おすすめのノンフィクション映画6選！必見の実話にもとづくおすすめ映画

『ローマの休日』のもとになったとも言われるエピソード

2022年9月8日、英国女王エリザベス2世が96年の生涯を終えました。

在位期間、じつに70年。世界中から愛された「エリザベス女王」は、映画やドラマにおいても幾度となく描かれています。Netflixの人気ドラマシリーズ『ザ・クラウン』などで親しまれた方も多いでしょう。

そんななか、史実というよりも「史実から着想を得た」傑作映画が『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』です。

ときは1945年5月8日のヨーロッパ戦勝記念日。まだ王女だった頃のエリザベスと妹マーガレットは、国王ジョージ6世の許しを得て一夜限りの「お忍び外出」でロンドンの街に繰り出します。——ここまでは事実だそうですが、うら若き王女たちがどんな夜を過ごしたか、それは本人たちのみぞ知るところ。本作は、記録に残されていないその「行間」に思いを馳せます。

監視のもとリッツホテルで過ごすはずの王女たちは、気付けばパブで国王＝父のスピーチを市井の人々と聞いたり、さらには奥深く猥雑なソーホーへ迷い込んだり。はたして「門限」までに無事、バッキンガム宮殿へ帰れるのでしょうか。『ローマの休日』よろしく淡いロマンスなどあったりするのでしょうか。そのあたりは見てのお楽しみ。

なお序盤でディテール細かめに描かれる国王ジョージ6世のスピーチに関しては、同じく史実を基にした名作映画『英国王のスピーチ』を併せてご覧になると理解が深まること請け合いです。彼が娘たちに自由を与えた理由も見えてくるはずです。

ところどころでディズニー社の「懐の深さ」を感じる作品

ディズニー不朽の名作『メリー・ポピンズ』制作の内幕を描いた作品。タイトルだけ見るとウォルト・ディズニーの伝記映画かと思ってしまいますが、真の主役は『メリー・ポピンズ』の原作者「P・L・トラヴァース」です。

1961年、ウォルト・ディズニーは、20年前からあたためていた『メリー・ポピンズ』映画化計画を本格的に進めるため、原作者トラヴァースをロンドンからロサンゼルスへ招きます。ところが念願かなって対面した彼女は、とてつもなく頑固で偏屈な人物でした。契約書にサインを貰えないまま何もかもにダメ出しを食らう日々が続き、さすがのウォルトも頭を抱えてしまいます。

しかし、「頑固な原作者」を貫くトラヴァースにはそれなりの理由がありました。そしてウォルト自身も、かつて自分が生み出した「ねずみ」に彼女と同様のこだわりを持っていたことを思い出し、粘り強く交渉を続けるのでした。

劇中では、トラヴァースの幼少期も並行して語られます。彼女が「メリー・ポピンズ」というキャラクターを生み出した背景には、どんな過去があったのでしょうか。本作の原題である『Saving Mr.Banks』は、その大きなヒントとなっています。エンドロールのとある「音声」もお聞き逃しなく。

併せて観たいのはやはり1964年公開の『メリー・ポピンズ』です。観たことがある方もない方も、本作を観終える頃にはきっと「観たく」なっているはずです！