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【岐阜・五色ヶ原の森】ベールを脱いだ乗鞍山麓もののけの森

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2020年11月16日

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【岐阜・五色ヶ原の森】ベールを脱いだ乗鞍山麓もののけの森

国土面積のおよそ7割を森林で占める森林大国、日本。スタジオジブリの名作、『もののけ姫』に出てくる「もののけの森」のような、手つかずの原生林も数多く存在します。

「もののけの森」と聞いて思いだすのは、屋久島や白神山地などがあるかもしれませんが、実は、岐阜県乗鞍山麓にも、未だベールに包まれた「もののけの森」が存在するのです。
それが、2004年になってようやく一般公開された「五色ヶ原の森」。苔と清流に包まれたミステリアスな太古の森をご紹介します。

※営業時間などは時期によって変わることがあります。随時公式ページをご確認ください。

ベールに包まれた乗鞍山麓「五色ヶ原の森」とは

ベールに包まれた乗鞍山麓「五色ヶ原の森」とは
日本最後の秘境「五色ヶ原の森」

白馬に立山、剱(つるぎ)、槍など、標高3,000m級の名だたる秀峰をたずさえた北アルプス。「五色ヶ原の森」はその最南端の乗鞍岳北西山麓に広がり森林面積約3,000haという広大さを誇ります。
乗鞍岳の伏流水から生まれた大小の渓流や滝、池、湿原、さらに溶岩台地の厳しい環境に適応した多種多様な動植物が生息する森は、まさに太古の姿をそのまま宿した天然の自然博物館といえます。

苔に包まれたもののけの森

古くから山岳信仰の対象として崇められた五色ヶ原。大正中期以降、現在の乗鞍スカイラインの原型とされる登山道が開設されると、旧来の登山道は利用されなくなり、その後森林の所有問題などが重なって五色ヶ原は長らく人が立ち入ることのない、ベールに包まれた存在となっていきました。
しかし、この貴重な自然を多くの人に知ってもらいたい地域の人々が立ち上がり、2004年(平成16年)7月、ネイチャートレイルを新設、一般に開かれることとなったのです。

■乗鞍山麓五色ケ原の森
住所:岐阜県高山市丹生川町久手471-3
電話:0577-79-2280
交通:中部縦貫自動車道高山ICから車で約40分、長野自動車道松本ICから車で約1時間15分、国道158号沿い
営業期間:5月20日~10月31日
営業時間:7:00~17:00(ツアーによる)
休業日:冬季休業
料金:
【ロングコース】
・カモシカ/シラビソ/ゴスワラコース 大人9,000円/子ども(高校生以下)5,400円
【ショートコース】
・シラビソショートコース 大人7,000円/子ども(高校生以下)5,000円
・雌池布引滝コース 一人5,500円 ※子ども料金設定なし
・久手御越滝コース 一人3,500円 ※子ども料金設定なし
※グループでの貸切の場合は、人数に応じて一人あたり割増料金があります
カード利用:不可
駐車場:あり|約130台|無料

五色ヶ原の森へのアクセス

五色ヶ原の森へのアクセス
各コースの拠点となる「五色ヶ原の森案内センター」

集合場所は「五色ヶ原の森案内センター」です。センターまでのアクセスは、電車の場合、最寄り駅のJR高山駅まで、東京・大阪から名古屋経由で新幹線と特急で約4時間、さらに駅から濃尾バスに乗り換え、「五色ヶ原入山口」バス停下車でおよそ40分かかります。

車の場合は、中部縦貫自動車道高山ICから国道158号沿いに車で約40分、長野自動車道松本ICからは約1時間15分となります。

五色ヶ原の森を楽しむために知っておくべきポイント

五色ヶ原の森を楽しむために知っておくべきポイント
入山には森の案内人のガイド同伴が不可欠

五色ヶ原の森では自然への負荷を低減し、保護しながら利用を活性化させるため、高山市の条例に基づいて以下のポイントで整備されています。

・重機を使わず、人の手で登山道、橋、山小屋などを整備
・歩道などの資材には、なるべく倒木や岩など再利用
・山小屋では河川の水力発電から電力供給、水洗トイレにはバイオマス浄化システムを採用
・入山には森の案内人である認定ガイドの同伴が必須
・一日あたりの入山者数を制限
・有料ガイドツアー制の導入

気軽に立ち入れない厳しい制約と管理体制があるからこそ、ミステリアスで神秘的な雰囲気が受け継がれているのでしょう。

きのこや山野草など山のものは採取禁止!

