表を見ると上りが一日に8本のみ。通勤時間帯も一時間に1本しか通らない列車を狙ってスタンバイします。のどかな単線のホームには、「JR日本最南端の駅」の碑がありました。

みんな撮りたい場所は一緒!
誰もいなくなった隙を狙います。
開聞岳が美しい~

西大山駅前にある黄色いポスト。
葉書が届いたら、
消印が楽しみですねえ

来た!貴重な車両!
遠景も撮っとこ!
列車が行ってしまう前に急げ!

とにかく絶景の
ローカル富士・開聞岳

このあたりを走ると、美しい山が目に入ります。きれいな富士の形で悠々と構えているのは日本百名山のひとつ、開聞岳。地図で見ても分かる通り裾野を海に6割ほどせり出した、みごとな美景の薩摩富士です。開聞岳は、登らなくても気持ちのいい山ですねえ。(登るときっと、もっと気持ちがいい!)どこから撮っても絵になります。

瀬平自然公園は、ライダーさんたちの撮影ポイント

開聞岳のふもと、枚聞神社の後ろにも
ばっちり納まっています

お茶処・南九州市知覧町の高塚丘(茶ばっけん丘)から

九州最大のカルデラ湖、
池田湖からも見えました

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昨秋オープンしたdanken COFFEE

屋根の上も絶景です

テラスのむこうに開聞岳

開聞岳と並ぶ、もうひとつの観光名所・池田湖へ。ここには大うなぎが生息していて、幻の生物イッシーがいるんだそう⁈ドライブの休憩にぴったりなすてきなカフェができていました。

スポーツ選手が通うという釜蓋神社にも行ってきましたよ。正式名称は、射楯兵主神社。いたてつわものぬしじんじゃ!と読みます。なんという強者の名前!勝負事や開運にご利益があるそうです。
釜蓋を頭に乗せ、鳥居から階段を上がってお参りするというユニークな願掛けでも知られています。訪れたらぜひトライを。神社裏手の希望岬から見る開聞岳の夕景もすばらしかったです。

このたった3段が、「釜蓋願掛け」の最大の難所。落ちなかったら願いが叶う⁈

小さいのは子ども用。
かわらけ投げならぬ
「釜蓋投げ」もありました

飛ばなかった飛行機…

この鹿児島取材は、1週間ほどの九州取材最後の1泊でした。最終日の夕方遅く、撮れ高にほっとして空港へ到着。帰りは伊丹行き19時すぎの最終便です。チェックインを済ませて搭乗ゲートをくぐり、ひと息いれようと座った途端、間髪入れずにアナウンス…

伊丹上空の天候が悪く、鹿児島に飛んできて折り返すはずだった飛行機が欠航。…最終便は機体がなく、飛びませんとのこと!
払い戻し!カウンターへ急いで戻ります。搭乗便を翌日に振り返るか、新幹線かの選択肢。「今来たバスに乗れば、最終の新幹線に間に合います!」

ダーッシュ!空港から鹿児島中央駅までは、バスで40分ほど。機材と一緒に、新大阪行最終の新幹線みずほに駆け込みます。間に合った…泣!新幹線に4時間弱乗り、23時半すぎに新大阪着。その後もダッシュダッシュで私鉄の最終を乗り継ぎ、なんとか帰宅できたのは、夜中の0時半をまわっていました。…私と同じ出張族の皆さん、飛行機に乗るまでが出張ですね。出発ロビーで気を許してはいけません!

夕景に映える、これぞ桜島。噴煙とともにある鹿児島の暮らし。知らない土地の当たり前っておもしろいですねえ

カメラマン☆Hoshi

昭文社の唯一無二の社内カメラマン。国内のみならず海外ロケにも引っ張りだこ。カナダ在住経験があり英語も堪能なことから、コーディネーター的な役目を果たすこともしばしば。そんな頼りになるカメラマン☆Hoshiも50代後半、さすがにそろそろ弟子を育てねばと思うとか思わないとか。

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