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まっぷるマガジン編集部

更新日:2020年4月13日

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【ヴェルサイユ宮殿】華麗なる宮廷文化の舞台

目もくらむほどの豪華な装飾、美しい芸術に満ちた部屋たち。各部屋の用途を知って、かつての華やかな光景を思い描きながら見学したい。

黄金時代の美の殿堂

所要時間1時間30分〜2時間

ブルボン朝の絶対王政時代の栄華を伝える貴重な遺産、ヴェルサイユ宮殿。本館と北翼、南翼の3棟からなり、王の寝室から衛兵の間、王室オペラ劇場まで、部屋の数は700室、総フロアは全長680mにも及ぶ。見学コースは1つなので、人の流れに沿っていけば安心。トイレの数は少ないので、入場前に済ませておきたい。王族たちの在りし日の姿を思い浮かべながら歩いてみよう。

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2004年から17年間の予定で改修工事を行なっており、見学できない部屋もあるので注意したい

見学アドバイス

チケットは事前に購入

チケット売り場は混雑しているので、事前にSNCF(国鉄)の駅で1日パスを購入しておきたい。パリ・ミュージアム・パスも使える。

オーディオガイドを活用

1日パスにはオーディオガイドの貸し出し料金も含まれているので、ぜひ借りよう。貸し出しカウンターで日本語を指定すればOK。

ポッドキャストを活用

iPhone、iPodにコンテンツをダウンロードすれば、 映像付ガイドに。 www.mmm-ginza.org/ podcast/pod_top.html

ヴェルサイユ宮殿

現地名:
Château de Versailles
住所:
Pl. d'Armes, Versailles
地図を見る »
アクセス:
RER C5線 Versailles Rive Gauche ヴェルサイユ・リヴ・ゴーシュ駅から徒歩10分
TEL:
01-30-83-78-00
営業時間:
9:00~17:50(閉場は18:30)、11~3月は~16:50(閉場は17:30)
定休日:
月曜、1/1、5/1、12/25 
Webサイト:
http://www.chateauversailles.fr

1階

催しに使用された広間が残る1階。ここで華やかな宴が行なわれた

1.王室礼拝堂 (La Chapelle Royale)

結婚式が催された場所

1710年の完成で、天井画が描かれた丸天井のほか、色大理石でデザインされた床、彫刻などはバロック様式のもの。かつては、毎朝ここでミサが行なわれていたという。

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ルイ16世とマリー・アントワネットの婚礼もここで行なわれた

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身廊内には入れないが周囲は見学可

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コリント式円柱を配した古代風の舞台

2.王室オペラ劇場 (L'Opéra Royale)

木造の豪華な劇場

客席数は700席以上と宮廷劇場としては壮大な規模。木造で音響効果は抜群。しかし、一晩に3000本のろうそくを使うなど維持費が高く、盛大な饗宴は9回行なわれただけという。

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ルイ16世とマリー・アントワネットの結婚を祝うために造られた

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3階中央の3つの席が王と王妃専用のものだという

2階

王族たちのかつての生活の場。部屋ごとに決められた用途が興味深い

3.ヘラクレスの間 (Salon d'Hercule)

巨大天井画に圧倒される

1736年に完成した、宮殿内で最も大きな部屋。天井画はルイ14世時代後期の最高傑作といわれる。ルイ14世にヴェネツィア共和国から贈られたという『パリサイ人シモン家の墓』も見ておきたい。

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ヘラクレスを題材にした約321㎡の巨大な天井画は必見

4.豊穣の間 (Salon de l'Abondance)

豪華な祝宴のサロン

参内した王侯貴族たちをもてなすために使用されたサロン。ここでワインやフルーツジュース、シャーベットなどがふんだんに振る舞われた。一面に広がる天井画も素晴らしい。

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天使たちを饗応する人々の姿が描かれている

5.ヴィーナスの間 (Salon de Vénus)

太陽王像は必見

ル・ヴォーとル・ブランによって完成されたバロック調の部屋。

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中央はヴァラン作のルイ14世像。天井には、愛と美の神ヴィーナスが描かれている

6.ディアーヌの間 (Salon de Diane)

ビリヤード場として使われた

月と狩猟の女神ディアーヌが天井画の中央に描かれている。ルイ14世の時代、ビリヤード場として使われていた。ルイ14世の胸像が置いてある。

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写真中央にあるのがルイ14世の胸像で、大理石でできている。ベルリーニ作

7.マルスの間 (Salon de Mars)

