更新日: 2023年4月10日
韓国映画で感動したい! ラブストーリーから社会派作品まで30本をご紹介
強い感情表現、激動の歴史的背景——。
韓国映画からしか得られない「感動」があります。
この記事では、王道のラブストーリーは控えめに、心動かされる韓国映画を集めてみました。
「韓国映画ってすごい!」そう思っていただけたら嬉しいです。
目次
『愛の不時着』だけじゃない!「南北もの」で感動できる韓国映画
皮肉にも韓国映画の一大ジャンルとなっている「南北分断もの」。シリアスからコメディ、一見そうは思えないようなものまで、数多くの作品が常に生み出されてきました。いずれもビターな感動が残る物語です。
感動できる韓国映画1. JSA
監督は、のちに奇才となっていくパク・チャヌク
「南北分断もの」の金字塔。JSA(JOINT SECURITY AREA=共同警備区域)とは、韓国と北朝鮮の軍事境界線上にある非武装地帯のこと。「南側」の兵士と「北側」の兵士の禁じられた友情を、ソン・ガンホ×イ・ビョンホンの豪華キャストで切なく感動的に描きます。
また近年、新たな「南北分断もの」の金字塔ともなった大ヒットドラマ『愛の不時着』第1話には、北朝鮮の非武装地帯に降り立ったヒロインが「『JSA』の舞台?」と言うシーンも。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2000年 |
製作国 | 韓国 |
監督 | パク・チャヌク |
出演者 | イ・ビョンホン/ソン・ガンホ/イ・ヨンエ/シン・ハギュン ほか |
時間 | 108分 |
感動できる韓国映画2. レッド・ファミリー
演劇のようなラストシーンに胸を打たれる
「幸せな家族」を装って潜入中の北朝鮮工作員4人と、その隣家に住む「喧嘩の絶えない韓国人家族」。ご近所トラブルから始まった隣家との鬱陶しい交流は、いつしか工作員たちの「祖国への忠誠」を揺るがすものとなっていく——。
シチュエーション・コメディ的な、小さなスケールの「南北分断もの」なのですが、最終的にはかなり大きく感情が動かされること間違いなし。南北統一を願わずにはいられない、必見の一作です。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2013年 |
製作国 | 韓国 |
監督 | イ・ジュヒョン |
出演者 | キム・ユミ/チョン・ウ/ソン・ビョンホ/パク・ソヨン ほか |
時間 | 100分 |
感動できる韓国映画3. シークレット・ミッション
『愛の不時着』には本作の主人公がゲスト出演する回も!
こちらもコメディ寄りな「韓国に極秘潜伏中の北朝鮮スパイ」の物語。北朝鮮のエリート軍人である主人公は、任務のため「アホ」のふりをして韓国庶民の暮らしに紛れ込んでいる。でもいずれ「アホじゃなくなる」時が来る——。
いかんせん「アホ」が強く、これ本当に感動できるの?となるかもしれませんが、否、コメディとシリアスのギャップで泣かされる覚悟をしてください。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2013年 |
製作国 | 韓国 |
監督 | チャン・チョルス |
出演者 | キム・スヒョン/チェ・ウシクほか |
時間 | 124分 |
感動できる韓国映画4. 工作 黒金星と呼ばれた男
おじさんのブロマンスが好きな人にもおすすめ
1990年代、実際に北朝鮮へ潜伏していた韓国のスパイ「黒金星=ブラック・ヴィーナス」を題材とした物語。北で生粋のビジネスマンに成り済ました「黒金星」が中枢の人物と個人的な関係を育んでいく様は、諜報サスペンス映画として面白く、『愛の不時着』ばりの切ない感動要素も併せ持ちます。金正日との謁見シーンも要注目。
一応フィクションとなってはいますが、「黒金星」本人に取材をしたうえで制作されているそうです。そして、今もどこかで壮絶な人生を歩む「黒金星」がいるのだそう。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2018年 |
製作国 | 韓国 |
監督 | ユン・ジョンビン |
出演者 | ファン・ジョンミン/イ・ソンミン ほか |
時間 | 137分 |
感動できる韓国映画5. モガディシュ 脱出までの14日間
緊張感が一瞬解ける「食事シーン」は泣ける
ソマリアの内戦に巻き込まれた韓国大使館と北朝鮮大使館の人々が、お互いのパイプを活かしながら一時の「精神的休戦」で共に脱出を試みる、実話に基づく物語。
大使館員の脱出というと『アルゴ』が有名ですが、本作はその要素に加えて「南北もの」であるところがポイント。現在進行形で未解決の問題だからこそ生じるビターな後味と、「人間同士」の交流が呼ぶ感動。そして映画としての圧倒的クオリティ。韓国映画界への嫉妬が止まらない大傑作です。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2021年 |
製作国 | 韓国 |
監督 | リュ・スンワン |
出演者 | キム・ユンソク/ホ・ジュノ ほか |
時間 | 121分 |
韓国映画×感動=「ラブストーリー」でしょ!
