アメリカ、ニューヨーク州ロング・アイランド。女子高生のマリアは予期せぬ妊娠をして退学処分となります。さらに父親の突然死の責任を負わされて、家を追い出されることに……。

行き場をなくし、廃屋に潜り込むマリア。そこで、世の中に馴染めず手榴弾を持ち歩く青年マシューと出会います。

おすすめポイント
90年代ニューヨークインディペンデント映画界の俊英、ハル・ハートリー監督による一風変わったラブストーリー。主人公のマリアは女子高生のわりにケバケバしく、マシューは手榴弾を持ち歩く悲しい表情の人。

自分とは違う変わった人たちなのかも？と思っていたら、物語の展開とともにその背景が見えてきます。ほんの少し自分のことを上手くとらえられない、他人に伝えられない不器用な二人が出会い、お互いを必要とし合う。マリアとマシューの思いが純粋すぎて、カップルで観るタイミングによっては胸が痛いかも。

起こることは突飛、でも真摯な、愛おしい名編です。

こんなカップルにおすすめ！
・王道ラブストーリー以外を観たいカップル
・おしゃれな映画を観たいカップル
・知る人ぞ知る映画を観たいカップル

マモちゃんに出会い恋に落ちたテルコ。その日からテルコの世界はマモちゃん一色に。

友達・葉子の助言も聞き流し、マモちゃんからの着信には秒速で出てどこにいようと駆け付けます。朝まで飲んだり、夜一緒に眠って並んで歯磨きをする暮らしに幸せを感じるテルコ。でも恋人ではありません。

そんな日々が続いていたところに、マモちゃんが“すみれさん”と一緒にいる場所へテルコを呼び出します。

おすすめポイント
角田光代による究極の片思い小説を、恋愛映画の旗手・今泉力哉が映画化。2019年公開時は上映館を拡大し、大ヒットロングランとなった話題作です。

大人になって、自分もパートナーもそれぞれ痛々しい恋の記憶が一つか二つはあるもの。どうしようもできなくなってしまった関係を手放せない状態「止まった時間にいること」も、決して間違いではないとフラットに言ってくれているように感じるのが今泉監督節。

だからこそ、“そこ”からのテルコの跳躍に、言葉にならない気持ちで胸がいっぱいになります。

こんなカップルにおすすめ！
・リアルな恋愛映画を観たいカップル
・ヒリヒリした気持ちを思い出したいカップル
・友人や周りの人とのつながりも大事にしているカップル