軍神マルスがテーマ

1682年までは衛兵の控えの間として使用され、その後は音楽会や賭け事をする場として使われた。かつてモーツァルトが演奏会をしたことも。

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マルスの勇壮な姿が描かれた天井画

8.メルクリウスの間 (Salon de Mercure)

ルイ14世最期の場所

かつてルイ14世の寝室として使用されていた部屋。1715年にルイ14世の遺体はこの部屋に安置され、1週間にわたってミサが行なわれた。

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かつてはここに高価な銀の調度品があったが、戦費調達のため鋳つぶされてしまったという

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部屋の隅に裏部屋へ通じる隠し扉が造られている

9.アポロンの間 (Salon d'Apollon)

太陽神が描かれる

玉座の間と呼ばれ、王に謁見したり、ダンスに興じたりした部屋。玉座の後ろには、総金糸のタペストリーが飾られ、天井にはアポロンが描かれている。

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燭台やシャンデリアなど豪華な装飾ばかり

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ルイ16世の肖像画。ここにはルイ14世の肖像画も対になって展示されている

10.戦争の間 (Salon de la Guerre)

戦争がモチーフ

コワズヴォー作の、ルイ14世が戦場で戦う姿を描いたレリーフが目をひく。ル・ブラン作の天井画や、壁のレリーフも必見。

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貴重な大理石や鏡、ブロンズで彩られた部屋

11.鏡の回廊 (Galerie des Glaces)

宮殿めぐりのクライマックス

1687年に完成した、長さ73m、幅10.5m、高さ12.3mの庭園を正面に望む回廊。天井画、彫刻、シャンデリア、どれをとっても美しい。2007年に修復工事が終わり、美しい姿を現している。

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14歳のマリー・アントワネットと16歳のルイ16世の婚礼舞踏会が行なわれたのがここ

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1919年、ヴェルサイユ条約が調印されたのもこの回廊

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天井画はシャルル・ル・ブラン作

12.王の寝室 (Chambre du Roi)

きらびやかな専用寝室

1701年に完成した寝室で、宮殿の中心にある部屋。飾られた絵画はルイ14世がみずから選んだ、コレクションのなかでも貴重なもの。

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ルイ14世はここで亡くなった

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大理石の内庭 (Cour de Marbre)

本館建物の中央、大理石を敷きつめた内庭。王の寝室からも見渡すことができる。

13.平和の間 (Salon de la Paix)

平和を感じる絵画が多数

戦争の間と対となる部屋。飾られた絵は楽器や子供が遊んでいるところがモチーフに。ルイ14世時代末期からは音楽室・遊戯室として利用されていた。

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装飾はル・ブランが手がけた

14.王妃の寝室 (Chambre de la Reine)

かわいらしい居室

歴代の王妃がこの場所で王位継承者となる子を出産。出産の様子は公開された。簞笥などの豪奢な装飾も必見。左右には内殿に通じる隠し扉がある。

注意

2017年夏頃まで工事のため閉鎖

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王妃は生活の大半をこの部屋で過ごした

15.貴族の間 (Salon des Nobles)

改造され絢爛豪華に

マリー・アントワネットにより大規模な改装が行なわれ、王妃の謁見の間となった。

注意

2017年夏頃まで修理のため閉鎖

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家具は当時流行だった英国式

16.大膳式の間 (Antichambre du Grand Couvert)

王妃の絵が部屋を飾る

王と王妃が食事をした部屋で、着席が許されたのは王族のみ。演奏家用の楽廊もしつらえられていた。

注意

2017年夏頃まで修理のため閉鎖

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マリー・テレーズの絵も

17.衛兵の間 (Salle des Gardes de la Reine)

警護の待機部屋

王妃の護衛を務める兵士が待機していた部屋。天井には正義と畏怖の神ジュピターの絵が描かれている。

注意

2017年夏頃まで修理のため閉鎖

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多色混合の大理石が美しい

18.祭典の間 (Salle du Sacre)

戴冠式の絵が圧巻

かつては礼拝堂、衛兵の控えの間としても使用されていた広間。ダヴィッド作『ナポレオン1世の戴冠式』が展示されている。

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Check

この作品は2作目で、1作目はルーヴル美術館に展示されている

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奥付:
この記事の出展元は「まっぷるフランス」です。掲載されている電話番号、営業時間、料金などのデータは2015年12月〜2016年1月の取材・調査によるものです。いずれも諸事情により変更されることがありますので、ご利用の際には事前にご確認ください。

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。