中部ベトナムの古都で歴史に触れる ~世界遺産の町フエでのんびり観光!~
旅先での過ごし方は、実にさまざま!マリンスポーツでアクティブに動いたり、絶景・インスタ映えスポットを訪ねたりといった楽しみは、いくらでもあります。一方で、観光を通して現地の歴史を知るのもさらにそのエリ...
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中国やフランスに影響を受けた建築物が建つ、阮(グエン)朝時代の美しい街並みが残る。世界遺産にも登録されている宮廷跡を訪ね、べトナム王朝の歴史に浸ってみよう。
【アクセス】
ホーチミンから 飛行機が1日9〜14便、所要約1時間25分。列車では所要約20時間〜。
ハノイから 飛行機が1日4便、所要約1時間10分。列車では所要約12時間30分〜。
ダナンから 列車では所要約2時間40分〜。バスだと約3時間。
【市内交通】
●レンタサイクル/レンタルバイク 市内のホテルやゲストハウスでレンタルできる。自転車は1日4万〜6万VND、バイクは20万VND程度。
●タクシーチャーター ホテルや旅行会社でチャーターの手配が可能。半日50㎞で70万VND〜、1日80㎞で120万VND〜。
●バイクタクシー ホテルや旅行会社でチャーターの手配が可能。1日40万VND〜。
●シクロ 街の風情が味わえる乗り物。交渉次第だが、料金の目安は1時間7万VND。
ベトナム最後の王朝、阮(グエン)朝(1802〜1945年)が都を置いたフエ。街はフオン川(香河)を挟み、王宮跡がある旧市街とホテルやショップが集まる新市街に分かれる。街の最大の見どころは、やはり阮朝王宮跡。1993年にベトナム初の世界遺産に登録された「フエの建造物群」のひとつ。格式ある王朝時代の雰囲気を味わえ、見どころも多い。ほか、フオン川沿いに寺院や帝陵などが点在しており、それぞれ文化的・芸術的価値の高いものだ。
午門 (Cua Ngo Mon) (ごもん)
見学者が入場する南側の入口。高さ17mの楼閣の上からはフエの街を一望できる。「午門」の名は、正午になると建物の真上に太陽が昇ることに由来する。
龍は皇帝の象徴。描かれていたり、彫られていたり、各所で見かけることができる
1802年、ベトナム統一を果たしたザーロン(嘉隆)帝がフエに都を置いたのが阮朝の始まり。フランスはじめ、外国勢力の援助で基礎を築いたが、2代目のミンマン(明命)帝は外国勢力への反感をあらわにし、鎖国政策を選ぶ。フランスは開国を迫り、1858年ダナンに砲撃を加えた。全土の支配を目指し、1882年にハノイを占領。ベトナムはフランスのもとで植民地化され、阮朝の形骸化が始まる。1945年に13代皇帝のバオダイ(保大)がフエの宮殿で退位するまで、阮朝は143年続いた。
中国の都市計画とフランス式城砦の融合
1802〜1945年まで、13代にわたった王宮の跡は、フエ随一の観光スポット。フラッグタワーをはじめ、大砲や門など、見どころが点在している。ベトナム戦争で損傷を受けたが、ほぼ元の形に修復されている。南側の入口「午門」、中心の「太和殿」は必見。
階段や屋根に龍の装飾が見られる
太和殿 (Ðien Thai Hoa)(たいわでん)
中国の紫禁城を模した建物。大広間の中央には帝が座る金箔のイスと台座が置かれ、即位式などが行なわれた。ベトナム戦争で全壊、1970年に再建されている。
王宮内のいちばんの見どころ。公式の行事などが行なわれていた
フラッグタワー (Cot co)
1809年のザーロン帝期に建てられた旗塔で、旧市街のシンボル的な存在となっている。ベトナム戦争や天災により何度も崩壊したが、1969年に再建された。