エリア内はいかなるものも許可なく採取、持ち帰ることはできません。珍しいきのこや山野草、昆虫、渓流のイワナを見かけても採取は厳禁。持ち帰るのは想い出と写真だけにしましょう!

五色ヶ原の森のトレッキングは、6つのネイチャートレイルから選択

五色ヶ原の森のトレッキングは、6つのネイチャートレイルから選択
五色ヶ原の森コース案内図

五色ヶ原の森のコースは全部で6つ。すべて「自然環境へ最大限の配慮」をコンセプトに作られています。自分の興味や関心、体力、予算などに合わせて選択してください。

【ロングコース(基本の1日コース)】

①「カモシカコース」:難易度★★★
見どころ 渓谷内を上り下りしながら、豪快な4つの大瀑布を間近で鑑賞する滝めぐり
距離 約6.7km(約8時間)
標高 1,360m~1,620m
料金 大人9,000円/子ども(高校生以下)5,400円

※2020年10月現在、同年7月の豪雨の影響で休止中

②「シラビソコース」:難易度★★★
見どころ 溶岩台地に育まれた苔の森を歩き、季節に応じて水位が変わるふしぎな池、伏流水が織りなす滝や沢など、変化に富んだ水風景を鑑賞
距離 約7.3km(約8時間)
標高 1,360m~1,640m
料金 大人9,000円/子ども(高校生以下)5,400円

③「ゴスワラコース」:難易度★★★★
見どころ 乗鞍山麓最奥部に広がる原生林の森。太古のままの荒々しい巨岩が連なり、苔むした大地と巨木、深い森を鑑賞
距離 約6.4km(約8時間)
標高 1,620m~1,920m
料金 大人9,000円/子ども(高校生以下)5,400円

【ショートコース(お手軽半日コース)】

④「シラビソショートコース」 難易度★★
見どころ シラビソコースの中間地点、「岩魚美小屋」からの後半部分を歩く。沢沿いを下り、水位の変わるふしぎな池やハイライトの「横手滝」「布引滝」を鑑賞
距離 4.4km(約4時間半)
標高 1,360m~1,640m
料金 大人7,000円/子ども(高校生以下)5,000円

⑤「雌池(めいけ)布引滝コース」 難易度★
見どころ シラビソコースのうち、季節に応じて出現する「雌池」と豪快な「布引滝」のみをめぐるお手軽コース
距離 2.0km(約2時間)
標高 1,360m~1,460m
料金 一人5,500円 ※子ども料金設定なし

⑥「久手御越滝(くてみこしだき)コース」:難易度★★
見どころ カモシカコースの最初に現れる落差58mの巨大な滝、「久手御越滝」までを往復する里山ショートコース
距離 3.4km(約3時間)
標高 1,360m~1,500m
料金 一人3,500円 ※子ども料金設定なし

苔好き、滝好きには絶対おすすめのシラビソコース

2020年7月の記録的豪雨の影響で甚大な被害が出た五色ヶ原の森。ガイドや関係者らによる懸命な復旧作業により、同年10月現在はカモシカコース以外のコースが再開されています。
今回は、神秘的な布引滝をハイライトに持つ「シラビソコース」を体験してみました。

シラビソコースにチャレンジしてみよう

シラビソコースにチャレンジしてみよう
休憩所兼避難小屋の「出合い小屋」

溶岩台地の上に育まれた深い苔の森、いたるところから吹き出る伏流水の沢や滝、池。その神秘的な姿は、苔好き、滝好きには大満足のコースです。

当日受付は不可のため、できれば10日前までにWEBや電話で事前に予約するのがおすすめです。空きがあれば直前でも受け付けてもらえる可能性もあります。
ロングコースの集合は早朝7時とかなり早いので寝坊しないようにしましょうね。

センターで受付を済ませたら、ガイドとともに送迎バスに乗り、最初のポイント「出合い小屋」へ移動します。小屋は非常に快適で、温水洗浄便座付きのトイレまで完備。寒い日には薪ストーブも用意されています。

コースの入口にて

簡単なオリエンテーションを済ませたら、このゲートからトレッキングスタートです。

【雌池】

【雌池】
夏から秋にかけて突如現れるふしぎな雌池

鬱蒼と生い茂る森や苔むした溶岩大地、針葉樹林を抜けてまず到着するのは「雌池(めいけ)」。一見普通の池ですが、春から夏にかけては水が枯渇し、夏になるとどこからともなく水が現れるという摩訶不思議な池なのです。