感動できる韓国映画、と言ったらラブストーリーを想像される方も多いでしょう。「あの頃を思い出す」系からファンタジーまで、ヒット作を中心に、さまざまな愛のかたちをご紹介します。
感動できる韓国映画6. ビューティー・インサイド
『梨泰院クラス』のパク・ソジュンも「ウジン役」で出演
「目覚めるたび別人になってしまう男」を主人公に、「愛の本質」を問う感動的なラブストーリー。劇中で主人公ウジンを演じた総キャスト数は、なんと123名! 10分と同じ姿をしていることはなく、性別も年齢も人種も全てがランダムな主人公というファンタジックな設定でありながら自然と感情移入できてしまうのは、これが普遍的な物語だからなのでしょう。
映像が美しく、韓国映画特有のアクが少ないため、あんまり韓国映画観たことないんだけど……という方の入門編にもおすすめです。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2015年 |
製作国 | 韓国 |
監督 | ペク・ジョンヨル |
出演者 | ハン・ヒョジュ/パク・ソジュン ほか |
時間 | 127分 |
感動できる韓国映画7. 建築学概論
タイトルからは予想のつかない初恋ラブストーリー
建築士スンミンのもとに大学時代の同級生ソヨンが15年ぶりに現れ、自宅の設計を依頼する。ソヨンはスンミンの初恋の人だった。忘れかけていた「あの頃」が蘇る——。
400万人超の動員で韓国映画史を塗り替えるほどのブームを巻き起こした大ヒット恋愛映画です。公開当時の韓国では観た人それぞれが自分の「初恋」を語り始めるという現象が起きたそう。甘く切なくほろ苦く、不器用な初恋の記憶に感動、そして身悶えること必至です。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2012年 |
製作国 | 韓国 |
監督 | イ・ヨンジュ |
出演者 | オム・テウン/ハン・ガイン/イ・ジェフン/ペ・スジ ほか |
時間 | 116分 |
感動できる韓国映画8. あなた、そこにいてくれますか
過去の自分を救うために、今を犠牲にしろと言われたら…?
ひょんなことから「飲んで眠ると願いが叶う」謎の錠剤を手に入れた主人公。半信半疑ながら試してみると、そこは30年前。その年に不慮の死を遂げるはずの恋人と、若き日の自分に対面してしまうのだが——。
不朽の名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズを思わせる「時間旅行の鉄板ネタ」が存分に楽しめるのはもちろんのこと、「恋人の死」という悲劇が巻き起こす「過去の自分と、未来の自分とのせめぎ合い」もおもしろい、韓国映画の感動作です。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2016年 |
製作国 | 韓国 |
監督 | ホン・ジヨン |
出演者 | キム・ユンソク/ピョン・ヨハン/チェ・ソジン/キム・サンホ/パク・ヘス ほか |
時間 | 111分 |
感動できる韓国映画9. チャンス商会〜初恋を探して〜
恋のお相手を演じるのはアカデミー賞女優ユン・ヨジョン
スーパーマーケット「チャンス商会」で働く独り身の老人ソンチルは、触れるもの全てに噛み付く堅物おじいちゃんとしてすっかり町の有名人。そんなソンチルが恋をした。お相手は、向かいに越してきた同世代のグンニム。不器用な恋を周囲の人たちも応援し始めるのだが、じつはこの恋、秘密があって——。
感動の真実を知ったら、きっともう一度最初から観直したくなる映画です。どんな秘密があるんだろう、と考えながら観るのもおすすめ。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2015年 |
製作国 | 韓国 |
監督 | カン・ジェギュ |
出演者 | パク・クニョン/ユン・ヨジョン/チョ・ジヌン ほか |
時間 | 111分 |
感動できる韓国映画10. ユンヒへ
「雪はいつやむのかしら」という台詞に込められた思いとは
北海道・小樽が主な舞台となる、繊細なラブストーリー。アジアで人気の高い岩井俊二監督の名作映画『Love Letter』に着想を得たという、「手紙」から始まる物語です。
韓国で娘と暮らすシングルマザーのユンヒと、小樽で叔母と暮らすジュン。かつて何かがあったらしい二人の失われた時間は、それぞれの近しい人たちによるおせっかいで巻き戻されていくことに——。どこかヨーロッパのようにも見える小樽の雪景色がロマンティックで、静かな感動をもたらしてくれます。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2019年 |
製作国 | 韓国 |
監督 | イム・デヒョン |
出演者 | キム・ヒエ/中村優子/キム・ソヘ/木野花 ほか |
時間 | 105分 |
感動できる韓国映画11. 二つの光
視覚障害者向けVRアプリが製作のきっかけに
『八月のクリスマス』『四月の雪』など韓国恋愛映画の名匠ホ・ジノ監督による30分の短編。視覚障害を持つアロマセラピストのスヨンと、視力を失いつつあるピアノ調律師のインス、写真同好会で出会った二人の惹かれ合う様を描きます。
主演の二人は当事者キャスティングではありませんが、劇中には実際の視覚障害者も出演。さまざまな状況における気持ちや行動など、アドバイスを受けながらの撮影となったそう。短い尺ながら、学びも感動も盛り込まれた作品です。
映画の詳細データ | |
公開年 | 2017年 |
製作国 | 韓国 |
監督 | ホ・ジノ |
出演者 | ハン・ジミン/パク・ヒョンシク ほか |
時間 | 30分 |
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
【筆者】353
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ただの雑食な映画好き。——だったはずが、気付けば映画館スタッフに。
映画を観る時間がめっきり減ってしまうというジレンマと戦いながら、映画ブログ『353log』を時々更新中。
不勉強なことばかりですが、皆様に「観たい!」と思っていただけるようなご紹介ができるよう努めます。
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