3層式の台座は17.5m、塔の先までは約30mの高さがある
右廡・左廡 (Huu Vu / Ta Vu)(うぶ・さぶ)
高級官吏の詰所で、右廡は武官、左廡は文官が使用していた。現在右廡では王宮ゆかりの品々を展示、左廡では皇帝衣装を着て記念撮影をすることができる。
太和殿前にある開けたスペースの左右にある
豪華なフランス風建築
カイディン(啓定)帝の離宮として建築された建物。バオダイ(保大)帝が即位するまで皇帝の住居だった。広い敷地の奥に西洋様式の城館、啓祥楼が建つ。
彫刻が施された啓祥楼の外壁が目をひく。内装や当時の調度品にフランス文化に魅了された皇帝の趣味が反映されている
フオン川で歴史クルーズ
フエ郊外には、歴史を感じる観光スポットが点在している。水上からの景色を眺めながらめぐる、ボートツアーを満喫しよう。
ボートに乗って史跡へ
フオン川のクルーズは、ホテルや現地のツアー会社で申し込みが可能。帝廟など見学先の入場料は、別途支払いの必要がある。
フエ屈指の美しさを誇る
全長約2㎞の壁に囲まれた楕円形の敷地に、主要構造物が一直線に並ぶ中国風の構成が特徴。建物の装飾にも中国文化を色濃く反映している。
陵と優雅な庭園を融合、歴代の陵のなかで最も威厳のある造りになっている
皇帝と皇后の位牌のある祭事用の建物「崇恩殿」
バロック建築と装飾
1931年に完成。カイディン(啓定)帝の像の下にその遺体が安置されている。建物は小高い丘の上にあり周囲を一望できる。
欧米の宮殿を思わせる装飾様式
阮朝4代皇帝の陵
阮朝最長の在位期間を誇る第4代皇帝トゥドゥック(嗣徳)帝の陵。1864年から3年間かけて建築。別荘風の建物のまわりには蓮池や釣殿があり、雅な雰囲気。皇帝を祀った寺がある。
美しい配置様式が望める愈謙榭
八角七層の塔が有名
別名「天女の寺」と呼ばれる寺院。トゥニャン(慈仁)塔の各層には仏像が納められている。寺の中心には三尊仏を祀る本堂がある。
「幸福と天の恵み」の意味を表しているトゥニャン(慈仁)塔が建つ
2003年7月に世界遺産に登録。大小20ある石灰岩の鍾乳洞群は、総延長が65㎞にも及ぶ。なかでもフォンニャ鍾乳洞は地底川が流れる音だけが響き渡り幻想的。
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さまざまな形の鍾乳石が神秘的な世界をつくっているフォンニャ鍾乳洞。ところどころライトアップもされている
フエ発祥のグルメや宮廷料理、名物菓子までフエを堪能しよう。
フエ名物料理が味わえる
牛と豚からとったスープに、コシのある米麺のブンを入れたフエの名物料理。チャーシューやエビのすり身がのり、ラー油やヌクマム、ハーブ類を入れて食べる。
ブンボー・フエ発祥の店
お肉とエビのつみれがボリューム満点
王朝の様式を伝える宮廷料理
鳳凰をかたどったカービングや、バナナの葉に包まれた魚のすり身を蒸した扇など、美しいフエ宮廷料理を供する。伝統家屋を利用した店内が素敵。
ここちよい風を感じてガーデン席で味わうことができる
食べてしまうのが惜しいような美しい料理
フエ名物の甘いお菓子
ゴマやピーナッツ、金胡麻などをヌガー状に固めた、フエの名物菓子メッスン・デュアオが有名。24種類ほどの味がある。
さまざまな味わいのメッスン・デュアオがそろう
かりんとうのような甘さ
エネルギッシュな市場
フエ最大の市場。品々が所狭しと積まれ、フエの庶民の生活が垣間見える。ローカルフードも豊富。
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