【日雇声滝】

【日雇声滝】
美しい滝に隠された本当は怖い話

次のポイントは「日雇声滝(ひよごえたき)」。林業が盛んだった頃、「日雇(ひよう)」と呼ばれる運材の人夫らが川流しで材木を運ぶ最中、この滝壺で不運の死を遂げたのだとか。以来、滝の音に混じって日雇らの歌声が聞こえるという、いわくつきの民話が名前の由来となっています。

【籠尾清水】

【籠尾清水】
ミストが立ち込める籠尾清水

次のポイントは「籠尾清水(かごおしみず)」。清々しい渓流を包むのは霧ではなくミスト!空気はひんやり、マイナスイオンも全開です。

【ワサビ平湿原】

【ワサビ平湿原】
春には天然ワサビが生い茂るワサビ平湿原

その名の通り、天然ワサビの大群落が5月中旬頃から現れる「ワサビ平湿原」。木道脇には四季折々の山野草も観察することができます。

【岩魚見小屋】

【岩魚見小屋】
非常によく整備された快適な山小屋

コースの中間地点にあたる「岩魚見小屋(いわなみごや)」でランチタイムです。湧き水による水場もあり(煮沸推奨)、近くを流れる川ではイワナの泳ぐ姿も見ることができます。

【シラビソ小屋】

【シラビソ小屋】
水力発電の構造を紹介したシラビソ小屋

岩魚見小屋からシラビソ、オオシラビソが生い茂るシラベ沢を歩き、3つ目の山小屋が「シラビソ小屋」です。小屋の中には、川を利用したミニ水力発電システムの仕組みが紹介されています。

【澄池】

【澄池】
水が消えていた澄池

次のポイント「澄池(すみいけ)」は、雌池同様、突如現れたり消えたりする神出鬼没な池。今回訪れたときは水がなく、残念ながら草木生い茂るただの野原状態でした。言われないと見過ごしてしまうかもしれません……!

【濁池】

【濁池】
こちらも姿が消えていた濁池

澄池のとなりにある「濁池(にごりいけ)」も、渇水時は草原が広がります。激しく雨が降ると水が溢れ、池が現れますよ。

【雄池】

【雄池】
美しくたたずむ池では蚊の大群に要注意

本コース最大の池、「雄池(おいけ)」に到着です。一見静かなこの池、実は蚊の巣窟!虫除けグッズは必携です。雄池では、かつての火山活動の痕跡や、溶岩流と基盤岩の境界がわかる、珍しい地形を観察できますよ。

【八汐峠】

【八汐峠】
八汐峠から乗鞍岳をのぞむ

「八汐峠(やしおとうげ)」まで来たらゴールまであと少し。晴れていれば乗鞍岳の美しい山容をのぞめます。

【横手滝】

【横手滝】
豪快な音を立てて流れるダイナミックな横手滝

ダケカンバ林、ブナ林を下っていくと、やがてハイライトの一つ「横手滝(よこてたき)」が轟音を立てて現れます。辺りはマイナスイオンに包まれ、そのダイナミックな雄姿にただ言葉を失います。

【布引滝】

【布引滝】
苔の深い緑と伏流水が織りなす美しい布引滝

いよいよ本コースのフィナーレ、高さ・幅ともに約40mもある「布引滝」に到着です。苔むした岸壁から毎秒1トンもの伏流水が噴き出し、息を呑むほどに神秘的。展望台は滝の上、滝壺の2か所に用意されています。

コース一番の難所といわれる階段。足元には要注意

この布引滝方面へ降りる階段が、このコース一番の難所ともいわれています。滑りやすいので足元に十分気をつけて、ゆっくり降りましょう。吊橋からのスリリングな眺めも必見です!

五色ヶ原の森案内センターでクマと記念撮影

五色ヶ原の森案内センターでクマと記念撮影
クマもインスタ映えしたい?

布引滝からはスタート地点の出合い小屋に戻り、送迎バスでセンターに戻って解散です。センター内には森に関する写真ギャラリーや映像資料、森の動物たちの剥製などが展示されています。
おすすめはこのクマさん。記念写真をSNSにアップして、家族やお友だちをびっくりさせましょう!

トレッキングの後はやっぱり温泉でしょ!

トレッキングの後はやっぱり温泉でしょ!
温泉につかって疲れを癒やそう

トレッキングで一汗かいたら、最後の締めは疲れを癒す極上の温泉!
飛騨高山といえば日本有数の温泉郷。五色ヶ原の森案内センターから車で10分程度で、奥飛騨温泉郷に行くことができます。できれば一泊して、飛騨牛や朴葉(ほおば)みそ、蕎麦や山菜料理など、ご当地グルメに舌鼓を打ちたいもの。心もからだも癒やされてくださいね。

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